九州大学法学部の就職と課題について

1. 九州大学法学部の基本情報

九州大学法学部は1949年に設置された、いわゆる旧帝国大学の法学部であり、難関大学法学部の1つとされている。

現在の定員は189人であり、学科組織は無い。
専攻教育科目は、基礎法学、公法・社会法学、民刑事法学、国際関係法学、政治学の5つのグループに分類されている。

地元出身者の比率は約4割程度である。

2019年入学生に関して、男女比率は62:38と、男子学生の比率が高くなっている。
https://passnavi.evidus.com/search_univ/0820/department.html?department=015

2. 九州大学法学部の就職状況

九州大学法学部の就職先に関する大学の公式HPの開示状況はあまり良くない。
学部別の主要な就職先が20社ほど紹介されているだけであり、各社の就職者数の記載も無い。

概要としては、卒業生202人のうち、31人が大学院に進学する。
就職者数は140人であり、そのうち公務員となった者が53名である。公務員になる者の割合が非常に高い。

民間企業への就職者数は100人に満たない人数であり、九州大学法学部生の稀少性は十分高いと言えるだろう。

具体的な企業・団体への就職状況については、大学のHPで以下の様に紹介されているのみである(平成30年度卒業生)。
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/37804/H30%E5%8D%92%E6%A5%AD%E7%94%9F%E5%B0%B1%E8%81%B7%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88_HP%20.pdf

<公務員>
厚生労働省
財務省
文部科学省
経済産業省
警察庁
福岡地方検察庁
原子力規制庁
国税局
福岡国税局
福岡入国管理局
福岡法務局
福岡県
佐賀県
大分県
広島県
香川県
奈良県
福岡市
北九州市
久留米市
熊本市
鹿児島市
大分市
那覇市
福岡高等裁判所
佐賀地方裁判所
鹿児島地方裁判所
山口地方裁判所
岡山地方裁判所

<民間企業等>
三菱電機
東京海上日動火災
西日本鉄道
福岡銀行
農林中央金庫
日本郵便
三菱UFJ銀行
住友生命
楽天カード
麻生
伊藤忠商事
三菱商事
サントリーホールディングス
キリン
トヨタ自動車
村田製作所
旭化成
日本放送協会
日本生命
九州電力

これはアイウエオ順では無いので、おそらく人数順では無いだろうか?

特徴としては、ある程度のローカル色が見られる。
西日本鉄道、福岡銀行、麻生、九州電力と、4/20社がご当地銘柄となっている。

もっともそれ以外は、メガバンク、大手生損保といった大手金融機関と、サントリー、キリン、トヨタ自動車、村田製作所、旭化成といった大手の人気メーカーが目立つ。

また、伊藤忠商事と三菱商事の就職実績があることが注目される。

大学院進学者、公務員になる者が多く、民間企業への就職者は100人を切る程度なので、ロングテール化しているものだと推測される。主な金融機関で紹介されている企業は、金融、メーカー、サービス業共に大企業/人気企業中心なので、ある程度良好だと思われる。

3. 九州大学法学部の就職における課題

①法曹志望者のサポートをどう考えるか?

九州大学法学部からの大学院進学者数は31名であり、卒業生の約15%に該当する。法学部という性質上、進学者の大半は法科大学院への進学者なのではないかと推測される。この数字は、他の旧帝国大学法学部や早慶の法学部とほぼ同水準であり、予備試験組を含めると、約2割程度は法曹を目指すということであろうか。

この点、同じ旧帝大系の法学部である東北大学法学部や名古屋大学法学部は、法曹養成のための5年一貫教育である「法曹コース」を新設している。

<東北大学法学部の就職と課題>
https://career21.jp/tohoku-law-shushoku/

<名古屋大学法学部の就職と課題>
https://career21.jp/nagoya-law-shuushoku/

九州大学法学部は、司法試験においては、合格者数や合格率は10~20位ぐらいで推移しているが、九州地区においてはダントツトップの位置にある。法学部として、法曹養成を強化する戦略を採るのかどうかが気になるところである。
https://www.law-school.jp/ranking.html

②民間企業への就職における課題

九州大学法学部の場合、法曹志望者や公務員となる者が多く、民間企業就職者数が少ないので、就職力でプレゼンスを示すことは難しい。

また、いわゆる高就職偏差値・人気企業は東京に集中しているので、就職活動をするにあたって地理的な不便さもある。

そうした中、金融、メーカー、サービス業ともに大手企業への就職に成功しているように見えるが、少子化が深刻化する状況において、優秀な学生を採り続けようと考えると、課題はあると言えるだろう。

具体的には、外銀、外コン、総合商社、大手マスコミ、財閥系デベロッパーという、いわゆる最難関企業への就職者を増やさないと、早慶はおろか、MARCHと比較しても就職力をアピールすることは難しくなるかも知れない。

③九州大学法学部の就活における対応法

九州大学法学部の学生自体が、外銀、外コン、総合商社といった人気企業に興味が無ければ、問題は無いかも知れない。しかし、そういった企業に対する情報が不十分であるために、そもそも応募を考えなかったり、応募をしても落とされてしまうのであれば相応の対策が必要だ。

九州大学の場合は、地理的に東京から離れていて移動が大変ということと、地元においては圧倒的なトップ大学であるため競争環境を欠くという問題点がある。

この点については、東大や早慶の優秀層と戦うためには、情報戦で負けることが無いよう、web、SNSで収集できる情報は欠かさずチェックしておく必要があるだろう。

また、東京のトップ就活生のレベルを知ることは大変良い刺激になると思われる。このため、東京での就活イベントやインターンに参加して、東大や早慶の学生と交流を図りたい。(今はコロナ問題のため、オンラインでの開催が多くなっているので、ある意味で地理的な不利益が解消されるチャンスとも言える。)

同じ九州大学経済学部も同種の問題を有していると思われるので、学部の壁を越えて一緒の頑張りたいところだ。

<九州大学経済学部の就職と課題について>
https://career21.jp/2019-03-07-064900/

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