サラリーマンが起業・独立で失敗する5つのパターンと対応策

序. サラリーマンにとって起業・独立は憧れだが、成功するのは容易ではない

起業・独立はサラリーマンにとっての憧れだ。
面倒臭い上司に使われたり、嫌な客の相手をすることなく、好きな場所、時間、仕事を自由に選んで自分のペースで働くことが可能であり、売上も青天井である。

しかし、起業・独立は、そんなにいいことばかりではない。
そもそも、大きな組織で会社の看板で歯車として働いていたサラリーマンが、自分自身の看板と技能だけで、サラリーマン時代の様な福利厚生付きの安定収入を稼ぎ出すことは容易ではない。

私自身、長年外資系金融機関で働いているが、情報発信系を基盤にして、数年後に起業・独立できたらいいなあと考え、独立で成功されている方々からコンサルを受けている。

そこで、起業・独立に関する、サラリーマンにありがちな典型的な失敗パターンを回避すべく、まず、失敗パターンを整理してみることにした。

その上で、成功に向けての対応策を考えてみたい。

1. サラリーマンが起業・独立で失敗する5つのパターンの整理

①過大な初期投資や固定費が発生するビジネスに挑戦する

サラリーマンが起業・独立を狙うのであれば、なるべく身軽に始めた方がいい。
いきなり多額の初期投資が必要だったり、固定費が嵩むビジネスは避けた方が堅いだろう。

例えば、飲食店を始めようと思うと、小さなカウンターだけのラーメン屋を始める場合でも、店舗の借入、内装工事、機材等が必要となるので1千万円以上かかってしまう。

また、塾を始めるにあたっても、いきなり一等地に教室を借りて、人を雇って、借入で対応するとなると、家賃、人件費、金利と毎月多額の固定費が発生する。売上が予想通りに行かないとなると、すぐにパンクしてしまう。

ホリエモンが、言っているように、少額の元手で始められ、在庫を持たず、利益率が高く、1人でできるビジネスを選択するのが良いだろう。

サラリーマンが、退職金や貯金の大半を、初期投資や仕入れに突っ込むというのが、典型的な負けパターンである。

②地方移住で起業・独立を考える

上記①はコストを掛け過ぎの問題であったが、次は「売上」の問題である。

テレビ朝日の人気番組「人生の楽園」の様に、定年後或いは早期退職して、地方に移住してそこで仕事をしようというケースである。

確かに、山奥や、離島あたりに行くと、住居費は安いし、自ずと地味な暮らしぶりになるし、農作物も一部自給自足できたりもする。生活や仕事をしていく上でのコストは非常に低く抑えることが可能だろう。

しかし、問題は「売上」の方である。
どんなビジネスを手掛けるかにもよるが、そもそも、地元では市場が無いので売上の見通しは非常に厳しい。

そうなると、「今はネットの時代だから、ネットビジネスを行えば、全国の市場を対象にビジネスが可能だから問題ないだろう」と考えるかも知れない。

確かに理屈の上ではそうかも知れないが、ネットビジネスで稼ぐのもそう簡単ではない。
ネットビジネスは「情報」が肝なので、情報のインプットや人脈という点では、東京に居住するのが有利である。また、今でも稼いでいる元ブロガーの人達の特徴は、リアルのビジネスと融合していることである。特に、マスの不特定多数の個人ではなく、個人事業者を対象にB to Bビジネスを展開している。その場合、対面でのリアルビジネスが出来た方が集客において便利である。ネットだけで100%稼ごうと思うと、アフィリエイトとかコンテンツ販売に依拠することになるが、波が大きく不安定なので、副業ならいいが本業にするなら、リアルビジネスを取り入れることが望ましい。

また、実はこれが意外と重要なのかも知れないが、田舎に移住してしまうと、のんびりした雰囲気に飲まれ、全力で働く意欲が失せ、結果としてモチベダウンに繋がるリスクがあるという。

都心で働いていたサラリーマンが、いきなり山奥や離島に移住しようとは考えないかも知れないが、独立にあたって、東京近郊の郊外、例えば、鎌倉に引越しをするケースはある。

しかし、私が個人コンサルを受けた際に言われたのだが、鎌倉あたりでも東京まで1時間半以上かかるので、自ずと東京で人にあったり、セミナーに参加したりする頻度は大きく落ちるそうだ。そして、自然環境は恵まれているので、それに満足して労働意欲が落ちていき、それに伴い売上も落ちるという。

