総合コンサル(アクセンチュア、アビーム、ベイカレ等)のセカンドキャリア(転職先)

1. 新卒・中途採用共に、総合コンサルの採用意欲は旺盛だが…

DXブームという追い風が吹いている中、アクセンチュア、アビーム、ベイカレントコンサルティング、Big4系コンサル等、総合コンサルは業績好調の様だ。

新卒・中途採用共に積極採用を継続中であり、アクセンチュアなどは、東大や早慶の新卒採用数上位企業となっている。

2. 総合コンサルからの転職の選択肢は豊富かも知れないが…

総合コンサルが人気の理由として、コンサルという響きの良さに加え、セカンドキャリアの選択肢が豊富というイメージがある。このため、「とりあえずコンサル」ということで、就活の段階では特にやりたいことが決まっていなくても、一旦、総合コンサルに就職し、その間にやりたい仕事を見つけて転職すればいいということだ。

確かに、一般的な大手事業会社からすると、早慶や有名国立大学の学生を新卒で採用するのは難しい。トップ就活生の多くは、商社・金融専門職・大手マスコミ・大手デベロッパー・外資系企業等に行きたがるからである。

そうした中、早慶や有名国立大学卒の学歴で、総合コンサルでIT系の業務経験を積んだ人材は是非採りたいだろう。一般的な大手事業会社の新卒採用では採りにくい人材だからだ。

このため、アクセンチュア、アビーム、ベイカレントといった総合コンサルに就職したが、自分に合わない、或いは、仕事がハードでついていけないと感じても、転職先を見つけることは難しくないだろう。

3. 総合コンサルからのセカンドキャリアの可能性

総合コンサルから、一般的な大手事業会社への転職は難しくないかも知れないが、それだとあまり意味が無い。結果論かも知れないが、そういった企業であれば、わざわざ総合コンサルを経由しなくても、新卒で就職できたわけだし、日本の場合は、出世・昇格については新卒組が有利な場合が多いからである。

従って、せっかく総合コンサルに入ったのであるから、転職する場合も、それなりのところに行きたいものである。

それでは、どういったところがセカンドキャリアとしてお勧めなのだろうか?

①同業他社への転職

「何故、総合コンサルから、わざわざ同業他社に転職?」という疑問を持つ人もいるかも知れないが、そもそも転職というのは、同じ業種・同じ職種のところに行くのが基本である。

近年のIT・DXブームが継続していく中で、総合コンサル(ITコンサル)の市場は非常に大きくなっている。これは、それに伴い、転職対象となるポジションが増えることになるので良い話である。

同業他社である総合コンサルに転職する場合、年収アップが期待できる。例えば、20代後半の(シニア)コンサルタントの場合、年収レンジが650~1000万円と広いので、今の会社の年収水準が低ければ、年収アップの可能性は大いにある。

また、年収面だけではなく、上司や同僚との相性というものもあるので、環境の変化を求めて同業他社に転職を考えるということもあるだろう。

総合コンサルの仕事が合わないと思った場合は仕方がないが、そこそこやっていけそうであれば、安易に他業種への転職を考えるよりも、総合コンサルで経験を積んでキャリアを深めていくことが望ましい。

②大手金融機関へのDX部門への転職

コンサルに強いエージェントによると、総合コンサルの同業他社以外への転職の場合、もっとも条件的にお勧めなのは大手金融機関のDX部門への転職だという。

大手金融機関が最も力を入れている部門はこのDX部門であり、コロナ以降は、特にその傾向が強まっているという。

なお、大手金融機関というのは、銀行、証券、保険、アセマネ全てであるので、非常に選択肢は豊富である。

気になる点は、高度なプログラミング能力を有しない文系社員でも、大手金融機関のDX部門への転職が可能なのかということだろう。エージェントによると、この点については、そこそこのプログラミングの素養があって、一定の業務経験があると十分可能だという。もちろん、金融機関にはITの専門家がいるので、面接時において関与したプロジェクトについては突っ込まれるだろうが、職務経歴書が通過すればオファーに至る可能性は十分ある。

大手金融機関のDX部門に転職できれば、年収水準は、ほぼ総合コンサルと遜色ないだろうし、何といっても新卒時の様な配属ガチャを避けることができる。この点は非常に大きい。そして、大手金融機関のDX部門でキャリアを積めば、将来的に転職価値を高めて行くこともできる。また、総合コンサルと比較すると、WLBも優れている。

以上より、現在の環境下では、大手金融機関のDX部門への転職は面白いと思われる。

③楽天、ヤフー等、国内大手IT系企業への転職

金融機関への転職には抵抗があるという人はいるだろう。
特に、将来の起業・独立に関心がある場合は、金融機関よりもIT系企業でのキャリアを選択した方がいいかも知れない。

国内大手IT企業の場合は、楽天、ヤフーといったところがあり、知名度・安定性といった点で魅力がある。

もっとも、年収という面では大手金融機関には劣ってしまう。例えば、ヤフーの場合、それほど給与水準が高いわけでは無いので、30歳でせいぜい700万円位であろう。楽天の場合は、もう少し多いようであるが、大手金融機関には適わない。

ただ、ITから離れ、一般的な事業会社の企画部門に行くよりは、市場価値等の面において悪くない選択肢だと考えられる。

④外資系IT、ベンチャー、独立起業他

同業他社、大手金融機関のDX部門、国内大手IT企業以外にも、選択肢はある。

ただ、GAFAMへの転職は、高レベルなプログラミング・スキルでも無い限り、かなり難しそうだ。GAFAMにどうしても行きたいのであれば、私費留学で有力MBA経由で行くのが良いだろう。

要注意なのが、ベンチャー企業であろう。確かに、IT分野に強く、ハードワークに慣れている総合コンサルの若手は、ベンチャー企業からの人気は高い。このため、CXO等や部長というタイトルに惹かれ、ベンチャーへの転職を考える人もいるだろうが、転職後のキャリアを慎重に考えた方がいいだろう。IPOの蓋然性が高い有力ベンチャーであれば話は別だが、そうでないと失敗する可能性が高い。20代後半になって、ベンチャーで失敗してしまうと、大手企業への転職は非常に難しくなってしまうからである。

将来、起業を目指す場合でも、ベンチャー企業を挟む必要があるとは限らない。起業というのは自分自身が経営者になるわけであり、ベンチャー企業の創業者の下でサラリーマンとして働くのとは異なるからである。この点については、自分が将来目指す方向との関連性を十分吟味すべきであろう。

4. 総合コンサルの場合、選択肢が多いからこそ、エージェントから十分に情報収集すべきである

上記の通り、総合コンサルのセカンドキャリアについてはいろいろな選択肢がある。特に、現時点では、DXブームの追い風が吹いているので、大手金融機関を含め、チャンスである。

転職に際して、なるべく多くのエージェントに登録してもれなく情報収集をすることが求められる。

リクルート、パソナ、パーソル、エン・ジャパン、JACといった大手に加え、今は金融機関にもチャンスがあるので、アクシスコンサルティングやアンテロープの様に、コンサルにも金融にも強いエージェントにも登録したいところである。

<アクシスコンサルティング>

アクシスコンサルティング

<アンテロープ>
https://www.antelope.co.jp/

せっかく総合コンサルに就職したので、特段待遇が良くない事業会社に転職するのは勿体無い。可能であれば、同業他社や大手金融機関のDX部門等も検討してみてはどうだろうか。

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