利益を軸としたベンチャー企業選び。ユナイテッドへの就職・転職・キャリアについて

1. 何故、利益を軸としたベンチャー企業を選択するのか?

最近では、東大、早慶を始めとするトップ校の学生も大いにベンチャー企業への就職に興味を持っているという。最終的にベンチャー企業に就職する学生の割合はまだまだ高くはないが、インターンや会社説明会に出席する学生は少なくないようだ。

ベンチャー企業の場合、目先の「利益」よりも「成長」ということで、利益は余り重視されないかも知れない。確かに、最近上場した知名度の高いベンチャー企業である、Freee、Sansan、マネーフォワードなどは赤字企業である。

しかし、何時までも赤字のままでは良いわけがない。
赤字のままだと、ボーナス原資や給料を増やすわけにはいかないから、給与水準は安いままである。また、上場してしまうとストック・オプションの妙味は無くなってしまうので、経済的なインセンティブは付与できない。

ベンチャー企業に入社したのは「成長」目的なので、給与は二の次なのかも知れない。しかし、給料が上がらないと、優秀な社員程去っていく可能性があるし、外部から優秀な人材を採ることが難しくなる。次から次へと新しい企業が登場するので、話題の企業でも業績が付いてこないと、いずれ注目されなくなってしまう。

反対に、しっかりと利益を出せているベンチャー企業だと、ボーナスや給与の原資があるので、経済的な処遇は向上していく可能性がある。そうなると、どんどん優秀な社員が後から入って来ることになる。

また、企業の最終的な目標は儲けること、即ち、利益を出すことなので、自分が「成長」することが目的であれば、稼いでいる企業で働く方が自分も「成長」できるのではないだろうか?

そういった意味で、話題性とか資金調達金額の大きさではなく、利益を軸としたベンチャー企業選択法も有用だと思われる。

2. 東証マザーズ上場企業を対象に、「利益」で検索してみた結果…

非上場のベンチャー企業は利益の額がわからないので、東証マザーズ上場銘柄を母集団として、営業利益ランキングを検索してみた。

その結果、トップ5は以下の様になった。
なお、今日(2020年2月6日)時点では、2019/3或いは2018/12の決算期の営業利益が基準となっているので、その点は御留意いただきたい。

<東証マザーズ上場銘柄:営業利益ランキング>

1. ミクシィ 410億円(2019/3)
2. ユナイテッド 110億円(2019/3)
3. ジャパンインベストメントアドバイザー 89億円(2018/12)
4. 日本アセットマーケティング 84億円(2019/3)
5. ティーケーピー 42億円(2019/2)

(出所:ヤフー ファイナンス)
※1億円未満切り捨て。

ミクシィ以外はあまり聞いたことのない企業が並んでいて、意外感があるかも知れないが、ここからネット系企業であるユナイテッドを紹介することとした。

3. ユナイテッドとは?

ユナイテッドは、2012年にベンチャー企業2社の合併によって誕生した。
当初は、スマートフォンのアドテク事業とスマートフォンのアプリ事業を展開していた。

現在は、ゲーム事業、アドテク事業、コンテンツ事業、投資事業を展開しており、特に投資事業が注目される。

投資事業というのはアーリー~ミドルの未上場企業にベンチャー投資をするものであり、最近では、メルカリへの投資によって巨額の利益を実現できた。
また、現在もミドル~レイターのポートフォリオとして、CyberBuzz、ビザスク、dely(料理動画クラシルの運営会社)を有している。

非常にセンスの良い投資会社なのだが、それだけではなく、自らもゲーム、アドテク、コンテンツ事業を展開しているので、事業会社としての機能や視点をも有している点がユニークな特徴である。

また、新規事業を積極的に展開する企業なので、今後成長が見込まれる分野があればそこに入っていくことも可能である。

なお、現在の経営陣は、会長CEOが早川与規氏、社長COOが金子陽三氏で、お二人ともサイバーエージェントの出身である。

<ユナイテッドの中期経営計画>

https://united.jp/cms/wp-content/uploads/2018/08/20180803_united_mt.pdf

4. ユナイテッドの新卒採用

ユナイテッドも新卒採用を積極的に行っている。
この新卒採用がユニークな点は、目的別の3つのコースが用意されていることである。

第1は、次世代リーダーコースである。
これは役員直下での事業戦略・事業企画を初期配属と想定した、次世代幹部候補養成コースである。若いうちから難易度の高い挑戦機会を手に入れたいという、成長意欲に溢れる人向けのコースである。

第2は、ビジネスグロースコースである。
事業戦略やプロダクト企画を行う部署、或いは新規事業開発を行う部署への配属が確約されるコースである。最初からやりたい分野・方向性が明確に決まっている人向けのコースである。

第3は、ジェネラルコースである。
これは、入社後の研修を経た上で、自分自身の希望と人事の適性を見極めた上で最初の配属先が決定されるコースである。ジョブローテーションをも視野に入れたコースであり、長期的な視点での成長を期待している人にはフィットしたコースではなかろうか。

<ユナイテッド社の新卒採用ページ>
https://united.jp/recruit/information/fresher/

なお、想定初年度年収は、ビジネスグロースっコーストジェネラルコースが420万円であるのに対して、次世代リーダーコースは600万円と異なっている点もユニークである。

5. ユナイテッドでのキャリアプランについて

上記の通り、ユナイテッドでは、自分が希望した職種を選択し、キャリアプランを形成していくことが可能である。アドテク、ゲーム。コンテンツといった特定の業務の専門性を深めることもできるし、人気の新規事業の起ち上げに参画することもできる。

しかし、何といっても魅力的なのは投資事業に参加することができる点では無いだろうか?ここは金融系のVCとは違って、自らも事業を営む企業であるので、投資対象の事業をより深く理解した上での投資が可能となるだろう。また、サイバーエージェントとのネットワークも期待できるだろうから、この世界での成長機会に溢れていると言えるだろう。

したがって、最初はどの業務に従事するかは別として、どこかの時点ではユナイテッドで投資事業のスキルと経験を習得することができれば、非常にポジティブなキャリアを描けるのではないだろうか?

  • ブックマーク