序. 会社名・肩書・年収・学歴だけでは、副業で稼げない?
一流大学を卒業し、一流企業に就職すると、早ければ20代、メーカーの場合でも40歳位には年収1千万に到達できるだろう。
十分な安定した給与が確保されているエリートサラリーマンが、更に副業で上乗せできるとなると、非常に有利だ。その分は、贅沢消費とか投資に回すことができる。
しかし、副業で稼げる能力と、サラリーマンとしての肩書や学歴とは必ずしも比例しない。それは、単に副業で求められる能力・スキルが業務上得られるとは限らないからだ。
副業で稼ぐコンテンツはweb上に溢れているが、稼げないエリートサラリーマンは悔しい思いをしているのではないだろうか?
そこで、今回は副業で求められるスキルについて検討したい。
1. プレゼン能力(ロジカルシンキング)
エリートサラリーマンは就活で面接やGDを経験しているので、プレゼン能力は十分あると思っている人が多いかも知れない。
しかし、自社以外の30人以上の聴衆を前にプレゼンテーションをした経験があるだろうか?また、その際に、30人以上の聴衆を退屈させずに自分のプレゼンに集中させる自信はあるだろうか?
ここでは、「自社以外の」というのがポイントで、社内会議や社内研修でのプレゼン経験とは別物である。社内の場合には共通の話題があるし、聴衆も出席が義務であることが多いだろう。
他方、自社以外のバラバラの業種の聴衆を惹きつけるにはかなりのプレゼンスキルが必要である。
このプレゼン能力の前提として、論理的に物事を考え、論理的にストーリーを構築してアウトプットする能力が求められるが、コンサル対策をしていないサラリーマンはこういった教育を受けていない場合も多い。
情報発信系の副業で稼ぐということは、自分自身のプロダクトをプレゼンして買ってもらう訳なので、ここが弱いと、肩書や学歴が良くても収益にはつながらない。
それでは、プレゼン能力に自信がない場合はどうすればいいのか?
書店に行けばプレゼン関係の本がいくらでもあるし、ネットで検索すれば動画コンテンツもあるだろう。
ただ、ある程度実践をしないとプレゼンは上手くならないので、グロービスの講座を受講するのがお勧めである。受講料は約13万円と高額であるが、無料体験講座とかもあるので、試してみるといいだろう。
https://mba.globis.ac.jp/curriculum/detail/bup/
2. ライティングスキル
高学歴のエリートサラリーマンの場合、プレゼンには自信が無くても、ライティング能力には自信があるのではないだろうか?
もっとも、文章を書くよりも、話す方が得意な人はいるだろう。そういう人の場合は、ブログやTwitter系ではなく、YouTubeをメインに活動するという手もある。
しかし、YouTubeはハードルが高く、ブログ、note、Twitter等の文字系のSNSを活用しないと情報発信系の副業で稼ぐのは難しい。
こういったSNS系でフォロワーやPVを増やしていくには、仕事で使うライティングとは別のスキルが要求される。
仕事で求められるライティングはわかりやすさ重視で、限定された関係者に伝わればOKである。しかし、SNS系のライティングにおいては、エンタメ、情緒的な文章を書くスキルに加え、自分自身あるいは自分のプロダクトを「売り込む」、セールス・ライティング的な能力まで求められる。販売系の業務に就いていなければ、こういったスキルを習得できる機会が無い場合も多い。
このスキルに自信が無ければ、書店でセールス・ライティング系の書籍を購入すればいいし、YouTubeで検索すると、無料で視聴できるものもある(もっとも、怪しい情報商材屋系コンテンツにも遭遇するかも知れないが…)。
また、ブログやTwitterで、自分が理想とするブロガーやアカウントを見付けて、そこから学ぶというのも実践的で良い。
3. PDCAを回せる力
エリートサラリーマンがPDCAを回せないわけがないじゃないか。
と思われるかも知れないが、本業と、副業での情報発信とは別である。
本業であれば、大企業の場合、業務が細分化しているのでPDCAといっても1人の社員が全て管理しているとは限らない。
また、結構重要なのが、PDCAのうちの、「C」の部分である。
会社の様な組織だと、誰か専門家がチェックをして、その次のActionに繋げることができるのであるが、副業の場合だと、誰もチェックしてくれる人がいない。
ブログにせよTwitterにせよ、自分自身で本やweb情報を参考に始めてみても、PVやフォロワーが増えるには一定の時間がかかる。そして、開始後すぐに行き詰る。その場合、会社の様に誰か頼れる専門家がチェックしてくれないので、そこは自分自身で克服して行かなければならない。そうしないと、間違った方法で続けていても結果は出ず、そのうち諦めてしまうことになる。
このため、自分自身で問題点を発見し、そこから改善していく気力が無いとPDCAは回らない。
SNS運営上の問題を解決するためには、誰か師となるアカウントを見付けるとか、詳しい人を見付けてコンサルしてもらうか、或いは、有料コンテンツの購入やセミナーへの参加という方法がある。しかし、この世界は決まった解決方法があるわけではないので、それらを参考に自分自身で解決方法を模索できるか。ここが勝負の分かれ目となる。
4. 情報発信能力
SNS等を利用した副業を始めるならば、当然、情報発信能力が求められる。
ただ、エリートサラリーマンといっても、有名人ではないので、「今朝、何を食べた」とか「仕事で案件取れました」といった日々の行動を発信するだけでは、誰もフォロワーになってくれない。
無数にあるアカウントの中から、自分をわざわざフォローしてもらうためには、何らかの専門性や個性が求められる。
もちろん、SNSで求められる専門性はその道の専門家レベルである必要は無い。一般人よりも多少詳しかったり、自分自身の経験をわかりやすく語ることができれば良い。
ただ、そのためには何らかの専門性、人よりは得意な分野が無ければならない。
仕事、趣味、お金に関すること等、何でも良いが、自分の専門分野を見付けて強化していくことが求められる。
高学歴のエリートサラリーマン、そして、年齢が40歳以上で経験豊富だからといって、情報発信ができる専門分野はあるだろうか?意外と、すぐには思い浮かばないのではないだろうか?
この点については、探せば人よりも多少でも詳しい分野は見つかるだろうから、あとは、インプットをしていくことが重要である。幸い、今は本だけではなく、webから無料でかなりの情報をインプットすることが可能なので、それらを活用して行きたい。
また、本当に面白い情報・知りたい情報は公開されていなかったりもするので、人脈を拡げて多くの人から話を聞くというのも差別化に繋がる。
5. 物販能力
副業というと、SNS等を使った情報発信系が思い浮かぶかも知れないが、情報発信系が苦手な人は物販という切り口もある。具体的には、メルカリ、せどり、EC等である。
同じ物でも、見せ方が非常に上手かったり、面白いものを探し出してきて販売できる能力のある人はいる。そういう人は物販分野で勝負するというのもありだろう。
ただ、先ほどの情報発信系は無形商材であるのに対して、物販は基本的に有体物を取り扱う。そうすると、在庫の管理や発送というロジスティックスが絡んでくるので、そちらのオペレーション能力が求められる。
もちろん、情報発信能力と物販能力を組合すことができれば非常に強い。
残念ながら、私はこの物販は苦手なので、これ以上、お伝えできるようなことはないのだが、メルカリが得意な人は物販を攻めてみるのも良いだろう。