北海道大学経済学部【22卒向け】の就職と課題について

1. 北海道大学経済学部の基本情報

北海道大学経済学部は1953年に設置された、いわゆる旧帝国大学の経済学部であり、難関大学経済学部の1つとされている。

現在の定員は190人であり、経済学科と経営学科の2学科体制である。

地元出身者の比率は約半分となっている。

2019年入学生に関して、男女比率は、男女比率が約8:2と、圧倒的に男子学生の比率が高くなっている。
https://passnavi.evidus.com/search_univ/0010/department.html?department=020

2. 北海道大学経済学部の就職状況

北海道大学経済学部の就職先に関する公式HPの開示はあまりよくない。学部別の主要な就職先が10社程紹介されているだけである。

進路の概要としては、上記リンクのパスナビによると、2019/3卒の場合は卒業者総数180人のうち、進学者は8名のみである。

就職者総数は160名であり、そのうち21人が公務員となった。比率にすると13%程度であり、早慶、MARCHの経済系学部と比べると、若干公務員のシェアは高くなっている。

民間企業に就職する者は、140名程度であり、法学部同様にかなり少数である。稀少性ありなので、この点では就活において有利な面がある。

具体的な就職先については、大学のHPでこのように紹介されているのみである。
(平成30年度卒業生)

http://cc.academic.hokudai.ac.jp/_src/21082/20200123employment%20listB_20200124153231213.pdf

これをベタ打ちしてみると、以下の通りである。

札幌市役所
大和証券
ニトリ
北海道庁
トヨタ自動車
北海道電力
三井住友銀行
新日鉄住金
ブリヂストン
北洋銀行

これはアイウエオ順では無いので、おそらく人数順であると推測される。

これを見ると、他の地方旧帝大と同様に、ローカル色がある程度出ていると思われる。
札幌市役所、北海道庁、ニトリ、北海道電力、北洋銀行と、上位10社のうち半分が地元の北海道関連である。

それ以外は、上位10団体までの開示なので詳細は不明であるが、金融やメーカーの大手に行く者も少なくなさそうである。

例えば、大和証券と三井住友銀行がランクインしているが、大手金融機関は歴史的に旧帝大系の学生は好きであり、一定数は採用し続けていた。学部別の人数まではわからないが、AERA2019.8.5号「主要50大学の人気企業への就職者数」を見ると、北海道大学全体で、
東京海上日動火災(3人)、日本生命(2人)、野村證券(2人)、三菱UFJ銀行(3)と、最大手の金融機関には一定数北海道大学から採用されている。

また、トヨタ自動車、日産、本田技研などの自動車大手にも北海道大学から一定数就職している。昔は国立優位ということもあり、経団連企業には就職は強そうである。

3. 北海道大学経済学部の就職における課題

北海道大学法学部の場合は、約2割程度が法科大学院や予備試験経由で法曹を目指す。また、約1/3は公務員になる。このため、民間企業に就職する者は卒業生全体の半分程度しかいない。

<北海道大学法学部の就職と課題>
https://career21.jp/hokkaido-law-shuushoku/

しかし、経済学部の場合には、大学院進学者や公務員になる者の割合はそこまで高くなく、大多数の卒業生(7割以上)は民間企業に就職する。

したがって、民間企業への就職力を高めないと、少子高齢化の時代において優秀な学生を確保することが難しくなってしまう。

ある程度の大手企業ということであれば、人数が少なく、旧帝国大学の経済学部というブランドがあるため何とかなりそうである。しかし、外銀、外コン、総合商社、財閥系デベロッパー、大手マスコミといったところにもある程度就職実績を作りたいところである。

ちなみに、学部別の情報は無いが、北海道大学全体からの五大商社への就職状況は以下の通りである。

三菱商事 2
三井物産 5
住友商事 3
伊藤忠 1
丸紅 1

(合計)

12

(出所:AERA2019.8.5号 「主要50大学の人気企業への就職者数」より外資系金融キャリア研究所作成)

また、産業構造の変化を踏まえ、一定数は新しいIT系企業や、自ら起業を目指す学生も期待される。この点については、大学やOB会のサポートが求められる。

4. 北海道大学経済学部の就活における対応法

北海道大学経済学部の学生自体が、外銀、外コン、総合商社といった企業に興味が無いのであれば、それは問題が無い。しかし、情報が不十分なために、そういった業界の魅力を知らないままになっていたり、或いは、応募をしても落とされてしまうのであれば相応の対策が必要だ。

そのためには、東大や早慶といった東京の有力校の学生と対等に戦うために、情報を十分に収集する必要がある。

最近では、北海道大学を始めとした旧地方帝大の学生もONE CAREERや外資就活に登録しているようであるが、それ以外に、YouTubeやSNSでも追加的な情報収集をすることが求められる。

また、東京のトップ就活生のレベルを実際に知ることは、就活をしていく上で大きな刺激となるだろう。このため、費用や労力は掛かってしまうのだが、東京での就活イベントに参加をしたり、有力企業でインターンをすることによって東大や早慶の学生と知り合いになることが重要だろう。2020年5月時点においては、コロナウイルスの問題でこういったイベントは中断されているが、オンラインでのイベントも増えているので、積極的に参加すべきであろう。

さらに、外資系、商社、金融等のトップ企業はグローバル経験を有する学生を欲しがっている。そこで、公式の交換留学制度を利用したり、私費での短期留学を経験することによって、英語力を高めたり、グローバルな視点を持つようにすることが求められるだろう。

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