メガベンチャーでのキャリア形成の魅力(出世、年収、スキル、転職、独立等)について

1. メガベンチャーでのキャリア形成の魅力

メガベンチャーと言うと、明確な定義は無いが、既上場の元ベンチャー企業というイメージだろうか?

ヤフー、LINE、楽天、サイバーエージェント、DeNA、GMOインターネットグループ、エムスリー、メルカリあたりが、メガベンチャーに該当する有名企業だと思われる。

メガベンチャーの場合、既に組織も大規模化し、上場しているのでストックオプションで一攫千金という妙味は無い。また、スタートアップの様に、20代のうちに幹部に超スピード出世できる可能性も低い。

しかし、そこそこの給与水準とWLBといった大企業的な安定性を享受可能で、大企業と比べると、仕事の裁量の幅や柔軟性は大きく、社内異動の可能性や昇進速度、また、スキルの習得という点においては大企業よりも恵まれている場合がある。

このような、大企業の良さとベンチャー企業の良さとを兼ね備えているのが、メガベンチャーで働く魅力である(もっとも、大企業とベンチャー企業の悪い面を兼ね備えているというネガティブな見方も可能であるが…)

メガベンチャーでのキャリア形成についての魅力については、こちらのブログ記事でも言及しているが、改めて整理すると、以下の様になる。
https://career21.jp/pivot2000manno6tu/

①スピード出世の可能性

メガベンチャーの場合、30代で本部長クラスへの昇進も可能である。
そうなると、非常に広範な裁量を持てるし、多くの部下のマネジメントを経験することができる。

また、本部長クラスのポジションに就くと、年収も2千万円位が期待でき、そうなると、国内系や外資系の一流企業並みの年収を実現することができる。

②子会社の社長に若くして就任できる可能性

また、メガベンチャーの大半はIT系企業であり、業界・企業の成長期待は相対的に高く、M&Aや社内プロジェクトにより、傘下に多くの子会社を抱える場合がある。

このため、30代でも子会社の社長に就任するチャンスがある。
子会社の社長になると、P/Lだけではなく、B/Sについても裁量を持てるので、経営者としての貴重なビジネス経験をすることができる。

また、社長という肩書があれば、会ってもらえる経営者の幅も広がる等の副次的な効果もある。

③柔軟な社内異動の可能性

これは企業によって異なるだろうが、少なくとも大企業と比べると、社内異動の柔軟性は高いだろう。国内系大企業の場合は、社員数が非常に多く、カルチャー的にもコンサバティブで社内異動が叶う可能性は低い。さらに、事業部門を超える異動となると、更に難しくなる。

これに対して、メガベンチャーの場合には、社内異動の制度が充実していたり、希望部署の部長クラスの推薦があれば異動が出来る可能性は十分にある。また、子会社への異動という選択肢も、大企業と比べると多いだろう。

そうすると、様々な「職種」を経験することができ、その中で自分にフィットした「職種」を磨いていくことができる。中途採用においては、会社名以上に、「職種」が市場価値において重要なので、この点は魅力である。

④東京で働き続けることができる可能性

楽天の様な規模になると話は別だが、メガベンチャーの中には、そもそも東京にしか拠点が無い会社も結構ある。その場合は、勤務地に関して、ずっと東京で働き続けることが可能となる。

2. メガベンチャーで働く場合の留意事項

メガベンチャーには、上記の様な魅力はあるが、当然デメリットもある。
一般的な日本的な大企業の方が良い面もあるので、メガベンチャーでのキャリアを検討するに当たっては、下記の事項をチェックするべきであろう。

①スキル、職種への拘りと選別

メガベンチャーの大半は、成長が期待できるIT業界に属し、業務経験を通じて得られるスキルを通じて市場価値を高めて行くことが可能である。

しかし、メガベンチャーに在籍しているだけで、自動的に様々なスキルが習得できるわけではない。

また、自分が将来プロとして活躍できる職種やスキルの種類は限られるので、自分が当該ベンチャー企業で習得したいスキルや職種を明確化しておく必要がある。

この点、ITエンジニアであればいいが、文系の場合、何となく「裁量」「成長」といった感覚で、漠然としたカッコ良さから「経営企画」とか「事業開発」の部署に配属されても、やっていることの実態は「連絡・調整」ということがある。これだと、ゼネラリスト志向の日本企業と大して変わらず、市場価値の低い人材となってしまう。

