1. 40代になるとエリートサラリーマンでもキャリアの選択肢は限られる
高学歴・一流企業勤務のサラリーマンであれば、40歳を過ぎると管理職になり、年収1千万は軽く超えるだろう。大手金融機関だと年収1500万、総合商社だと年収2千万というレベルだろう。
しかし、年功序列が強い日本においては、40歳を過ぎるとキャリアチェンジは非常に難しい。中途採用では未経験者の40代など見向きもされない。だからといって、私費MBAとか大型資格取得を目論んだところで、年齢的に厳しいし、取得に要するコストやリスクを考えると割に合わない。
また、キャリアチェンジではなく、今いる会社で出世を狙うという手もある。
ただ、40歳を過ぎると、役員候補も絞られてきており、ここから出世競争で逆転するのも難しく、期待できるのはあと1ランク位の上のポストではないだろうか。
そう考えると、高学歴・高収入のエリートサラリーマンも、将来の自分の「成長」を考えると悩みは尽きない。なお、ここでいう「成長」とは、もう40代なので結果に直結する、そして、主観的ではなく定量化が可能な「成長」とする。具体的には、年収とか資産増を達成するための「成長」ということである。客観的には何の変化も伴わない、自己満足だけの「成長」は20代で終わりにしたい。
2. それでは、40代のエリートサラリーマンが「成長」するには、何が必要か?
あるブログ教室で一緒だった人達に、サラリーマンだったが、40代になってから起業・独立したり、副業で成功した人達がいる。その人達とこの話をすると、以下の様な結論となった。
①「自力」で稼ぐ力をつける
エリートサラリーマンの場合、高収益企業や部門で働いていることは少なくないだろうから、自分には稼ぐ力があると自負している人はいるだろう。しかし、それは「会社」或いは「組織」が稼ぐ力があるだけであって、自分自身はそこに「いる」だけであると考えた方がいい。
例えば、自分が出向して収益性が高くない子会社の経営者になったとしよう。そこで、自分はその子会社の収益性を高まることができるだろうか?或いは、そこまで大きな話ではなくとも、副業で稼ぐことはできるだろうか?
ここがエリートサラリーマンの弱みであって、協調性・チームワークはあるし、部下のマネジメント能力もあるし、与えられた仕事はきっちりとこなす。しかし、それは組織の歯車としての優秀さであって、「自分自身」「個の力」で稼ぐ能力まで持ち合わせているとは限らない。
自分自身の力で、ゼロから集客して、自分自身の力だけでプロダクトを創り上げて販売する。そして、上手く行かなければPDCAを回して改善させて売り上げを増やしていく。こういうトレーニングは、エリートサラリーマンも受けていないことが多いので、難しい。
また、集客や独自のプロダクトが無くとも、資産運用によって自分自身で稼ぐという方法もある。しかし、残念ながら、学歴や給与水準の高さとマネーリテラシーは比例しない。持っている金融資産は預貯金だけというサラリーマンは結構多いのではないか?
もちろん、住宅ローンとか教育費とか、いろいろお金のやりくりが大変な40代だが、少額からでも積立投資は可能である。40代の場合、今後、定年までまだまだ時間はあるのでコツコツと金融資産を増やすことは可能だし、相続とか、退職金とか、まとまったお金が入ってくる機会はあるだろう。従って、自分自身で稼ぐ力の一つとして、マネーリテラシーも磨いておくことが望ましい。
②何か1つ、圧倒的な「強み」があるか?
高学歴のエリートサラリーマンは、基礎学力が高いし、組織の中で揉まれているので、バランス良く高い能力を持っている人は多い。
しかし、何か1つ、圧倒的な「強み」があるかと聞かれたらどうだろうか?
