年収1500万でポルシェマカンを買う理由

1. 売行き好調のポルシェマカンを年収1500万円で買えるか?

ポルシェマカンという、ポルシェのSUVがある。
ポルシェのSUVというとカイエンが有名だが、マカンはカイエンより一回り小振りで、機動力重視だとマカンが良いということだ。
https://www.porsche.com/japan/jp/models/macan/macan-models/macan/

たまたま街でマカンを見かけて、半年以上前に、港区の正規ポルシェディーラーを訪問したことを思い出した。当時は今以上に半導体不足で、ベンツ等の輸入車の供給不足が顕著だった時期なので、今とは多少状況が異なるかも知れない。

ディーラーによると、ポルシェはSUVが人気で、カイエンとマカンのポルシェ内シェアは6割以上にも及ぶという。そして、カイエンは巨大なので、東京では一回り小さいマカンが凄い人気で、リセールヴァリューも非常に高いという。

ポルシェなので当然高額で、ウェブにはベーシックモデルは791万円とあるが、ポルシェはオプションが高く、必要なものを揃えて、諸経費を含めると1千万円近くになるという。

「どれくらいの年収の人を想定しているのか?」とディーラーに聞いたところ、年収1500万円位を想定しているし、購入者の8割位がローンを使うので、それぐらいであればローンの審査は基本的に通るということだ。

しかし、コスト高の東京に住んで、年収1500万で1千万近いマカンを買うのは少々無理なのかと思った。

2. 残価設定ローンを使えば可能?

マカンの場合、非常に多くの人がローンを利用するという。
ローン金利は経済情勢や、キャンペーン時か否かによって異なるが、半年前は2.9%という金利が使用可能であった。

仮に、手持ち資金と下取代金を合わせて頭金500万用意したとしよう。
そうすると借入は500万円で、3年(36回)払いでボーナス時加算無しとすれば、月々の支払いは約14.5万円となる。

もっとも、年収1500万といっても手取りは1030-1040万円位であり、月換算すると、87-88万円程度。さすがに、不可能ではないが、クルマのローンだけで月14.5万の負担は無理がある。

それでは、頭金をもう少し頑張って、700万円用意したとしよう。
この場合は、借入金額は300万円となり、同じ金利2.9%を想定し、計算すると、月々の支払いは約8.7万円となる。これだと、ギリギリ位か?

ただ、現実的には、ローンの中でも残価設定ローンというのがあって、そちらを利用する人が多いので、もう少し月々の負担は少なくすることができるらしい。

3. 年収1500万円で月々7~8万円のローン負担でマカンを買う理由

物理的に、年収1500万円あれば、トータル1千万円のマカンを買えることはわかった。
ただ、昔はクルマはステータスシンボルだったが、今では若者はクルマへの関心度が下がってきているという。そういう環境下、無理してマカンを買う理由がよくわからない。

ここからは、想像になるのだが、もっとも単純な理由は、純粋にクルマが好きで、どうしてもポルシェブランド、そして、マカンが欲しいという理由だ。年収400万円でもフェラーリの中古を買う人がいるという話は聞いたことがあるので、ポルシェも憧れのクルマであり、中にはそういう人もいるだろう。

もっとも、マカンはある程度実用性もある4ドアのファミリーカーでもあるので、完全に趣味のクルマであるフェラーリや、同じポルシェでも実質2人乗りのカレラとは事情が異なる気もする。

結婚していると、家計に影響するので、奥様方からは簡単には許しをもらえなさそうである。
この場合、今流行りのパワーカップルで、奥様も高年収でお財布が別々であれば、OKなのかも知れない。

また、ディーラーによると、マカンは非常に幅広い年齢層(30代から60代)から人気なのが特徴ということである。そうすると、50代の場合、相続によって余裕ができた可能性はある。また、60代であれば子供が独立し、退職金も手に入ったので、憧れのポルシェに乗ってみたいというニーズがあるのかも知れない。

他には、コロナ以降の株高の時期に、株とか、或いは仮想通貨で一儲けしたという可能性もある。もっともその場合は、ローンは使わないのだろうが。

4. 結局は低金利が継続する中、ローンで高額の買い物をすることに抵抗が無くなった?

長期的に低金利が継続している。
このため、8千万円もの豊洲のタワーマンションを世帯年収1500万円で買う人もいるという。東京、特に都心の物件は非常に高騰しているので、年収に比して無理目のローンを組まないと買うのは難しくなってきている。そういった状況が継続し、お金を借りて高いものを買うことに抵抗が無い人が増えたのだろうか?

とは言え、住宅とは違って、趣味に過ぎないクルマを無理してまで買う理由は良くわからない。ひょっとすると、かつてのバブル期のように、高騰化した住宅を買うのを諦める代わりに、クルマで贅沢をしようという人もいるのだろうか?

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