所属業界はITと言っても、文系の場合は、法人営業、webマーケティング、財務経理、人事研修、法務知財、広報IR等、意外と市場価値が付く職種は限定されるので、ここは予め良く考えておく必要がる。

②年収、福利厚生

メガベンチャーの年収水準は必ずしも高いとは言えない。
これはどこと比べるかにもよる。スタートアップ等の未上場ベンチャーとか、特に高給ではない大手事業会社よりは、高いかも知れない。

特に、初任給とか25-26歳時点の年収水準は比較的高く見える。
しかし、これはみなし残業代でかさ上げされていたりするし、日本の大企業のように年功序列型賃金ではないので、アラサーでの伸びが無かったりもする。

このため、大手金融、大手商社、そこそこの高給メーカーに30歳になると抜かれてしまうことが多い。

年収600万円台には比較的早く到達出来ても、年収700万、800万の壁があり、更に、年収1千万円はマネージャーにならないと難しい場合が多い。

「前章で、『30代で本部長になると年収2千万も』と言ったじゃないか!」とお叱りを受けるかも知れないが、それは「本部長」という役員レベルのポジションの話であって、誰でも到達できるものではない。そもそも、日本の大企業ではいくら頑張っても30代で本部長は不可能であるのに対し、メガベンチャーであれば可能性があるというだけの話である。

「一般的には」メガベンチャーの年収は日本の一流企業と比べると、それ程高いとは言えない。

さらに、弱点なのが退職金・企業年金等の福利厚生系である。
この点は改善しようとしているメガベンチャーもあるが、一般的には、日本の大企業の方が恵まれていることが多いだろう。退職金や企業年金は税制上の恩恵も受けるので、これは長く働けば働くほど効いて来るものなので、確認した方が良い。

③転職人生でも良いか?

上記①②とも関連するが、メガベンチャーの場合、日本の大企業の様な年功序列型賃金や、手厚い退職金・企業年金制度が用意されている訳でもない。このため、定年まで会社に居座った方が得という仕組みは無い。

また、IT業界は業界としては成長するかも知れないが、その中の個々の企業については、結構流行り廃りがあったりする。IT業界は変化が激しいからである。そうなると、自分の会社が傾き始める前に転職をした方が良いという事態に直面することもある。

そういったことを踏まえると、メガベンチャーは最後までその会社で働き続けることよりも、何社か転職をし、そして、最終的には独立をするという人の方が向いていそうである。

従って、多少あわただしくても、変化を好み、自分の実力でキャリアを開拓していきたいという強い意志がある人に向いているということになる。

3. 結局、メガベンチャーでのキャリアはどう考えたらいいのか?

メガベンチャーはそれなりの待遇・安定性と、スキルや業務経験の習得という点において、魅力はある。

しかし、日本の一流企業と比べると、特に長期的な待遇や安定性で劣ることになる。このため、メガベンチャーの中での転職、或いは、スタートアップに転職して経営者になりたいとか、自ら起業・独立したいという強い意志のある人には向いているが、そうではなく、「何となく日本の大企業は嫌だからメガベンチャー」という発想の人には向かないだろう。
(なお、せっかくメガベンチャーに行くのであれば、情報発信系でも物販系でも何でもいいので、副業を磨いて、あわよくば独立のきっかけにしようという意欲が欲しいところである。)

日本の一流企業(大手金融、大手商社、一流メーカー等)とメガベンチャーで迷っているのであれば、日本の一流企業を選んだ方が手堅い選択と言えるだろう。

メガベンチャーは、基本的にどこも幅広く、かつ、積極的に中途採用を実施している。
このため、新卒では日本の大企業に就職後、本当にやりたい職種や習得したいスキルを認識してから、満を持してメガベンチャーに中途入社するという手もある。

ただ、気になるのは、勢いのあるメガベンチャーが長年登場していないことだ。
メルカリあたりが最後だろうか…。また、かつては高収益を誇ったDeNA、グリー、ミクシィあたりのゲーム系も、大ヒットが出ないのか、かつての様な勢いを欠くのも寂しいところである。

Freee、お金のデザインといったところもあるが、新たなメガベンチャーが登場することを期待したい。

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