【2020.3月現在】東大生にとってサイバーエージェントは魅力的な就職先か?

1. 東大生にとって、サイバーエージェントへの就職者数は少ない?

東大生からはサイバーエージェントはあまり人気が無いという声も聞く。
確かに、2019年卒業生の大学別の就職状況を見ると、東大からサイバーエージェントに就職する学生数は他校と比べあまり多くは無いと言えるだろう。

東大(3人)、京大(3人)、一橋(0人)、東工大(2人)
慶應義塾(17人)、早稲田(19人)
明治(6人)、青山学院(9人)、立教(3人)、中央(10人)、法政(6人)、
同志社(11人)、立命館(5人)、専修(3人)、国学院(2人)、西南学院(2人)

<出所:AERA2019.8.5号「主要50大学の人気企業への就職者数」より抜粋>

2. サイバーエージェントは、東大生からは人気が無いのか?

上記の様に、東大からサイバーエージェントへの就職者数は多いとは言えない。
ITの様な新興系企業は、コンサバな東大生から人気が無いからという訳では無いだろう。何故なら、上記のAERA2019.8.5号のデータによると、東大からヤフーには29人、楽天には16人、DeNAには21人と、かなりの者が新興系ネット企業に就職しているからだ。

これは推測であるが、サイバーエージェントと言うと、独特な華やかさがあり、東大に限らず国立大学の控え目な校風の学生が入って行きにくい雰囲気なのかも知れない。

例えば、京大、一橋大、東工大という国立勢からのサイバーエージェントへの就職者数は少ないし、私立大学においても、東京理科大(0人)、国際基督教大学(1人)からの就職者は少ない。

カルチャー的に、入って行きにくいところがあるのだろうか?

3. 遂にONE CAREERの東大・京大就活ランキングのベスト50に!

しかし、今後は東大からのサイバーエージェント就職者数は増えるかも知れない。
遂に、今年、ONE CAREERが主催する東大京大・21卒就活ランキングにおいて、サイバーエージェントが前年より順位を13位上げ、40位にランクしたからだ。
https://www.onecareer.jp/articles/2279

東大生から人気が高い外銀やMBBといった超難関企業は、採用者枠が拡がらない。
また、国内系証券会社のIBDやグローバル・マーケッツ関係は証券会社の業績不振に伴い、枠は減少気味だし、何故か、総合商社の新卒採用者数も5年前と比べると2割以上は減っている。

そういった環境下、偏見・先入観に囚われずに、広く魅力のある企業を探そうという雰囲気になってきているのかも知れない。

4. サイバーエージェントの魅力

①数少ない成長業界において専門性を高める機会に溢れている

少子高齢化の進展や、日本企業のグローバルにおけるプレゼンスの低下によって、日本の産業界は先行きが厳しい状況にある。

そういった中、数少ない、成長が見込まれる業種と言うと、ネットIT系業界であろう。
その中で、サイバーエージェントは確固たる地位を築いており、成長分野における専門性を磨ける機会に恵まれている。

サイバーエージェントは、インターネット広告事業、ゲーム事業、メディア事業を3つの柱としている。

このうち、インターネット広告事業としては、日本で最強レベルにあり、ネット広告代理店業務の営業マンとして実績を作れば、GoogleやTwitterといったトップの外資系IT企業への転職も可能となる。

また、ゲーム事業についても安定的な収益源となっており、グリーやDeNAが新作に恵まれず苦戦する中、サイバーエージェントは長期間稼ぎ頭となっている。
ゲーム事業は、Googleとかマイクロソフトも参入したがる位に当たれば高収益が稼げるビジネスなので、好き嫌いは分かれるが、大きなチャンスとなるだろう。

メディア事業としてはAbema TVが有名である。現在も赤字事業ではあるが、DL数や売上においては進捗している。このAbema TVの成否に関わらず、「動画」ビジネスに関わり、スキルを習得することができると大きい。今年、2020年から開始される次世代通信システムの5Gによって、ブログ、Twitter、インスタグラム、フェイスブックにおいても動画の比率が高まっていくことが見込まれているからである。そうした中、動画の作成運営に関するノウハウを持っておくことは将来大きな武器になるものと期待される。

②将来の独立・起業に適した環境

外銀・外コン・総合商社に勝る、サイバーエージェントの魅力はこれである。

サイバーエージェントから起業をする者は多い。
メルカリとかWantedlyクラスの大型IPO事例はまだ出ていないが、それなりに堅実に起業して成功を収めているOB/OGは少なくない。

今は、IPOを目指さなくても、M&Aという形で株式を売却することによって、億単位の金額を手にするケースも見受けられる。

サイバーエージェントの場合、本業を真面目にやっていると、将来の起業に向けたスキルが蓄積されることに加えて、サイバーエージェントの場合には、起業家となったOB/OGのネットワークがあり、1000人規模にもなっているという。

退社した後も、サイバーエージェントつながりで協力しながらやっているようだ。

また、起業に限らず、webコンサルティング業務のスキルと人脈を活かして、フリーランスになって月数百万円以上稼いでいる人達も見られる。

サイバーエージェントの場合、転職力だけではなく、起業やフリーランスとしても成功できる環境で働けることが大きな魅力である。

5. とりあえず、コーポレート部門から入って行くという手もある…

東大生、特に文系の場合、最初からインターネット系の業界・企業は本命でない場合もあろう。最初は、外銀、コンサル、商社等を目指す場合が多いからである。

また、雰囲気的に、派手なイメージのサイバーエージェントの雰囲気に馴染めるか不安な学生もいるだろう。

そういった場合には、最初は経理・財務・IR系や人事部門といったコーポレート部門を目指す手もある。そういったところでは、企業全般を見ることができるので、入社後に自分に適した部署を見つけて社内異動を狙うことも可能だろう。

経理や人事系のスキルというのは普遍的にどの業界でも使えるものなので、最初の数年間で身に着けておいて損は無いし、社内に関する知識や人脈が出来た段階で、いわゆるフロント部門に社内異動をすれば成功確率はあがるだろう。

実際、コーポレート部門の中山豪氏は東大卒業生である。大企業にはいろいろな部門と、いろいろな人が存在するので、自分に合った部署を探すことは可能であろう。

従って、取り敢えず、東大生もサイバーエージェントを検討対象に加えても悪くないのではないだろうか?

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