1. ギャラ飲みの副業で月収1千万超?
先週、「news23」で特集されたせいか、ギャラ飲みの副業で月収(年収ではない)1千万円超の話題がTwitter上で盛り上がっていた。
そのソースとなった「news23」の報道はこちらである。
https://www.youtube.com/watch?v=KblRs7psLVo
その報道の内容としては、以下の通りである。
・アプリを通じてのギャラ飲みが拡大してきている
・コロナ以降、キャバクラ等の女性も参入し登録者数は大幅増
・ギャラ飲みの報酬は1時間で数万円になることも
・ギャラ飲みで最高月収が1400万円だった女性も
・ギャラ飲みでの稼ぎに国税のメスが
・3年間で約4千万円のギャラ飲み報酬を無申告の女性に、約1100万円の追徴課税が
・税務署は摘発強化していく方針で、ギャラ飲み運営会社も税務申告の指導をしている
前半は、ギャラ飲み市場の拡大と実態についての報道で、後半は税務申告をしないとマズい事態にという流れである。
2. 実際のところ、ギャラ飲みでどれくらい稼げるのか?
最高月収1400万円というのは、さすがにインパクトが強烈である。
また、1時間で数万円というのも結構な金額である。
ただ、これはメディアが関心を持たせるために特殊なケースを強調している可能性もある。そこで、実際のところ、ギャラ飲みでどれくらい稼げるのかをいろいろ調べてみると、こちらの青汁王子の動画が参考になった。
https://www.youtube.com/watch?v=QQhBVGntdFg&t=225s
この動画は、青汁王子が、実際にギャラ飲みアプリを使って、登録している3人の女性を呼んでインタビューをするという企画である。
その内容は以下の通り
・ギャラ飲みアプリ登録者の3人の女性は全て昼はOLやエステ店で働いている
・3人の中で最高月収は120万円
・3人のギャラ飲み30分当たりの単価は7千円から1万円程度
・ギャラ飲みアプリにおいてクラスがあって、出演の3人は全て単価が高いVIPランク
・アプリの中で高単価になるためには、稼働率を上げる
・売上増のためには、美容への投資(美容整形含む)を惜しまない(投資効率が高い)
・外見だけでなく、顧客満足度の向上も意識している
・5年後もギャラ飲みを続けるのは大変(せいぜい3年位)
・安定収入の確保と昼時間の活用のために、ギャラ飲みは副業という形でやっている
これを見ると、稼げる登録女性のケースで月収100万円超えというのが現状のようだ。
上の月収1400万円というのは、かなり例外的なケースであろう(また、「月収」というのがポイントで、それは年収1億7千万円を意味しない。)
とは言え、出演女性3人の時給は1.5~2万円と結構高い。
稼働率が低い月でも最低20万円は稼げるということで、稼げる副業であることには間違いない。
ただ、長く稼ぎ続けるのは大変そうなので、稼いだ分をどれだけ蓄えられるかとか、次の収入源となる投資に振り向けられるかがカギだろう。
3. 注目されるのは、ギャラ飲みでも稼ぐためには自己投資・自己研鑽が必要なこと
メディアは注目を集めることが本能でもあるので、この手の話では、成功しているケースに目を向けがちである。
しかし、ギャラ飲みも完全な歩合制の仕事であるので、売上を増やさないと収入は増えない。青汁王子の動画に出演の3人も、稼ぐためには、稼働率を上げて長時間働き、「顔面投資」(美容整形、化粧、エステ等)を行い、顧客満足度の向上に向けてPDCAを回している。ある意味、ビジネスマンの鏡であり、自己研鑽を厭わない。
他方、日本のサラリーマンはどうだろうか?
特に日本の大企業は年功序列であり、頑張っても頑張らなくても年収は大して変わらない。
また、サラリーマンは基本経費は会社持ちなので、自己投資をケチる傾向にある。本来、どんなことで収入を増やす為には、それに向けた先行投資が必要なはずなのだが、サラリーマンはこの先行投資が苦手の様である。
副業が注目され始めているし、将来本業の年収アップが見込みにくい現代において、副業で稼げる様になることは非常に重要なのだが、自己投資、先行投資が苦手なサラリーマンは果たして副業で成功できるのだろうか?
4. 実は問題なのはオジサン世代よりも若い世代…
この「news23」の報道を見た多くの40歳以上のオジサン達は、「どうせ若いうちだけだろう」とか「税務申告しろ」というやっかみ半分のネガティブなコメントが多いが、実は、ギャラ飲みで稼いでいる女性たちの努力や自己研鑽には気付いていない。
もっとも、こういう中年のオジサン達はまだいい。
何故なら、自分達は副業で稼げる様にならなくても、定年までのあと十数年、何とか逃げ切りができそうだからである。
他方、問題なのは今20代の若いサラリーマン層である。
この世代は、20年後は、40代の働き盛りである。日本の大企業の場合、雇用は維持されるのだろうが、年収水準が維持される保証は無い。日本の大企業の場合、ボーナスの比率がそれなりに高いので、ボーナスを削れば簡単に年収を下げることはできる。そうなった場合、市場価値を高めていないサラリーマンは、それを受け入れるしかない。
このような事態を避けるためには、自己研鑽による市場価値の向上や、副業という会社に依存しない収入源を育てていくべきなのだが、副業で稼げる様になるにはそれなりの努力と投資が必要だ。
情報発信系の副業の場合、投資が必要と言っても、せいぜいサーバー代とかセミナー/コンテンツ代を合わせて、年数万円位で始めることは可能である。
20年後は、本業に加え、副業も含めると、今以上に同年代のサラリーマン間格差は拡がるように思えるが、どうだろうか?