noteと価格戦略、売上最大化のためには500円と1500円のどちらが良いか?

1. noteの売上は①単価×②販売部数で決まるが…

私は1年前、2022年10月にnoteのアカウントを開設し、2023年4月から有料note販売を本格化した。

noteの売上は、①単価と②販売部数の掛け算で決まるのであるが、一般的には、単価と販売部数(数量)との間にはトレードオフの関係があり、販売部数は少なくても単価を高めに設定するか、反対に、単価を低くして販売部数で勝負するのか、悩ましいところである。

特に、noteの場合は、プロの作家ではない、一般人(アカウントホルダー)のコンテンツの販売なので、価格を低く設定すると質も低いと推測されてしまうという意見もある。

もちろん、同じ筆者の場合でも、カテゴリー、ボリューム(文字数)、プロモーション方法等によって、売上は大きく変わるだろう。

結局、これはやってみないとわからないので、私の場合は基本的に1~2万字程度のボリュームの多めのコンテンツを1,480円で販売していたのだが、今回約三分の一の500円で販売してみることとした。

2. 私のnote販売に関する基本事項

私はTwitterがメインであり、フォロワー数は3万7千人以上いる(2023年10/1時点)。
他方、noteは初めて1年程度であり、フォロワー数は600人強、月間PVは7~8千人程度と大して強いアカウントではない。

このため、note販売にあたっては、TwitterにnoteのURLリンクを添付する形でツイートをする販路がメインである。特にプロモーション無しでnoteのユーザーが私のnoteを購入してくれるケースはそれほど多くは無いと思われる。

なお、noteのコンテンツは転職・キャリアに関するものが大半である。
流行りの、「こうすれば〇万円儲かります」という収益系、情報商材系のコンテンツは対象外である。このため、2,980円とか4,980円という高単価の設定は難しく、紙の書籍の価格を意識した1,480円に設定してきた。

3. 今回の価格設定:1,480円⇒500円

今回は、文字数を若干少な目(6000~7000字程度)にして、価格を従来の1/3である500円に設定することとした。

なお、1500円ではなく、1,480円という価格設定にしていたのは、noteのコンサルを受けた際、そう勧められたからである。スーパーの様な値付けにした方が売れるという経験則らしいが、それを実証することは難しいだろう。

ちなみに、今まで1,480円で販売してきた代表的なコンテンツはこれである。
https://note.com/takatsu2019/n/n836b54fc5ec6

今回、500円で販売することとしたコンテンツは、こちらの2点である。

①【早稲田、慶應、一橋】国内MBA取得によるキャリアアップについて【就職、費用、難易度】
https://note.com/takatsu2019/n/n4f0e7222b587

②エリートサラリーマンにお勧めの自己投資7選【年収1000万】
https://note.com/takatsu2019/n/nfeeab57309fc

狙いとしては、従来の1,480円のコンテンツと同じ売り上げを達成するには、単価を1/3に落としている分、販売部数は3倍以上にならなければならない。

そして、この試みがまずまずであれば、次は単価200円で実験してみようかと考えていた。

4. 結果について

上記の1つ目のコンテンツ、「【早稲田、慶應、一橋】国内MBA取得によるキャリアアップについて【就職、費用、難易度】」は、最初のツイートあたり、15部販売出来た、それまでのコンテンツが最初のツイートで販売できたのは2-10位であったので、まずまずの出来であった。

他方、2つ目のコンテンツ、「エリートサラリーマンにお勧めの自己投資7選【年収1000万】」については、最初のツイートでの販売部数は8部に留まった。

また、1つ目のコンテンツも、2回目のツイートの販売部数は4部であり、期待したほどの売行きでは無かった。

5. 結果に対する評価

売上という点においては、今回の企画は失敗に終わった。
有料noteは必需品では無いので、価格の弾力性は、やはり高くは無かった。
相対的に安いからと言って、それが購買に繋がるわけではないのだ。

このため、当面は500円でのコンテンツ販売は行わないつもりである。
また、200円の薄利多売戦略も、少なくとも自分の場合は、良い効果が期待できそうにないので、こちらも見送りである。

それから、単価と販売部数の話とは直接関係無いが、今回改めて感じたのは、noteの売上を決めるのは、テーマがユーザーのニーズに合うかどうかという点である。
同じ単価500円でも、1本目の国内MBAを通じたキャリア戦略の方が、2本目のエリートサラリーマン向けの自己投資よりも倍以上売れた。いずれも、事前にTwitterのアンケートを実施しているのだが、蓋を開けてみるとこのような結果になった。

やはり、なるべく個別具体的なテーマや何らかのソリューションに直結しているテーマの方が売れるということである。「自己投資」という抽象的で具体的なソリューションとの関連性が薄いテーマは、たとえ500円でも、お金を出してまで買う必要は無いということであろうか。

もちろん、テーマがユーザーのニーズに合うか否かというのは事前予測が非常に難しい。この点は、実際にnoteを書いて試してみる他ない。まあ、noteは原価がかからないので、文章を書ける力(note筋力)を磨くしかないだろう。

6. 今後のnoteの販売戦略と価格設定について

今回、従来と同様のカテゴリーを対象として、若干、文字数を減らして、価格を500円(1/3)にした試みは、売上という観点からはあまり上手く行かなかった。

しかし、1~2年後には、再び低価格戦略を試してみる可能性はある。

その理由としては、売上ではなく、フォロワー増加が目的の場合である。noteの購入はフォローにつながり易い。このため、フォロワー数の増加を狙いたい場合には、500円、或いは、200円で販売する場合もあり得るだろう。

また、コンテンツのカテゴリーや文字数を大幅に変更する場合のテストマーケティングに使うことができる。例えば、エンタメ系のコンテンツ(おすすめ飲食店紹介等)であれば、単価500円でも、趣味と実益を兼ねたものと考えれば悪くない。また、毎日でも書こうと思えば書ける範囲の文字数のコンテンツであれば、単価200円というのもあり得るだろう。

いずれにせよ、noteは具体的なソリューション提供系のテーマのものが売行きが良いと再認識できたので、今後はこの点を強化していきたい。

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