そういうわけで、起業・独立に際しては、まずは頑張って「売上」を作ることが大事なので、地方移住は避けることが望ましい。

③未経験の仕事に挑戦する

サラリーマンが、わざわざ安定収入を捨ててまで起業・独立をするということは、何か得意な仕事や好きな仕事をするのであろう。

しかし、未経験の「仕事」をいきなり始めるのは非常にリスクが高い。
自分が得意な分野であったとしても、それが「仕事」として成功するとは限らない。

ありがちなのが、料理が非常に得意で自信はあったとしても、いきなり飲食店を開いたところで失敗する可能性が高い。何故なら、いくら料理の腕は良くても、それが認識され集客するまでには何段階ものプロセスが求められるからである。

また、海外勤務が長く、英語には絶対の自信があったとしても、英語教室を開けばすぐに千客万来ということにはならない。自分の英語能力の高さを伝えるだけでなく、生徒に対する教え方、ライバル業者に対する差別化等、やらなければならないことは山ほどある。

サラリーマンの場合、組織の中で分業をしていたわけなので、1人で全てをこなして収益化まで持っていくのは大変である。

まずは、副業において、ECとかオンラインとかで実績を積んでいくことが必要であろう。

④会社の看板、顧客に期待する

サラリーマンとして成功するのと、起業・独立で成功するのとは別物で、いくら超エリートサラリーマンでも、独立すると、それまでの会社の看板や顧客網は全く期待できなくなってしまう。

例えば、東大理系院卒⇒マッキンゼーであったとしても、独立してコンサルをやろうとしても顧客はついてきてくれない。独立する際は、「独立したら仕事回すよ!」という調子のいいことを言う人はいるが、いざ独立すると、手のひらを返すように、冷たい対応を取ったりする。

そんなことは十分理解しているのだろうが、サラリーマン時代は自分より格下だと思っていた人が独立して成功しているのを見ると、自分も成功出来て当然だと思う場合がある。

マッキンゼーの例を使うと、ベイカレから独立して成功しているコンサルを見ると、自分ならもっと成功できると勘違いする場合があるが、現実はそうは甘くは無い。

独立すると、「商才」という要素が絡んでくるので、学歴・会社名・会社での実績だけでは上手く行くとは限らない。

この点については、海外でも同様で、私のNYのコロンビアMBA卒の同僚も、「ハーバードビジネススクール⇒マッキンゼーでも、独立して上手く行かない奴はごろごろいる」と言っていた。

サラリーマン時代の顧客から仕事をもらうことが難しいとなると、ゼロからネットを使って集客すれば良いのだが、SNSの世界も忖度が無い世界で、東大・マッキンゼーだからといってフォロワーは簡単には増やしてくれない。

結局、いくら超エリートでも、起業・独立しようと思えば、ゼロから自分自身のブランディングとか人脈作りをしていく必要があり、これには時間も労力もかかるので、そこが辛いところである。

⑤情報発信ビジネスの不安定さ

上記①~④は全て理解した。
初期投資のかからない、在庫も持たない、人を雇わない、情報発信関連の一人起業を始め、居住地も東京で高い緊張感とモチベーションをキープし、数年間かけてSNSのフォロワーを数万人集め、そして、アフィリエイト、アドセンス、note等で月に100万円稼げるようになったとしよう。

この段階まで来ると、更に売上を拡大するために独立してもいいだろうと思うかも知れないが、まだまだ心配事は無くならない。

それは、情報発信系ビジネス、特にマスの個人を相手とするビジネスは非常に不安定である。
典型的なのがYouTuberで、アドセンス収入は1年後には半額になるかも知れないし、3年後となるとどれくらいの収入を維持できるかは全く読めない。

また、アフィリエイトに依存していた多くの独立ブロガーが絶滅した様に、アフィリエイトというのは非常に不安定なビジネスである。広告主の力が強く、一方的に案件が打ち切られたり、成果報酬の値下げが通告されることはザラである。それに、SNSのアルゴリズム変更でimpressionが下がると、当然連動して、アフィリエイト収入も下がる。

それは、noteの売上も同様であって、ヒットしたコンテンツが出ても売上は徐々に減っていく。ヒットを連発することが出来ればいいが、それは、本や映画と一緒で、狙ってできるものではない。

