三菱HCキャピタル(旧三菱UFJリース)、リース業界への就活、年収、難易度、出世について

序. 三菱HCキャピタルの誕生

旧三菱UFJリースは、旧日立キャピタルと経営統合し、2021年4月1日から「三菱HCキャピタル」として始動した。まだ三菱HCキャピタルがスタートして時間が経っていないので、ここでは旧三菱UFJリースについて紹介する。

1. 旧三菱UFJリースとは

①リース業界について

リース業界はB to Bの業界であるため比較的馴染みが薄いかも知れないが、れっきとした金融業界の1つであり、特に大手は安定好業績の隠れた優良企業である。

業界の最大手は、何と言ってもオリックスである。こちらは球団経営もやっていたり、CMも結構売っているので、知名度は圧倒的に高いだろう。

<オリックスの年収、就職等>
https://career21.jp/2019-05-20-163257/

それ以外の大手としては、メガバンク系で見ると、三井住友ファイナンス&リース、芙蓉総合リース、三菱UFJリースなどがある。

ここでは、旧三菱UFJリースに絞って紹介する。

②旧三菱UFJリースについて

三菱UFJリースは、MUFGと三菱商事を親会社とする大手のリース会社である。
特徴としては、社会インフラ、環境・エネルギー、不動産、ヘルスケア、グローバルアセットの5分野を重点産業としているようだ。
http://www.mul-saiyo.com/business/field/

2019/3で見ると、当期純利益が687億円、営業資産残高が約5兆円、連結従業員数が約3200人といった規模感だ。

2. 旧三菱UFJリースの年収について

早速年収の紹介だが、実は結構年収の水準は高い。これはそれ程知られていない。

初年度こそ年収350~400万円スタートであるが、26歳の時点で年収600万円位になる。
そして、30歳の時点では年収700~800万円に、入社10年目の32~33歳位には年収900~1000万円に到達する。

30代半ば以降位に課長に昇格すると、年収1000万円は突破し、年収1000~1100万位であろうか。

更に、次長に昇格すると1100~1200万円、部長に昇格すると1400~1500万円というイメージである。もっとも、どこの金融機関も同じであるが、部長まで昇格できる人は一部に過ぎない。

昇給のペースは課長手前まではほぼ横並びであり、年収の違いは残業時間の差であることが大きい。この点は、他の一般的な大手金融機関と同様である。

年収水準の高さは、ボーナスが高いことに依拠するのであるが、全体観としてはメガバンクよりも若干低い水準であり、大手地銀よりも良好では無いだろうか?

3. 旧三菱UFJリースの働き方、出世について

旧三菱UFJリースは財閥系のB to Bビジネスの会社である。従って、メガバンクや生損保のような他の大手金融機関と違って、リテール営業が無い。

従って、働き方としては、RM、ルート営業がメインの仕事である。
このため、ワークライフバランスに優れているし、ホワイト企業だと言える。

もっとも、いいことばかりではない。
それは親会社がメガバンクなので、部店長以上は親会社から人が降って来るため、昇格が難しいという点である。

生え抜き社員の場合だと、部店長クラスが自ずと上限となってしまい、役員から上になるのは難しい。この点、アップサイドが気になる野心家タイプの就活生にとっては物足りないかも知れない。

4. 旧三菱UFJリースの入社難易度

旧三菱UFJリースの入社難易度は、待遇の割には入りやすい。
メガバンクの子会社ということと、リースというB to Bの会社であるため目立ちにくいからであろう。

数年前は総合職40~50人位を採用しており、トップクラスは早慶だが、ボリュームゾーンはMARCH、地方国立レベルである。

金融専門職狙いとか商社志望といった上位層が押しかけて来ないので、比較的競争は厳しくなく、メガバンクや大手生損保よりは入りやすいと思われる。

もっとも、21/3卒向けの募集要項を見ると、総合職の採用予定数は30名となっており、数年前と比べて枠が減っている。

また、商社やメガバンク自体も21/3卒については新卒採用枠を減らす可能性もあり、全般的に従来よりは難化する可能性があることに留意すべきだろう。

5. 旧三菱UFJリースにおけるキャリアについて

外銀とか外資アセマネに転職したいという人達は来ないであろうし、そもそも、業務内容も異なる。このため、途中で転職によるキャリアアップを図るというより、終身雇用がメインとなるだろう。

とは言え、従来の様な終身雇用がずっと保証されるとは限らないご時世である。
いざという時に備えて、何らかのスキルは磨いておきたい。

例えば、旧三菱UFJリースの場合、海外にもそれなりに拠点があり、特にアジアには19拠点もある。グローバル経験を積むということは、語学の面も含めて人材としての価値を上げることに繋がるので、機会があれば手を挙げてみたい。

また、会社が5つの重点産業としている中においては、不動産事業が面白い。不動産再生とか不動産流動化ということにも取り組んでいるので、ここは普遍的な武器になる可能性がある。

最後に

安定性、給与水準、仕事内容をトータルで考えると、入社難易度はそれほど高くはなく、お買い得な業種であった。

しかし、2020年初頭に生じたコロナウイルスによって、世界経済は非常に大きな影響を受け、2021年5月時点でまだ収束の目途はたっていない。22卒については、ほぼ計画通りに新卒採用が実行された模様であるが、23卒以降の就職はどうなるか不透明なところもある。

もともと、旧三菱UFJリースの場合は採用者数が少ないので、国内系アセットマネジメントと同様に難化する可能性もある。

そこで、応募するにあたっては、業界研究をしっかりやるとともに、十分にOB/OG訪問を行う等、慎重な対応が求められるようになるだろう。

特に、2021年4月から新会社になったので、徐々に社風や待遇が以前の三菱UFJリースとは異なっていく可能性がある。この点は、OB訪問や会社説明会で十分にチェックしておきたいところだ。

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