青山学院大学法学部の就職と課題について

1. 青山学院大学法学部の概要

青山学院大学法学部の定員は500名。
ビジネス法、公共政策、司法、ヒューマン・ライツの4コース制である。
ビジネス法とヒューマン・ライツというのは法学部の中では、それなりにユニークなコースだと思われる。
男女比率は、約1:1で、ほぼ男女同数である。

偏差値は62.5~65.0とMARCHの中においては上位に位置し、センター試験利用の場合の得点率は88%となっている(パスナビ情報)。
https://passnavi.evidus.com/search_univ/2260/department.html?department=020

青山学院大学全般について言えることだが、法学部もMARCHの中において上位にあり、法学部を看板学部とする中央大学と難易度的には遜色はなく、就職においてどのような独自性があるのか気になるところである。

2. 青山学院大学法学部の進路と就職について

①青山学院大学法学部の進路の概要

青山学院大学は学生の進路について、それなりに詳細なデータを提供してくれてはいるが、表になっており、グラフが無いのでなかなか見づらい。
https://cdn.aoyama.ac.2xx.jp/wp-content/uploads/2019/12/cp_data_2018_2.pdf

進路の概要としては、2018年度の場合、法学部の卒業生471名のうち、進学者は17名と多くない。全体の3.6%である。法学部と言うと、法科大学院や予備試験が想起されるが、早慶の法学部の場合は十数パーセントが法科大学院に進学するので、その割合は相対的に低い。

そして、公務員となる者は28人であり、経済系の学部と比べると多い方だが、他の有力私立大学と比較すると、公務員のシェアは低い部類に属するだろう。

就職者の業種別の内訳を見ると、金融・保険が90名とトップシェア(22.3%)である。依然として、金融がトップシェアなのは法学部の特徴である。

続いて、情報通信が66名(16.3%)、卸・小売りが50名(12.4%)、メーカーが42名(10.4%)となっている。

②青山学院大学法学部の就職先企業

青山学院大学の場合、具体的な就職先については学部別に上位20社を開示してくれている。法学部の場合は、2名以上の企業が紹介されている。

企業・団体名 人数
全日本空輸 6
日本航空 5
三井住友信託銀行 5
東京海上日動火災 4
みずほFG 4
三井住友銀行 4
大塚商会 3
第一生命 3
東京都庁 3
野村證券 3
三井住友海上火災 3
三菱UFJ銀行 3
楽天 3
みずほ銀行 2
JR東日本 2
損害保険ジャパン日本興亜 2
住友生命 2
SMBC日興証券 2
神奈川県庁 2

(青山学院大学公式HPより外資系金融キャリア研究所が抜粋。2018年度卒業生分)

③青山学院大学法学部の上位就職先の特徴

上記の上位20社だと、青山学院大学法学部の全就職者の15.6%しかカバーができていないので、一般化するのが難しい。しかし、ある程度の特徴が見受けられる。

まず、青山学院の強い企業である、ANAとJALが1、2フィニッシュとなっている。
そして、それぞれ、5/6、4/5と大半が女子である。客室乗務員(CA)がそのうちどれ位含まれているのかは不明であるが、大手エアラインに強い青山学院の存在感を示している。

また、大手金融機関が依然として強いという特徴がある。
経営学部の場合、金融機関がトップシェアから脱落し、トップは情報通信になっている。
これは、超低金利に伴う収益減や実店舗・人員の余剰感から、メガバンクが新卒採用者数を大幅に削減したため、その枠が減ったからである。

法学部の場合は、依然として、みずほFG、三井住友銀行、三菱UFJ銀行と3メガバンクが全て上位20社に入っている。

それから、前年同様、東京海上日動火災、三井住友海上火災、損保ジャパン、野村證券、SMBC日興証券等、第一生命、住友生命と、大手生損保、大手証券会社への就職者は多い。

また、他学部と比較すると公務員の比率が高いので、東京都庁や神奈川県庁がランクインしているのは青山学院大学における法学部的な特徴と言えるだろう。

3. 青山学院大学法学部の就職における課題

大学側の開示情報だけでは、卒業生のほんの一部しかかばーできていないので、課題を見つけることは難しい。

トップ20を見ると、大手金融機関や人気の航空会社に多数が就職しており、基本的には他のMARCHと同様に、ある程度の大手企業には就職できそうなことはうかがえる。

しかし、少子化が不可避な環境下、優秀な学生を採り続けるためにはMARCHの中での上位校のポジションをキープし続けなければならない。

その点、法学部においては、青山学院大学の場合、司法試験や公務員試験で存在感を図るのはあまり現実的ではないかも知れない。そうなると、民間企業への就職でプレゼンスを出す他は無い。

この点、課題があるとすれば、グローバルという点が上位就職先からはうかがえないことである。外資系消費財、外資系IT企業といった外資系企業、或いは、国際公務員的なところで存在感を示せないか?

あるいは、秋田の国際教養大学の国際的メーカーにフォーカスをするという戦略もあり得る。この点、青山学院大学法学部の狙いはよくわからない。

また、長期的には国内マーケットがメインである金融機関については衰退していくリスクがある。そうなると、数少ない成長が見込まれる、ネットIT系セクターを攻めたいところだが、上位20社には楽天があるだけでこのあたりでのプレゼンスに欠ける。青山学院と言うとネットベンチャーに強そうなイメージがあるので、法学部にもチャンスがあるのではないか。

そして、課題として、男子学生の就職力をどうアピールするかということが指摘できる。
青山学院の場合、就職については、女性が強いというイメージがある。その真偽はわからないが、法学部の上位就職先企業を見ると、航空会社の他、三井住友信託銀行(3/5)、東京海上(4/4)、三井住友海上(3/3)、三菱UFJ銀行(3/3)、第一生命(2/3)、住友生命(2/2)等、大手金融機関においては女子学生が存在感を示している。

青山学院大学法学部の学生は、ほぼ男女同数なので、男子学生の就職状況について何らかの強さや個性を外部に示したいところだ。

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