このため、情報発信系はコストが掛からないのであるが、特に不特定多数の個人を対象とするマス向けビジネスだけに依存するのはリスクが高く、他にも収入源として、個人事業者向け(B to B)も手掛けておいたり、いざとなれば実質サラリーマンに近づくが、受託系の仕事も想定しておく必要があるだろう。

2. 上記のサラリーマンが起業・独立における5つの失敗パターンを踏まえた上での対応策

私は、Twitterフォロワーが3万7千人、ブログの月間PVが5万前後、noteの月間PVが約2万程度であるが(2023年12月6日現在)、これらの文字系コンテンツを基盤に一人起業を目論んでいる。

情報発信系の一人起業であるのでコストは掛からず、WeWorkのような贅沢なオフィスを借りることなく、地方や郊外でのんびりせずに東京でそれなりにハードに働くことを想定している。そして、今年あたりから、副業の範囲で情報発信での収益化を本格化し、月収30万円くらいのところまでは到達した。

当然、これでは独立するのには全く不十分なので、以下の様な対応策を考えている。

①受託系ビジネスで一定の収入を得る

私の場合、就活・転職といったキャリア系のコンテンツにフォーカスしているので、就活メディアや転職エージェントで受託系の仕事をするという選択肢が考えられる。
イメージとしては、週何日か出勤(リモートでも良いかも知れないが)して、月収50万円というレベル感だろうか。

ただ、これはある意味、サラリーマンに近く、時給的・時間切売り型ビジネスの側面があるので、売上における受託系の比率が高ければ高いほど、起業・独立する意味は無くなってしまう。

もっとも、まだ受託について本格的に調べたわけではないので、現実的に、どういった内容の仕事でいくらぐらいもらえるかはよくわからない。

これをやるにしても、独立当初の数か月とか、そういった対応が必要であろう。

②個人事業者向けビジネス(B to Bビジネス)

私の場合、1人起業で独立した場合、その成否のカギはこのビジネス次第であろう。
就活・転職系のキャリア系のビジネス、SNS代行ビジネス等において、個人事業者からどれくらいの受注ができるかによって、私の売上規模は違ってくるだろう。

また、個人事業者でなくとも、SNSではなく、メルマガやLINE公式を使った囲い込みビジネスにより、個人コンサルとか、少人数向けセミナー、動画コンテンツ販売等を行えば単価が高いので、ある程度まとまった売上も期待できる。

これを実現するには、既存のSNSやブログのフォロワーを、メルマガ会員に誘導するという作業が必要となる。その方法については、既に3人の方からコンサルを受けたが、これを始めるには副業では難しく、独立するのが確定しないとスタートできない。まだ当面は独立する予定は無いので、このスキルを習得し実践するのはもう少し先となる。

それまでの間に、Twitterのフォロワー数を5万人、noteの月間PV10万・フォロワー1万人を目指して、SNS系の基盤を強化しようと考えている。

③金融収益の確保

一人起業で独立した場合、収益の安定化を図るには、収益源を多様化する必要がある。
このため、今は副業としてやっているアドセンス、アフィリエイト、有料noteという不特定多数向けの個人ビジネスに加え、上記②の個人事業者向けビジネス、さらに金融収益の確保に努めようと考えている。

金融収益については、トレーディングでキャピタルゲインを狙うのではなく、海外株式や海外債券に分散投資をし、その配当や利息、インカムゲイン狙いで投資を行うつもりである。

FIREの際の目安となる利回り4%を想定すると、運用原資が6千万円で月20万円、9千万円で30万円となる。ある程度手元に現金(普通預金/個人向け国債)を残しておく必要があるので、金融収益は月30万円くらい欲しいものである。

なお、私の場合はFP(ファイナンシャル・プランナー)的な仕事も独立後は考えているので、自分自身のケースを教材とするためにも、いろいろな資産形成法を実践してみたいと考えている。

そもそも、わざわざ起業独立を考えるのであれば、難しく考えるよりは、まずは行動してみるタイプの方が向いているという話もある。しかし、自分に合ったやり方というのはあるので、私の場合は手堅く、満を持して起業独立を目指したい。

この記事については、進捗に応じて、自分自身のための記録としても適宜アップデイトしていきたい。

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