サラリーマンの副業の月収が200万円を超えても独立・起業しない理由

ある有名Twitterアカウント(本業はサラリーマン)の副業月収が200万円を超えたという。それなのに、本業を辞める(サラリーマンを辞めて独立・起業する)という予定は無さそうだ。そこで、サラリーマンが高額の副業月収を実現したにも関わらず、独立・起業を実行しない理由をいろいろ考えてみた。
(以下の理由は順不同である)。

1. 本業の収入が副業に比して高い

要するに、副業収入の年収全体に占めるシェアの問題である。
確かに副業で月収200万というと、サラリーマンなら速攻で会社を辞めたいという人がいるかも知れないが、本業の年収が例えば5千万~であれば、辞めるわけには行かないだろう。

もちろん、副業月収200万よりも本業収入の方が遥かに多いサラリーマンは外資金融とか、大企業の役員クラスに限定されるだろうが、一応、理論上はあり得るケースであろう。

また、高年収のサラリーマンの場合、退職金とか企業年金が非常に恵まれているケースも少なくない。従って、本業収入が副業収入よりも少ない場合でも、50歳前後であれば、最後まで今の会社を辞めない方が得策という判断もあるだろう。

2. 本業と副業との関連性が高い

これは、本業のサラリーマンを辞めてしまうと、副業収入にネガティブな影響を与える様なケースである。

例えば、美容・ファッション業界に勤めて、Instagramで数万人のフォロワーを有しているとしよう。そして、Instagramのカテゴリーが美容・ファッション系であれば、本業からの知識・情報・人脈が、副業であるInstagramでの情報発信の源になっていることが考えられる。

他にも、リクルート等の人材系企業が本業で、転職関係のアフィリエイトで稼いでいる場合も、本業でのスキルや情報が大いに副業で役立つであろうから、これに該当するだろう。

本業によって培われたスキル・経験を副業で活かすというのは、生きた情報や経験を武器にできるので、情報発信において大きな強みとなる。ある意味、副業の理想的なパターンである。

3. 安定性・継続性に不安

ある意味、これが最も現実的な、本業を辞めて独立・起業に踏み切れない理由ではないだろうか。

情報発信系での収入は、短期で伸びる可能性もある反面、飽きられるのも早い。
かつてのアフィリエイト・ブログで稼げた時代も長くはなかった。また、最近ではYouTuberのアドセンス収入の急減が、あちこちのメディアで報じられている。

有料のnote記事の販売も、しばらくは伸びるかも知れないが、これも5年、10年というタームで考えると、どうなるかはわからない。

そもそも、「月収」200万という風に、「月収」を基準に語ること自体が不安定であることを物語っている。サラリーマンとしての本業収入を語るときは、「月収」ではなく「年収」が基準となるはずだ。

仮に、本業が大企業のサラリーマンで年収が1千万円の場合、3年後、5年後も年収1千万円は計算できるだろう。ところが、副業で「月収」200万といっても、「年収」ベースで2400万稼げるかはわからないし、3年後、5年後となると全く読めない。

副業収入の中にも、安定したものもあるだろうが、情報系の場合は不安定なものが多い。
結局、生涯賃金という発想をすると、簡単にサラリーマンとしての本業収入を捨てることは難しい。

4. 収入源の多様化ができていない

上記3にも関連することであるが、本業を辞めて副業に集中できない理由は、収入の不安定化が主な原因であろう。

その場合、副業が不安定と言っても、収入源を多様化の程度によってリスクは違ってくるだろう。

副業収入の多様化については、いろいろな切り口がある。
まず、ネットビジネスだけでなく、リアルビジネスにも拡げることによる多様化が考えられる。例えば、カテゴリーが受験関係でYouTubeやブログ、Twitterを運営している場合、別途、家庭教師をしたり、セミナーを開催したりするケースである。また、これは、ネットとリアルの中間かも知れないが、ZOOMを使ってオンラインでone on oneのコンサルやセミナーを展開すると、リスクを取らずに収入源の多様化を進めることができる。

また、情報発信系の場合、メディアの多様化という方法もあるだろう。
例えば、Twitterとそれを通じての有料note販売一本から、noteを強化してPVとフォロワーを増やせば、noteの中での集客も可能となる。さらに、ブログ、Instagram、YouTubeのどれかに拡げることができれば収入源を多様化できる。或いは、出版につなげることが出来れば、印税の他、出版を通じたブランディングによって、オンラインセミナーや対面コンサルの収益力を強化することも可能となろう。

他には、金融資産や収益不動産投資に副業収入を振り向けることにより、金融収益や賃料を収益源とすることが考えられる。情報発信系の副業収入は何時まで続くかが不安定であるので、稼いだお金はなるべく投資に振り向けるといいだろう。もっとも、金融資産1千万で年に4%で回せると仮定しても、年に40万円しかならない。従って、資産からの収入を当てにできるようになるにはかなり長期間副業で稼ぎ続けることが必要だ。

ブログブームはとっくに過ぎ去ったが、今でも手堅く年収2~3千万円を稼ぎ続けているブロガーは存在する。そういう人達は、アフィリエイト一本足打法に頼らなかった人達であり、とにかく当初より収入源の多様化を意識していたそうである。

結局、高額の副業収入を長く維持・成長させることができる人は、ここのセンスがある人だろう。

5. 非金銭的な理由(本業ステータスの維持)

副業で月に100万円以上稼げる人は、ビジネス的に優秀な人であることが多い。
長期間に亘る努力と工夫が要求されるからである。

このため、副業で稼ぐのに成功している人達には、一流企業のサラリーマンも少なからず含まれているだろう(会社の許可を取っているか否かは別にして…)。

その場合には、会社名と肩書というステータスを維持したいから、サラリーマンをすぐには辞めたくないということも理解できる。

これは上記1-4とは異なり、非金銭的な理由である。

最後に

サラリーマンが限られた時間の中で、副業で月に100万円以上稼ぐのは非常に難しい。
現時点では、副業で月に平均10万円以上稼ぐことができる人はまだまだ少数であろう。

しかし、長期的に副業緩和の傾向は続くだろうし、新たな情報プラットフォームや収益法が今後もどんどん現れるだろう。そうすると、中には月に数百万とか、中には1千万以上副業で稼ぐスーパーサラリーマンも登場するはずだ。

インターネットが無ければ、こういったことは不可能であったので、サラリーマンにとっては夢のある時代になったと思う。ネットでの副業の場合、初期費用は大してかからないので、特段のリスクはない。副業で稼げる様になって、本業のサラリーマンを辞めるかどうかで悩む。こういう悩みを経験したいものだ。

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