初任給50万円、平均年収1500万円、日本商業開発の就活と難易度について

1. 初任給50万円、平均年収1500万円の日本商業開発とはどんな会社か?

日本商業開発は大阪市に本社のある、東証一部上場企業である。
従業員がわずか70数名の小規模な会社であるが、2021/12期の連結業績予想は、売上高510億円、営業利益54億円と、非常に収益性が高いのが特徴である。
https://ir.ncd-jp.com/ir.html

そして、時々メディアに取り上げられるのが、その初任給が50万円と非常に高いことが特徴である。そして、初任給が高いだけでなく、平均年収も1559万円(2020/12期)と高水準であることが注目される。

2. 日本商業開発のビジネスモデル:「JINUSHIビジネス」とは?

日本商業開発は、まだまだ知名度は高くないが、これだけの高給を支払える高収益企業になることができた秘訣はそのユニークな「JINUSHIビジネス」にあると言える。

日本商業開発が手掛ける事業は、「土地を買う。土地を貸す。貸している土地を売る。」という極めてシンプルなビジネスだ。日本商業開発は、これを「JINUSHIビジネス」と呼んでいる。

具体的には、先ず、土地を買う。ここでいう土地は、「商業用」に使用される土地であり、住宅地や工場用地は含まない。将来の人口動向等を社内基準に従い検証した上で、賃料収入が見込める土地を購入するのがファーストステップである。

次に、購入した土地をスーパーなどの事業者に貸し付ける。
ここでのポイントは、事業用定期借地権契約を締結し、建物はテナントに建ててもらうということだ。このため、借地権者である日本商業開発としては、建物の建設費は負担することなく、借地料をテナントから徴収することができる。

そして、最後に、その土地を売却する。
通常、借地権が付いている底地のみを売却するのはハードルが高いのであるが、ここでのポイントは、地主リート(地主プライベートリート投資法人)等の独自のEXIT先を保有していることである。これによって、キャピタルゲインを得たり、自社のバランスシートの資産規模をコントロールすることが可能になる。

具体的な事例としては、ティア越谷、西友豊玉南店、渋谷区神宮前のTRUNK(HOTEL)、マキヤ淵野辺店、ライフ鶴見下野谷町店、クリエイトエス・ディー川崎桜本店、アクロスプラザ浦安東野店などが紹介されている。

<日本商業開発のJINUSHIビジネスについて>
https://www.ncd-jp.com/jinushi/

3. 日本商業開発の年収、キャリアについて

①新卒社員の給与と最初の5年間の育成期間

日本商業開発の初任給は50万円で、更に、月10万円の住宅手当も付与される。このため、初年度の年収は720万円にもなる。

そして、興味深いのは、最初の5年間は育成期間ということで年収が予め示されている点だ。2年目には700万円、3年目には800万円、4年目には900万円、5年目には年収1000万円という昇給プランが示されている。住宅手当を含めると、入社4年目で実質年収1000万円に到達する。

その後は、実力次第ということで、実績に応じた給与が支払われることになる。

業務内容としては、基本営業職であり、土地の買収のための交渉(ソーシング営業)、入手した土地のテナントとなる事業者との交渉がメイン業務となるのであろう。

なお、2020年4月1日入社の新卒社員についての働きぶりについてはこちらをご参照下さい。
https://www.ncd-jp.com/recruit/voice2020/

新卒の学生に高額の初任給を付与する理由について、松岡哲也社長は、「安い給与ではいい人材が採れないのは当たり前。好条件を提示して丁寧な採用をすれば、必要な人材は必ず採れます。」という(AERA2019年8月5日号のインタビュー記事より)。

②その後の営業部門の可能性

最初の5年間の育成期間が終了した後には、最低保証額が外れ、実績に応じた給与が支払われるということだが、給与が下がることは滅多にないという。例えば、2017年度の営業部門の平均年収は何と2023万円である。

これは少数精鋭型の組織であり、新卒採用者数も1学年数人の規模感であるので、研修・教育体制がしっかりしているのが要因なのかも知れない。

従って、最初の5年間だけではなく、その後のアップサイドの可能性も期待できるということだ。

4. 日本商業開発の新卒採用の就職難易度は?また、内定を得るためには?

