青山学院大学経済学部【22卒向け】の就職と進路について

1. 青山学院大学経済学部の就職と課題について

青山学院大学経済学部の定員は539名。
経済、現代経済デザインの2学科制である。
男女比率は、約3:2で、若干男子学生の割合が高い。

偏差値は60.0~65.0とMARCHの中においては上位に位置し、センター試験利用の場合の得点率は86~89%となっている(パスナビ情報)。
https://passnavi.evidus.com/search_univ/2260/department.html?department=015

青山学院大学の経済系の学部としては、元祖国際系の学部としての定評がある国際政治経済学部があるが、その偏差値が62.5~67.5なので、1ランクだけの難易度の差があり、大きな難易度の差は無さそうである。

2. 青山学院大学経済学部の進路と就職について

①青山学院大学経済学部の進路の概要

青山学院大学は学生の進路について、それなりに詳細なデータを提供してくれてはいるが、表になっており、グラフが無いのでなかなか見づらい。

https://cdn.aoyama.ac.2xx.jp/wp-content/uploads/2019/12/cp_data_2018_2.pdf

進路の概要としては、2018年度の場合、経済学部の卒業生539名のうち、進学者は8名と少ない。全体の1.5%である。この点は、法学部を除く、私大の文系学部の一般的な傾向と合致する。

このため、大半が就職することになるのだが、そのうち公務員となる者は18人であり、わずか3.7%である。

就職する者のほとんどは民間企業に就職をしているが、業種別に見ると、
金融・保険が132名とトップシェア(27.4%)である。これは、他の文系学部である、法学部、経営学部、国際政治経済学部と比べても最も高い。

続いて、情報通信が71名(14.8%)、メーカーが62名(12.9%)、卸・小売りが57名(11.9%)となっている。

②青山学院大学経済学部の就職先企業

青山学院大学の場合、具体的な就職先については学部別に上位20社を開示してくれている。経済学部の場合は、2名以上の企業が紹介されている。

企業名 人数
三菱UFJ銀行 11
SMBC日興証券 8
野村證券 7
大和証券グループ 6
あいおいニッセイ同和損害保険 5
三井住友銀行 5
三井住友信託銀行 5
群馬銀行 4
住友生命 4
全日本空輸 4
みずほ銀行 4
三井住友海上 4
日本航空 3
日本生命 3
みずほFG 3
三菱UFJニコス 3
りそなホールディングス 3
アクセンチュア 2
アサヒビール 2
エイチ・アイ・エス 2

(青山学院大学公式HPより外資系金融キャリア研究所が抜粋。2018年度卒業生分)

③青山学院大学経済学部の上位就職先の特徴

上記の上位20社だと、青山学院大学経済学部の全就職者の18.3%しかカバーできていないので、一般化するのが難しい。しかし、ある程度の特徴が見受けられる。

まず、大手金融志向が非常に強いということである。
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほFGと3メガバンクが全て上位20社に入っている。
そして、三井住友信託銀行、りそなホールディング、群馬銀行も上位20社入りしており、大手金融機関の中でも、銀行志向の強さが見られる。

銀行以外の大手金融機関としては、証券会社が多く、野村證券、大和証券、SMBC日興証券の3社だけで就職者は21名であり、これだけで約5%のシェアである。

当然、大手生損保も多く、あいおいニッセイ同和損害保険、三井住友海上火災、住友生命、日本生命が上位に入っている。

そして、青山学院らしく、経済学部においてもエアラインは強い。
全日本空輸と日本航空が上位20社入りし、両社合わせて7名の就職者は全て女子学生である。

上位20社のうち、大半が金融機関と、航空会社なので、それ以外に目立った傾向を見出すのは難しいが、2018年度においてはアクセンチュアに2名就職している。

3. 青山学院大学経済学部の就職における課題

まず、最大の課題は、大手金融機関への就職希望者はどこに志望先を拡げるかを考える必要があるという点である。

この4~5年間、アベノミクスの好況下、メガバンクを始めとする大手金融機関は新卒採用数を大幅に拡大してきた。しかし、超低金利による収益減や実店舗と人員の余剰感から、メガバンクは新卒採用数を急速に絞り始めた。

大手証券や生損保は、メガバンク程にはドラスティックな採用減を行っていないものの、手数料ゼロ化の流れの環境下、大手証券会社の収益状況も芳しくはない。大手生損保も、少子高齢化で国内市場が縮小していくことを考えると、採用増は難しいだろう。

そうなると、メガバンクや大手金融機関の難易度は高まり、希望者全員が内定をもらえなくなるので、どこまで志望先を拡げるべきかについて考える必要がある。

例えば、銀行に拘るのなら地銀まで拡げるのか?あるいは、業種を拡げるのであれば、リースやカード会社にまで拡げるのかということである。もっとも、小規模な金融機関に拡げても採用数は多くは無いし、待遇は大手と比べると落ちるので、本当に金融に拘るべきかを再検討する必要がある。

金融機関のレベルを下げてまでは、金融に拘らないというのであれば、総合系コンサルティング・ファームにするのか、大手メーカーにするのか、IT系にするのか、戦略を再構築する必要がある。業種が異なれば、対策が大きく違って来るし、それ以上に重要なのは、将来のキャリアプランが変容するからである。

また、課題としては、経済学部の場合、どういった点で独自性を発揮するかが難しいということである。この点、経営学部とか商学部系であれば、立教大学経営学部の様に、思い切った実学重視に舵取りすることも考えられるが、経済学部の場合はそれが難しい。

また、グローバルという切り口については、既に国際政治経済学部が存在している。

従って、学生としても短期留学でもして英語やグローバル経験をアピールするとか、経済学の内、ファイナンス系を勉強して、証券アナリスト試験(CMA)に合格しておくなど、自らスペック上げを行わないと差別化するのが難しくなるだろう。

それから、青山学院で全般的に指摘されることであるが、男子学生の存在感をどうやって外部にアピールするかも課題となる。

例えば、経済学部の場合も、全日本空輸と日本航空の就職者は全員女性であるし、三菱UFJ銀行も11名全員が女性である。

このあたりは、大学側も、男子学生の強みや就職の良さを上手くアピールする必要があろう。

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