語学、営業力、ITスキル、文章力、ゴルフ等、それなりに自信のある分野はあっても、圧倒的な強みがあると自信を持って答えられるサラリーマンは少ないだろう。
この圧倒的な「強み」というのは、起業・独立、副業で稼ぐ場合に効いてくる。
例えば、前述の40代以降に独立や副業で成功しているサラリーマンの人達は、何か圧倒的な強みを持っている。例えば、文章を書く力が非常に高く、ブログで月間PV50万以上であるとか、メルカリが得意でそこから発展させてECで成功しているとか、営業力に自信があり歩合営業で稼いでいるといった具合である。
サラリーマンをしながら、圧倒的な「強み」を見つけたり探したりするのは大変だと言うかも知れない。しかし、その分野で直ちに独立する必要は無く、そういう場合は、得意とする分野を狭めて、その中でナンバー1を目指せばいい。
例えば、経理の仕事で圧倒的ナンバー1になるのは難しいが、業界とか分野を狭めて行けばいい。経理であれば、アセットマネジメント(資産運用会社)のオルタナティブ投資に関する経理や税務において圧倒的に詳しくなるとか、人事採用関係であれば、スタートアップ企業のCFO探しの実績と人脈には誰にも負けない自信があるという風に絞って行けばいい。満遍なくできるよりも、コアとなる強みがあると目立ち易い。
副業という観点であれば、情報発信で稼ぐことを想定するなら、予算と時間の制約のあるサラリーマンでも勝てる分野を作ることは可能だ。例えば、「鮨」というジャンルであれば、Instagramには毎日ミシュラン級の高給寿司に通う猛者がいるので到底太刀打ちできない。しかし、「ランチタイムに2千円以内」という風に絞り込み、さらに、「京浜東北線沿線」とか「江東区内」と絞り込んだり、また、「ウニが美味しい」という切り口を考えたり、やり方はいくらでもある。そして、そのジャンルで勝てるようになったと思えば、少しずつ拡げて行けばいい。
実は私も、ブログやSNSではこの手法を使って結果を出すことができた。
私は国内系、外資系企業と転職回数が多く、また、「転職」はアフィリエイトで稼げる分野だったので、当初ブログで「転職」分野に参入した。しかし、「転職」分野は非常に競争が厳しく、業者がSEO業者を使って入って来るので勝つのは難しかった。そこで、少し視点を変えて、「就職」分野のブログ記事を書くとSEOで検索上位に入るようになった。そして、ブログから主戦場をTwitterに移すと、開始後3年でTwitterのフォロワーは3万人を超えた。
このように、最初から圧倒的な「強み」を持てるわけではないので、戦線を縮小して勝てる分野から始めてみるのがお勧めだ。
③情報発信力はあるか?
40歳を過ぎて年収1千万円以上の給与収入がある場合、無茶をしないで、定年かそれ近くまではエリートサラリーマンを続ける方がいいだろう。ほとんどの国内系大企業は年功序列で、手厚い退職金と企業年金が用意されているので、これを享受しない手は無いからだ。
しかし、70歳まで働く時代とも言われるし、副業が緩和される中、できれば情報発信力をつけて稼げる力をつけたいものである。
情報発信系といってもいろいろあるが、共通点としてはコツコツと毎日欠かさず情報発信を行い、PDCAを回しながら改善していくということが求められる。ブログ、YouTube、Instagram、Twitter、note等いろいろあるが、これは共通している。
エリートサラリーマンは受験の時から、コツコツ継続して改善していくことが得意なので、情報発信で成功できる素養はあるはずだ。
それでは、どのメディアに参入するのがお勧めかというと、それは人それぞれなのだが、結構大変なのはYouTubeとブログであろう。まず、YouTubeは結構お金もかかる。1人語りみたいなものは例外だが、画像の美しさと見やすさ、そして、編集力が重要なのでいろいろな機材が必要となる。また、編集には結構手間と時間がかかるので、アウトソースも必要になる。そのため、いきなりYouTubeで勝負というのは基本的にお勧めしない。
また、ブログもGoogleアプデ以降は、個人がブログで勝つのは非常に難しくなった。
私も2018年の夏からブログを開始し、2年後には月間PV10万を達成したが、そこからは増えないし、どちらかというと減り気味だ。そして、ブログの場合、1記事が2~3千字位なので続けるのは非常に大変だ。そして、アフィリエイト(アドセンス含む)収入がせいぜい月に5~10万円ということを考えるとコスパが悪いと思われる。
Instagramは稼ぎやすいメディアとも言われるが、中年男性が活躍できる場所は少ない気がする。美容、ファッション、整形、雑貨小物等、若い女性が有利ではないだろうか?もっとも、私は参入しようとして数か月で諦めたので、何とも言えないが、Instagramで稼げる男性がいたら相談してみればいい。
最も参入し易いのはTwitterだろう。1日3-5ツイートを正しい方法で続ければ、遅くとも3か月以内にはフォロワー千人には達するだろう。私は自己流の効率の悪いやり方であったが、力技だけで2か月でフォロワー千人は達成できた。もちろん、フォロワー千人じゃ不十分なのだが、最低限の収益化の基盤はできる。YouTubeやブログではそうは行かないだろう。とりあえず、数か月でフォロワー千人に達すれば続けるモチベーションが沸くから、そのまま1年間でフォロワー1万人を目指して続ければいいだろう。
このあたりは、何が向いているのかを見つけるために、とりあえず一通り試してみるのも悪くないだろう。失敗したとしても、その経験自体がまた、SNSの情報発信のコンテンツにもなるからだ。