40代のエリートサラリーマンのライフプラン。貯金と副業次第で明るい未来が見える?

1. エリートサラリーマンも40代になると本業の収入アップは難しい…

40代のエリートサラリーマンの場合、年収は1千万以上あるだろう。
しかし、本業収入を増やそうとするのは、かなり難しい。

何故なら、40代になると転職は非常に難しくなるため、転職によって本業の収入を増やすということが期待できないからだ。もちろん、IBD、GM、アセマネ等の金融専門職、コンサル、ITエンジニア、フルコミ営業で稼げる営業力等のスキルがあれば話は別だが、そういう人達はエリートサラリーマンの中でもごく一部だ。

また、人事、経理、法務、マーケティングといった普遍性の高いスキルと業務経験があっても、40歳を過ぎると他業界への転職は難しく、より高給の業界に行くことによって年収を増やすシナリオも描きにくい。

後は、在籍中の会社で出世を目指すという方法がある。横並びの国内系大企業であっても、役員になれば年収は大幅に増える。しかし、40代となるとある程度出世競争の行方も見えてきているし、そもそも役員の椅子の数は非常に限られている。従って、出世による将来の大幅な年収増も期待すべきではないだろう。

2. しかし、国内の大手企業の場合、終身雇用と手厚い福利厚生という強みがある…

エリートサラリーマンでも40代になると、転職や出世によって大幅な年収増を図るのは容易ではない。

しかし、国内の大手企業の強みとして、終身雇用が保証され、年収は非常に安定している。また、退職金や企業年金等は非常に手厚いものが用意されている。年収のアップサイドは狙いづらいが、年収のダウンサイドは少ないというのが、国内の大手企業の特色なのである。

このため、40代のエリートサラリーマンが将来の長期的なライフプランを考えるにあたって、この強みを利用しない手は無い。

3. 長期的に安定した収入を活かした貯金(金融資産)の増やし方

①まず、額面年収の1割の貯金を確保する

40代のエリートサラリーマンで年収が千数百万でも、結婚していて子供がいて、住宅ローンを抱えていると、貯金をするのは難しい。

FP的には額面年収の2割を貯蓄することが望ましいとされているが(5年で年収1年分、10年で年収2年分の貯金が可能だから)、独身でも無ければ、なかなかこれは難しい。

しかし、頑張って額面年収の1割は可能であろう。
年収1200万の場合だと、年間120万円、月々5万円、ボーナス30万円×2回のイメージだ。月5万円なら、支出を見直して、無駄な支出を減らせば何とか可能なはずだ。まず、これが出発点である。

②月々5万円を積立投資に回し、ボーナスからの60万円は預貯金に回す

先ほどの、年収1200万で額面年収の1割を貯蓄するという場合、月々の5万円は積立投資に回し、ボーナスからの60万円(30万円×2)は預貯金に回すというのが現実的だろう。アップサイドを狙うのであれば、全額を投資に回せばいいのだが、何が起こるかわからないので、年間の貯蓄額の半分は預貯金ということでいいだろう。

日本の大企業の場合、途中役職定年はあっても、定年までは面倒を見てくれるわけなので、40代だと15年位積立投資を続けることが可能だろう。

その場合、いくらぐらいになるかは運用成果次第である。
例えば、月々の5万円を3%で回すことができた場合には、15年後には約1135万円になる。5%であれば、1336万円である。

そうすると、年2回のボーナスからの貯蓄60万円は金利がゼロと想定しても、15年後には900万円になる。

月々5万円の積立が3%で回った場合には約1135万円なので、ボーナスからの貯蓄900万円と合わせると、約2035万円の金融資産ができることになる。

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③これに国内の大手企業の場合は、退職金が加わる

「15年間コツコツ貯蓄と運用を続けても、約2千万じゃ夢が無い」という人がいるかも知れない。しかし、国内大手企業の場合には、退職金がある。これに加えて、企業年金もあるはずだが、これは各社によって制度が異なるので、ここでは考えないこととする。

国内大手企業で定年まで働くと、3千万円位の退職金が期待できる。
そうすると、先ほどの15年間だ貯めた2千万と退職金を合わせると5千万以上になる。
これだと結構な額では無いだろうか?

