立教大学法学部の就職と課題について

1. 立教大学法学部の概要

立教大学法学部の定員は585名。
法学、国際ビジネス法、政治の3学科構成である。
2019年入学生については、56:44で、男子学生の割合がやや高くなっている。

難易度的には、パスナビによると偏差値60.0~62.5で経済学部と同水準、立教大学が売り出し中の経営学部と比べると1ランク低い水準にある。
https://passnavi.evidus.com/search_univ/3160/department.html?department=035

2. 立教大学法学部の就職について

①立教大学法学部の就職の概要

立教大学の場合、学部毎に就職先企業の上位30社までは社名を開示してくれている。
しかし、それぞれの企業に何人就職したかについてまでは開示されていないので、詳細な就職力を分析することは難しい。
https://www.rikkyo.ac.jp/about/disclosure/career/

立教大学法学部の場合、業種別で見ると、以下の様なシェアとなっている。

(%)
金融・保険 19.4
情報 15.4
サービス 13
製造業 11.7
卸・小売り 9.7
公務員 12.8

(出所:立教大学HP 「就職・進学データ」2018年度)

特徴としては、公務員となる者の割合が12.8%と、立教大学の学部の中では最も高い比率となっている。これは、MARCHの法学部全般に言えることである。

②立教大学法学部の具体的な就職先について

大学の公式HPを基に、就職先上位30社を並べてみると、以下の通りである。(2018年度卒業生)

三菱UFJ銀行
国歌公務員一般職
東京都特別区
三井住友銀行
りそなグループ
みずほ証券
日本航空
レイスグループ
アクセンチュア
全日本空輸
三井住友信託銀行
横浜銀行
三菱UFJモルガンスタンレー証券
日本郵便
国税専門官
東京都庁
神奈川県庁
埼玉県庁
さいたま市役所
日本放送協会
農林中央金庫
三菱UFJ信託銀行
東京海上日動火災
東日本旅客鉄道
日本通運
キーエンス
日立化成
双日
裁判所事務官一般職
千葉県庁

(出所:立教大学HP 「就職・進学データ」)

③立教大学法学部の就職における特徴

まず、法学部の場合は、公務員の比率が高いことを受け、メイン就職先にも官公庁が多数上位に入っている。

国歌公務員一般職、国税専門官、裁判所事務官等の国家公務員、東京都特別区、東京都庁、神奈川県庁、埼玉県庁、千葉県庁、さいたま市役所と、上位30社のうち、9つが公務員関係である。

そして、MARCH文系学部の特徴でもあるが、立教大学法学部の場合も、金融機関の割合が高い。メガバンク、りそなグループ、2大信託銀行、農林中金や、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、東京海上日動火災といった大手金融機関が上位に並ぶ。

ここ数年、メガバンクを中心とする銀行が新卒採用者数を大幅に削減したため、金融機関への就職者のシェアがIT関係に抜かれるケースも出てきているが、2018年度においては法学部の場合、金融機関がトップシェアをキープしている。

立教大学法学部の民間企業における2番目のシェアは情報セクターなのだが、上位30社には、それらしき企業が見当たらない。比較的小規模な情報系の企業に分散している可能性があるが、この点は不明である。

また、立教大学全体としての特徴でもあるが、法学部の場合も、運輸業に強い。
日本航空、全日本空輸、JR東日本、日本通運が上位30社に入っている。

気になった企業としては、アクセンチュア、キーエンス、双日、日本放送協会が上位30社に入っている点である。

3. 立教大学法学部の就職における課題

立教大学法学部の就職における課題は、法学部としての存在感をどのように発揮させるかであろう。

法学部の場合、経済系の学部と違って、法曹を目指す者(法科大学院への進学、予備試験)や公務員を目指す者が多いという点である。

もっとも、立教大学法学部の場合は司法試験関係については昔からフォーカスしていないように思える。そうなると、公務員をどう考えるかであるが、公務員比率を高めそこをアピールポイントにするのか、或いは、民間企業への就職を強みとするのか、そのあたりの戦略性を明確にすべきだと思われる。

立教大学法学部の場合も、経営学部を参考にして、グローバル路線を強化することも可能なのだろうが、現時点ではこのあたりは不明確である。

また、業種別で見ると、金融機関への比率が依然として高い点が気になるところである。
何故なら、超低金利による収益低下、手数料の低下傾向、実店舗と人員の余剰化、少子高齢化による国内市場の縮小といった問題点は金融機関共通であり、今後、新卒採用枠は以前よりも減少すると見込まれるからである。

そこで、受け皿になるのが、ITとサービス関連なのだが、金融機関とは就活において見られる要素が異なるので、このあたりの転換を大学がどれくらいサポートできるかが課題となるだろう。

この点については、OB/OG会の協力も望まれる。

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