リクルートがハイスぺ就活生から人気が無い理由

1. 何故かハイスぺ就活生から人気の無い3つの企業

ここでいうハイスぺ就活生とは、総合商社や、IBD・GM・アセマネといった金融専門職を志望する学生である。

総合商社や金融専門職に十分内定できる実力があっても、幅広く優良企業を研究して実際に応募をすることは非常に良い経験である。従って、私は機会があれば、ハイスぺ就活生に対していろいろなタイプの優良企業の応募をお勧めしている。

ところが、私が勧めても、何故か応募すらしてもらえない3つの優良企業がある。
それは、リクルートとサイバーエージェントとキーエンスである。

別に、内定を取る必要は無く、お気楽な立場でせめて企業説明会等に参加をしてくれればいいのだが、何故かこの3社は、それすらしてもらえない。

2. サイバーエージェントをハイスぺ就活生が敬遠する理由はわからなくもないが…

上記3社のうち、金融専門職を本命とする学生がサイバーエージェントを敬遠する理由は何となくわかる。それは、一般的に陰キャ・オタク系の金融専門職志望の学生からすると、陽キャで派手なイメージが強いサイバーエージェントには入って行けないということである。まあ、カルチャーが志望先とは対照的じゃないかという先入観なのだろう。

ただ、リクルートにおいては、仕事がハードなイメージはあるが、サイバーエージェントのような雰囲気は無いと思われるが、その点はよくわからない。

3. キーエンスがハイスぺ就活生からあまり人気が無い理由はスキル習得だろう…

上記3社のうち、キーエンスがハイスぺ就活生からそれほど人気が無い理由はだいたい想像がつく。1つは大阪本社で地方転勤が多いというイメージがあり、そこが東京の学生にとってはマイナス評価につながっているだろう。

ただ、それ以上に重要な理由は、キーエンスは非常に高給だが、スキルが付かないことを気にするハイスぺ学生が多いのだろう。キーエンスでは強固な法人営業スキルが付くとも考えられるが、それは、果たしてキーエンスという会社とプロダクトを離れても有効かどうかは何とも言えない。この点、スキル重視の金融専門職志望者からは敬遠されるのだろう。なお、キーエンスが年収に比して商社よりも人気が無い理由については、こちらのnote記事をご参照下さい。
https://note.com/takatsu2019/n/n1def247c0060

しかし、リクルートの場合、キーエンスとは異なり、スキルは期待できるだろう。
人材とメディアという2大メイン業務については定評があり、実際、非常に多くの起業家を輩出しているし、転職時における市場価値も高い筈だ。

このため、スキルが付かないことを理由に、ハイスぺ就活生がリクルートを毛嫌いする理由は無いはずだ。

4. 大量採用に伴うプレミアム感の欠如が原因か?

リクルートの場合、サイバーエージェントの様な独特な雰囲気は無いし、キーエンスの様なスキルの問題も無い。

それでは、何故、ハイスぺ学生はリクルートの併願(と言っても勉強目的に会社訪問等する程度だが…)してくれないのだろうか?

他に思いつくことは、大量採用によるプレミアム感の欠如だろうか?
リクルートは新卒でも中途採用でも積極的な採用を行っている。また、それがリクルートの強み・特徴でもある。

ただ、採用者数が多いと、ハイスぺ学生にとってはプレミアム感が無いのだろう。
確かに、商社も金融専門職も採用枠は多くは無い。

しかし、それだと、新卒でも中途でも、リクルート以上に積極採用をしている総合コンサルの人気の説明がつかない。商社や金融専門職志望のハイスぺ学生からすると、総合コンサルにもそれほどプレミアム感を感じないのだろうが、それでも、比較をすると総合コンサルの方が人気が高い。

5. 結局はブランディングの問題か…

以上の様に考えていくと、リクルートがハイスぺ就活生から人気が無いr理由はブランディングの問題なのだろうか?

給与水準は大手金融機関並みで(但し年功序列じゃないが)サイバーエージェントやヤフー等のIT系よりは高給だし、人材或いはメディアビジネスではスキルの習得は可能で、大量採用とは言え、人気の総合コンサルほどでは無い。

そうなると、ブランディング、要するに「凄い」とか「カッコいい」と思ってもらえないということなのだろう。この点、総合コンサルの場合は「コンサル」という点がポイントなのだろう。

また、大昔から存在する優良企業なので、新鮮味が無く、オジサン達の世代の優良企業というイメージがあるのかも知れない。

もっとも、リクルートは今でも成長しているし、現状の採用戦略で特に問題を感じていないのだろう。したがって、ブランディングについて何か手を打つこともなさそうだ。

  • ブックマーク