①年間数名の採用枠しかないので、新卒の就職難易度は高い

日本商業開発は知名度こそ無いが、初任給が高額なだけではなく、その後の5年間の育成期間の昇給が示され年収1000万円の到達時期も早い。そして、業務内容的にも、「JINUSHIビジネス」というユニークなビジネスモデルを有する企業であるので、既にかなりの難関企業になっているようだ。
(この点、日本商業開発の新卒採用サイトにも「超難関企業」と示されている)。

リクナビ等を見ると、新卒採用者の枠は1~5名とあるが。ここ数年を見ると2~3名の非常に狭き門となっている。

例えば、2020/4入社組は3名で、出身校は東大が2名(経済学部と文学部)、名古屋大学が1名(理系の院卒)となっている。

2019/4入社組は2名で、出身校は慶應が2名(総合政策学部、法学部)、また、2018/4入社組は2名で、出身校は早稲田が2名(社会科学部、人間科学部)となっている。

採用者数が非常に少ないので、一定以上の高学歴の学生が集まり、その中での競争ということになっている。

②内定を得るためにはどうすればいいか?

この点、採用したい学生について、上述のAERA2019年8月5日号のインタビュー記事で、松岡社長がズバリ答えてくれている。

「プログラミングのような特殊な技術を求める会社ではありません。立ち居振る舞いに品があって、ユーモアがあって、基礎学力が高く、文章が書ける学生を採用します。特殊な何かではなく、トータルの力を見ていますね。」

日本商業開発のJINUSHIビジネスは、土地のソーシング営業やテナント探し営業が重要な要素となっているので、営業力のある学生が求められているようである。そして、少人数の組織で自己完結が必要となるので、基礎学力や文章力が求められているのであろう。

この会社の採用プロセスの特徴は、書面を通過すると、最初に松岡社長との面接があることである。従って、JINUSHIビジネスを熟知し、このビジネスモデルに対する知識・共感が必須条件となるだろう。

③先ずはインターンに参加すること

新卒入社組のインタビュー記事が新卒採用サイトに載っている。
少数しか採用しない会社であるので、学歴・スキルに加え、人柄や社風との相性も重視される。このため、入社を真剣に考えるのであれば、インターンに参加すべきであろう。

日本商業開発のインターンの特徴は、座学ではなく、非常に多くの働く現場を見せてくれることである。先輩社員との対話や、取引先企業への訪問、社内の営業会議への参加等がメニューになっている。

ただ、単なる好奇心だけではインターンの参加は難しそうである。IR資料とJINUSHIビジネスの熟読等、十分な事前準備が必要となろう。

5. 日本商業開発への中途採用での入社

日本商業開発への新卒での入社は魅力的であるは、若干名しか採らないので、難易度は非常に高そうである。中途採用で入社することも可能であるが、採用者数がとにかく少ないので、常時求人があるとは限らない。従って、リクルート、doda、マイナビ、エン・ジャパン等の大手エージェントと不動産に強いエージェントに数多く登録してチャンスを待つしかないだろう。

不動産ファンドを始め、不動産業種全般に強いブティック系エージェントとしては、エイペックスがお勧めだ。JREITを含む不動産案件については、ここは外せないだろう。

<エイペックス>
https://www.apexkk.com/

また、大手エージェントの中ではJACが不動産ファンドも含めた不動産関連にも強い。登録はこちら(JACの公式サイト)

社員数が少なく、OBも見つかりにくいだろうから、できれば、新卒段階でインターンや会社説明会等に参加しておきたいところだ。

 

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