中央大学商学部【22卒向け】の就職と進路について

1. 中央大学商学部の概要

中央大学商学部の定員は1,020名。
会計、商業・貿易、金融の3学科で構成されている。

男女比率は、約2:1で、男子学生の割合が高い。

難易度・偏差値については、パスナビによると、偏差値57.5~60.0と経済学部とほぼ同水準である。

また、少々意外かも知れないが、看板学部である法学部の偏差値が57.5~65.0なので、法学部と商学部との難易度は1ランクくらいしか変わらない。
これは、司法制度改革に伴う弁護士増によって、全体的に法学部人気が低下したことによるのかも知れない。

中央大学の場合、法学部だと司法試験(予備試験或いは法科大学院進学)、商学部だと公認会計士試験という風に、資格試験のイメージが強い。

しかし、後述の通り、中央大学商学部の学生の多くは就職するのであるが、企業から見て、真面目で良く勉強するというイメージがあるからなのか、就職状況は良好だと言える。

2. 中央大学商学部の就職について

①中央大学商学部の進路状況

中央大学商学部の場合、2018年度においては85.8%が就職をした。
進学者は2.3%と、一般的な私大文系学部の傾向通りで、極めて低い。

中央大学商学部と言うと、公認会計士試験受験というイメージがあるが、受験準備者は6.4%となっており、若干高めの比率となっている。

就職者のうち、公務員となる者の割合は6.0%であり、法学部や経済学部と比べて低くなっている。やはり、商学部という学部の性格上、民間企業就職者の比率が相対的に高いのであろうか。

業種別については、金融・保険が19.5%とトップであり、通信・情報サービスが14.0%、メーカーが11.4%、卸・小売りが11.0%と続く。

https://www.chuo-u.ac.jp/uploads/2019/06/career_center_employment_data_2018_08.pdf?1586742288727

②中央大学商学部の就職先企業について

中央大学の就職状況に関する開示は良い。各学部別に、就職者が1人でもいる就職先については全て開示してくれている。
さらに、学部を構成する学科別にも開示がなされていて、非常に有難い。
https://www.chuo-u.ac.jp/uploads/2019/06/career_center_employment_data_2018_09.pdf?1586742288727

中央大学商学部の就職者数は約950人にも上るので、これだと量が多くなりすぎるので、就職者数が3名以上の企業・官公庁を抽出すると以下の様になる。

企業名 就職者数
EY新日本有限責任監査法人 10
みずほFG 10
JR東日本 9
国税庁 9
サイバーエージェント 7
りそなホールディングス 7
三井不動産リアルティ 6
三菱UFJ銀行 6
みずほ証券 6
パーソルキャリア 6
野村證券 6
SMBC日興証券 6
第一生命保険 6
有限責任あずさ監査法人 5
明治安田生命保険 5
三井住友銀行 5
大和証券グループ本社 5
有限責任監査法人トーマツ 5
楽天 5
ニトリ 5
PwCあらた有限責任監査法人 5
日立ソリューションズ 4
オカムラ 4
あいおいニッセイ同和損害保険 4
三井住友信託銀行 4
静岡銀行 4
日本政策金融公庫 4
KDDI 4
NTTドコモ 4
ヤフー 4
フューチャーアーキテクト 3
船井総合研究所 3
日本放送協会 3
クレディセゾン 3
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険 3
阪和興業 3
商工組合中央金庫 3
朝日生命 3
シャープ 3
三菱UFJ信託銀行 3
ミスミグループ本社 3
スルガ銀行 3
日本通運 3
大和ハウス工業 3
中央労働金庫 3
大東建託 3
JALスカイ 3
メディックス 3
日本生命 3
日本郵便 3
日本年金機構 3
BFT 3

(出所:中央大学HP 「進路・就職データ2018年度」より外資系金融キャリア研究所が抜粋)

中央大学商学部の就職先の特徴としては、何と言っても、監査法人が目立つ。
トップの新日本監査法人の10名を始め、ビッグ4系監査法人だけで25名にも及ぶ。

また、大手金融機関も多く、みずほFG、りそなホールディングス、三菱UFJ銀行、みずほ証券、野村證券、SMBC日興証券、第一生命、明治安田生命、三井住友銀行、大和証券グループ本社と、銀行、保険、証券の大手が上位に並ぶ。

さらに、少し意外な感じもするが、ネットベンチャー大手も目立つ。
例えば、サイバーエージェントに7名、楽天に5名、ヤフーに4名などである。

なお、就職者が2名以下の企業のうち、特に気になる企業として、以下のものがあげられる。

キーエンス(2名)、アクセンチュア(1名)、アビームコンサルティング(1名)、伊藤忠商事(1名)、アサツーデイ・ケイ(1名)、テレビ朝日ホールディングス(1名)、三井物産(1名)、EYアドバイザリー&コンサルティング(1名)、PwCコンサルティング(1名)

3. 中央大学商学部の就職における課題

①公認会計士試験以外で、どういった独自性を発揮できるか?

中央大学商学部の就職については、多くの公認会計士試験合格者を輩出することから、ビッグ4系監査法人という特徴があり、それ以外も大手の金融機関を中心に大手企業への就職に関して良好な実績をあげていると言える。

もっとも、少子化が不可避の中、有名私立大学とは言え、優秀な学生を入学させることは容易ではない。MARCHという学校群において、どういった差別化を図ることができるかが重要になるだろう。

中央大学商学部の場合、公認会計士試験というアピールポイントはあるが、ここの合格者数やランキングを更に上げて行くのは難しいだろう。

かといって、総合商社や大手マスコミ、外銀、外コンといった超難関企業の就職実績を上げるのも難しい。

そこで、例えば、ネットIT系大手企業への就職者を増やすなど、特定の業種に絞って強化していくことが考えられる。

例えば、既に、サイバーエージェント、楽天、ヤフーという実績があるのだから、将来も成長が期待されるネット系の優良企業にフォーカスすれば面白いと思う。

それに合わせて、起業のサポートなどを強化すると相乗効果もあるだろう。もっとも、このあたりは人的ネットワークとか資金が必要になるので、OB会にも協力してもらう必要があるのだろうが。

②中央大学法学部が都心回帰後に、立地のデメリットをどうカバーできるか?

MARCHにおける中央大学の最大の弱みはキャンパス立地ではないだろうか?
今の多摩キャンパスは都心から電車で1時間かかる上、最寄り駅からも坂道を登って行かなければならない。この点は、都心の好立地にタワーを構える明治や法政と比べると不利であろう。

さらに、看板学部である中央大学法学部は都心キャンパスに移転することが決まっている。そうなると、なおさら、多摩キャンパスに残る商学部、経済学部、文学部は一丸となって対応策を練る必要があろう。

例えば、部分的であるにせよ、市ヶ谷、茗荷谷、後楽園の他学部のキャンパスを使えたり、学部共通の就活イベントを開催するなどの対策が期待される。

また、学生自身も情報力で他大に差を付けられないように、外資就活やワンキャリアといった就活メディアは十分にチェックし、早慶の友達と情報交換をしたり、ベンチャー企業でバイトをしたりと、意識的な努力と行動が求められるだろう。

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