元リクルートの人から聞いた、就活における普遍的な5つの評価基準

1. 就活における評価基準の変化

就活における評価基準は時代によって異なるようだ。
昭和の時代では、学歴と体育会/ゼミのコネが重要で、有名大学の名門体育会の幹部であれば英語は一切できなくても、5大商社に内定できたという。他方、ES、webテ、ジョブ等も無かったので、学歴の差を挽回するのは非常に難しかったようだ。

ところが、最近の就活は何かとやることが多い。
昔は商社やグローバル企業でも「英語は会社に入ってから勉強したらOK」という雰囲気であったそうだが、今ではボスキャリルート等が存在し、英語が得意なものは非常に優遇される。今は名門体育会の幹部でも英語が出来ないと商社は基本無理である。

また、面接やOB訪問でも聞かれる質問は難しいものではなく、企業研究は不要で、「何故この業界/何故当社」とか、「銀行と信託の違い/生保と損保の違い」といった質問で詰められることも無かったという。

さらに、大学の成績は昔は全くどうでも良かったが、今ではGPAまで見られるところもある。

2. 元リクルートの人から聞いた、評価基準が変化した理由

英語、成績、資格(証券アナリスト、USCPA、簿記2級…)、ビジネス経験(起業体験、長期インターン等)、ES、webテ、GD、ジョブと、今の就活では、昔は特に求められなかった非常に多くの就活対策が求められる。

この点について、元リクルートのベテランエージェントの方に聞いてみると、日本の一流企業が欲しがる人物像が変化したからだと言う。

彼曰く、バブル崩壊を経て、日本企業の国際競争力はじわじわと数十年に亘って低下し続けたため、日本企業に人材を育てる余裕が無くなり、日本企業は即戦力的な人材を求めるようになったのである。

特に、テクノロジー(その中でも特にIT系)と金融業界の国際競争力の低下が厳しかったと彼は言う。反対に、アメリカはテクノロジー(特にIT系)と金融業界が世界トップの競争力を有しているため、国力があるのだという。

3. 元リクルートの人から聞いた、就活における普遍的な5つの評価基準

彼によると、一般的に日本企業に国際競争力が低下し、人材を長期的な視点で育てる余裕がなくなったために、即戦力的な人材を新卒にも求めるようになったということだが、具体的にはどういった点が評価基準になるのだろうか?

これに関して、彼は就活においては以下の5つの普遍的な評価基準があると言う。

①リーダーシップ

リーダーシップという用語は誰でも理解できるが、人によって理解の仕方は異なるだろう。
組織の目的を理解して、その実現に向けて自ら行動して行くという様な意味であろう。

リーダーシップについては、会社に入ってから業務経験を通じてOJTで教えて行けばいいかと思われるが、そんな余裕は無いので、企業の目的・ゴールに向けて自主的・積極的に動いてくれそうな学生が欲しいということだろう。

リーダーシップが就活において求められることは、多くの学生は意識している様だが、十分に理解していないのではないかと懸念される。学生は、ゼミやサークルの「幹事」や「副代表」として組織を引っ張ったというステレオタイプな発言をしがちであるが、「肩書」が本質なのではない。平社員でもリーダーシップは発揮できるものなので、リーダーシップの本質を理解した発言ができるか否かで評価は違ってくるだろう。

②グローバル経験/英語力

これは非常にわかりやすい。
日本の少子高齢化は不可避なので、国内市場の縮小化が懸念される(特に内需型のサービス業)。そうなると、海外で稼ぐ他無く、そのためにはグローバル経験/英語力のある人材が不可欠となる。

他方、既存の大企業の従業員には英語が得意でない者が多く、また、入社後に若手社員を鍛える余裕が無いことから、帰国子女や留学経験者が非常に高く評価されることとなった。

これはある意味、学歴では少し劣るが、グローバル経験のある学生にとっては上位校の学生を逆転できるチャンスである。実際、秋田の山奥にある国際教養大学は、歴史が浅いにも関わらず、三菱商事や外資系証券会社への内定者を輩出する等、短期間で就職力を高めることに成功している。

人気企業・難関企業の内定が欲しいのであれば、なるべく早い段階で英語力を強化するのが得策である。

③学業/成績/資格

これについては賛否両論があるだろう。
せっかく大学に入学したのに、真面目に(企業では役に立たない)講義に出席して、良い成績を取るために頑張る学生を集めると、真面目さだけが得意な小粒の人材ばかりを採ることになるような気がする。

この点について、元リクルートの彼が言うには、企業は「頭の良い学生が欲しい」ということだそうだ。先行きが厳しい日本において、企業が収益を上げるためには、今までにない市場やプロダクトを開拓・開発することが求められる。そのためには、言われたことだけを完璧にこなすタイプのマニュアル型人材よりも、創造的なアイデアを産み出せる頭の良い人材が欲しいということである。

そうであれば、成績とか研究テーマとかよりも、webテで知能指数的なものを重視すれば良い気もするが、ただ、こういった点も見られる以上、就活生も全く無視するわけには行かないだろう。

④ビジネス経験/センス

これは非常に共感できる項目である。
単なるカタログ上の性能だけでは収益につながらず、如何にして稼ぐことができるかという「商才」「ビジネスセンス」は、まさに日本企業にとって求められるものであろう。

携帯電話やPCにおいて、ソニーはアップルに圧倒的な差を付けられてしまったが、商品のスペックにおいては決して劣っていないはずである。ただ、商品コンセプト、デザイン、マーケティングといった総合的なビジネス的なセンスにおいては全く太刀打ち出来ていない。

そこで、商才やビジネスセンス、場合によっては、起業家的なセンスを持つ学生を採りたいところである。

ただ、商才やビジネスセンスをどうやって測定するかは難しい。
何らかの起業体験や実績がある学生を採ればいいのであろうが、そういった学生は非常にレアだし、本当に起業センスがあるならば、初任給二十数万円で雇われるよりも起業の道を歩んだ方がいいだろう。

学生もこのビジネスセンスの重要性というのは認識しているようで、ベンチャー企業での長期インターン経験を売りにする学生が非常に多い。しかし、それはベンチャー企業に「居た」だけであって、直接的に自分の商才をアピールすることには繋がらない。

ここのアピールポイントの本質を理解している学生は少ないだろうから、私であれば、小さくてもいいので情報発信系のネットビジネスとか、物販系のネットビジネスに挑戦して、そこでの経験を自らの言葉で語りたい。この対策は、就活メディアには載っていないので、差別化できるチャンスである。

⑤コミュニケーション能力

これはESにおける文章力、面接におけるプレゼン能力である。
コミュニケーション能力は、新卒採用だけではなく、中途採用でも重視される能力であるし、業種や職種を問わず、業務を遂行していく上で不可欠なスキルである。

これについては、今も昔も変わっていないのだろうが、同じ優秀さでも、表現力、プレゼン力が得意な学生とそうでない学生がいる。

コミュニケーション能力における自分自身の課題や癖は発見しにくいので、いろいろな面接を経験したり、社会人と会ってアドバイスをもらうのがいいだろう。

いずれにせよ、昔と比べて今の就活では試される項目が増えているので、早めに就活準備をした方が有利である。その代わり、内定時期が早くなっているので、学生らしい生活は内定後に楽しむしかないだろう。

  • ブックマーク