1. 年収4千万以上の外資系金融マンのボーナスの額は?
①年収に占めるボーナスの比率
ある40代半ばの外資系金融勤務の男性がいる。
年収は4千万を軽く超える。年収の内訳は基本給が2300万円、ボーナスは2200万円である。
基本給は同じ会社で働き続ける限りあまり変わらない。ただ、営業系の場合、業績や個人の実績によってかなり大きく変動する。この男性の場合、優秀な営業マンであるので、昨年も2千万円を超えていた。
②ボーナス2200万円の内訳
ボーナス2200万円というと、非常に高額でびっくりするかも知れないが、外資系企業の場合、全額キャッシュでもらえる訳ではない。
何故なら、ボーナスの一部はRSU(Restricted Stock Unit)と呼ばれる株式ボーナスで支払われることが多いからである。
RSUのボーナスに占める比率は、ボーナスの金額に比例して高くなる傾向にある。
例えば、ボーナス1千万ならRSUの比率が15~30%とすれば、ボーナスが2000万だと20~40%というイメージである。
彼の場合は、ボーナスが2千万を超えており、RSUの比率が約700万円であった。
このRSUは直ちに売却して現金化することは認められず、4年間かけて、毎年1/4ずつ売却可能になる。
したがって、彼が直ちに使えるボーナスのキャッシュ部分は約1500万円なのである。
③キャッシュボーナス1500万円から膨大な社保と税金が引かれる…
それでも、キャッシュボーナスが1500万円もあるなんて羨ましすぎると思われるかも知れない。確かに多いのであるが、当然、ここから社保と税金が引かれる。
キャッシュボーナス1500万円から、社保と税金を取られた後の、いわゆる手取り部分は約900万円である。余裕で1千万を下回ってしまうのである。
結局、ボーナス2200万でも、RSUと、社保・税金を引かれた後の、手取り額は900万円と、額面の4割に減ってしまうのである。
彼は、外資系運用会社のケースであるが、外銀でシニアポジションであれば、ボーナスが5千万超のケースもある。ただ、その場合も、RSUと社保・税金によって、額面に比した手取り分は相当少なくなってしまうのである。
2. 手取り900万円の使い道:まずは貯金
ボーナスの使い道は人によって様々であるが、外資系金融の場合、国内系金融とは異なり終身雇用では無いので、将来に備えて貯金をする必要がある。そして、一般的に外資系証券(外銀)よりも、外資系運用会社(アセマネ)の方が控え目な使い方をする人が多いと思われる。
この年収4千万超の彼の場合も、手取り900万円のうち、半分強の500万円を貯金に回す。毎年、ボーナスの半分は貯金に充てることを目標としている。
そうなると、使えるボーナスの額は、900万-500万の400万円になる。
3. 貯金額を除いた、400万円の使い道
①外資系企業のボーナスは年1回なので…
それでは、RSU込の額面2200万のボーナスから、社保や税金が取られ、そこから貯金充当分を残した400万円、ここから好きに使いたいところだが、そういうわけにも行かない。
何故なら、外資系企業のボーナスは年1回が基本である。
従って、今、使い切ってしまうと来年まで待たないと行けない。このため、彼の場合は、4半期ごとに4分割し、3か月間に自由に使えるボーナスは100万円を目安にしている。
そうすると、ボーナス直後、年1回のお祭り直後に好きに自由に使える金額は、100万円となる。
②どういう贅沢消費をするかは人によって様々だが…
ボーナス直後に好きに使える100万円をどう使うか?
これは本当に人によって様々である。彼の場合は、ボーナスのタイミングでスーツを新調することが多く、今回もとりあえず1着購入した(ラルフローレンで15万円程度)。
そして、彼は鮨が好きなので、お気に入りの銀座の鈴木を予約した(2人分10万円)。これ以外にも、ミシュラン☆付きフレンチなども検討している。
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13184367/
他には、東京近辺の旅行(伊豆、箱根の高級旅館)を検討している。
まとめ:外資系金融のボーナスは見た目ほど好きに使えない
上記を読むと、将来外資系金融を目指す学生や若手金融マンからすると、がっかりするかも知れない。結構頑張って、それなりに成功できたのなら、港区のタワマンに住んでフェラーリに乗れる姿をイメージしているかも知れないからだ。
さらに、フェラーリどころか、オーデマピゲとかパテックフィリップあたりの高級時計1つ、1回のボーナスで買えないのかと思うかも知れない。(物理的に買えなくはないが、キャッシュ部分の半分以上を全て時計にはなかなか使えない…)
もっとも、そんなに悪い話でもない。
何故なら、彼の様に、ボーナスの半分を貯金に充て、額面年収の2割を貯蓄に回すと、10年間で9千万円位貯まる。さらに、RSUもすぐには使えないものの、退職時までキープしておくと数千万円になる。加えて、退職金(年に基本給の1割程度)もあるので、現時点の貯金と合わせると、50代半ばで2億円位の貯金(金融資産)を達成できる。そうなると、余裕である。
また、ボーナス直後に好きに使える金額こそ100万円程度であるが、年間では400万円程度使えるわけで、これは騒がれた三菱商事のボーナス550万円の手取り額よりも多い金額である。
外資系金融の年収が高いと言っても、意外と好きに使える金額は見た目よりは少なく、堅実に使わないと貯金はなかなかできないということである。