④さらに、相続による上乗せがあり得る

「うちは富裕層じゃないから、相続なんて期待できないよ」というかも知れない。
もちろん、これは個人差が大きい。しかし、富裕層じゃなくても、首都圏であれば実家の不動産にはそれなりの価値がある。通勤可能な戸建てやマンションがあれば、2~3千万円位は期待できないか?また、預貯金も数千万円位は珍しくは無い。そうすると、兄弟の数にもよるが、2~3千万位を相続できるだろう。

そうすると、15年間コツコツ貯めて2千万、退職金で3千万、相続があれば更に数千万円上乗せされることになる。

4. 副業で稼げるか否かも重要

①プラスアルファの収入源ができる

年収1000万円以上のエリートサラリーマンが副業で稼げるようになると大きい。
何故なら、もともと相応の年収があるので、副業で稼いだ分は、生活費ではなく贅沢消費や投資に回すことが可能だからだ。

例えば、上述した年収1200万円のサラリーマンのケースでは、月々5万円を積立投資に回すというシミュレーションであったが、副業で稼いで余分に5万円を更に積立投資に回し、月々10万円を3%で15年間運用したと想定すると、約2270万にもなる。

②新たな自信とやりがいとなる

実は副業のメリットは、お金以上に、この点にあるかも知れない。
40代にもなると役員昇格とか、転職によるキャリアチェンジという夢を持ちにくくなり、自信やモチベーションを失いがちになる。しかし、たとえ少額であっても副業で稼げる様になると、それは新たな自信ややりがいに繋がる。何故なら、副業で稼いだお金には組織にいることによるのではなく、純粋に自分自身で稼いだお金だからだ。

副業にも、いろいろな段階、松竹梅がある。
梅レベルは、とりあえず月に1万円を継続的に稼げるようになることだ。月1万円であっても、副業で稼げると自信が持てるようになる。また、ゼロとイチの差は大きく、一旦、月に1万円を稼げる様になると、その2倍頑張れば2万、5倍だと5万ということが見えるので、将来の副業収入増大への期待が持てる。

竹レベルは、月10万円以上である。
副業には月10万円の壁があると考えられるからである。月3~4万円であれば、情報発信による副業でなくても、クラウドソーシング系のライティングとか作業系でも十分可能である。或いは、ネット系の仕事じゃなくても、家庭教師とか添削バイトでも数万円位は稼げてしまう(エリートサラリーマンは高学歴が多いので)。また、メルカリが得意な人はちょっと本気で頑張れば月数万レベルなら達成可能ではないだろうか?

しかし、副業の場合には時間的な制約があるので、単純作業系だと月10万円は難しい。やはり、情報発信系のアフィリエイトとかコンテンツ販売といった副業を磨かないといけない。そのためには、数年かけて数万人のフォロワーをコツコツと増やしていく地道な作業が求められる。もちろん、頑張っただけでは達成できるという保証は無く、SNS運営のセンスも求められるだろう。ただ、エリートサラリーマンはコツコツと継続するのが得意な人が多そうなので、簡単ではないことは確かだが、挑戦する価値はあるだろう。

そして、松レベルは、月30万円以上である。
別に、50万円でもいいが、ポイントは副業だけでも生活していけるレベルである。このレベルになると、独立も視野に入ってくる。エリートサラリーマンの場合、既にある程度年収は高く、退職金とか企業年金も十分あるので、無理してこのレベルを目指す必要は無いが、「起業・独立」というサラリーマンの夢を見られることも副業を手掛けることのメリットである。

とりあえずは、ゼロかイチの差が非常に大きいので、月に1万円でも副業で継続的に稼げることを目指したい。

5. まとめ

エリートサラリーマンも40代になると、キャリアチェンジは難しくなり、また、役員昇格の夢を持てる人はごく僅かとなる。

しかし、終身雇用、安定した収入、手厚い福利厚生という強みを活かして、額面年収の1割を積立投資・貯蓄に回すと、定年時には5000万円以上の金融資産を持つことが十分可能である。さらに、相続や副業による上乗せが期待できれば、金融資産1億円を目標にすることも可能だろう。

また、月々数万円でもいいので副業を磨けば、大きな自信につながるし、モチベーションも持てる。やるかやらないかで、10年後には大きな差となるだろう。

このように、額面年収1割の投資・貯蓄と、副業を頑張れば、40代のエリートサラリーマンの未来は明るいはずだ。

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