私鉄の雄、東急株式会社への就職(第二新卒含む)、年収、キャリアについて

1. インフラ企業としての安定性と渋谷再開発事業の魅力

インフラ企業というのは、金融・コンサルの様な高給のプロフェッショナル職とは切り口がことなるが、トップ就活生の間においては人気のある業界である。

事業の安定性、産業界におけるステータスといったところが魅力なのであろう。
運輸業界、エネルギー業界なのが典型的なインフラ企業であるが、その中で、鉄道業界というのも地味ながら昔から人気のある業界である。

その中でも、東急株式会社は東京の城南地区、川崎、横浜エリアを沿線としており、特に、本拠地としている渋谷は巨大な再開発事業が目白押しであり、事業的な魅力は大きいと言えるだろう。

<東急グループの渋谷再開発事業>
https://www.tokyu.co.jp/shibuya-redevelopment/index.html

また、大手私鉄全般に言えることだが、新卒で採用される現業採用ではない、キャリア採用的な大卒入社組は、1学年30~40人位と企業規模の割には極めて少数の採用である。このため、将来的にはグループ傘下の子会社の経営幹部になれる可能性も十分あり、この点も隠れた魅力と言えるだろう。

三井不動産、三菱地所、東急建物といった財閥系のデベロッパーが特に人気のは、給与水準や安定性といった待遇面だけでなく、「街づくり」という創造性の高いスケール感の大きい仕事に関与できる面白さというのがあるだろう。

この点、鉄道会社の場合は、鉄道事業、生活事業というのを傘下に持っているため、固有の切り口で街づくりをできるというのが強みと言えよう。

2. 東急株式会社の給与水準

①全体観

最初に結論的なことを言ってしまうと、給与水準自体はそれほど高いわけではない。このため、「年収」というのが譲れない軸である場合には、あまりお勧めできない。
もっとも、一般的には悪くは無いのだが、東急株式会社に入社をするような高学歴な学生の同期が行くような金融・コンサル・商社などと比較してという意味である。

他方、ワークライフバランスは優れていて、離職率も極めて低い会社である。そして、年功序列・終身雇用型の企業であり、同期間の差はつきにくい構造となっている。

このあたりは、好き嫌いが分かれるところでもあろう。

②入社年次と年収の推移

まず、入社1年目は年収350~400万円程度からのスタートである。
ここからの昇給ペースはゆっくりであり、入社5年目、27歳位での年収が550~600万円程である。ボーナス等の評価による差は大きくなく、残業代が主な違いである。

30歳での年収の目安は650~750万円程度であろうか。
大手金融機関、商社、マスコミと比べるとかなり見劣りする水準かも知れないが、大手メーカーと比較すると、同じか若干良い位であろうか?

30代(後半)の課長補佐クラスで、800~900万円位が見込まれるが、この男系で大台の1000万円はまだ難しい。40代、課長になれば1000万円に乗ることができるというところだ。

また、寮や社宅はあるものの、住宅手当その他で特にメリットが大きい制度等は特に無さそうである。

3. キャリア、転職

少人数採用、低離職率、年功序列型の企業であり、もともと転職志向の強い人達は多くないと思われる。

キャリアとしては、社内でゆっくりと昇格し、40代で課長になり、その後にはグループ会社の経営幹部になるというのがメインシナリオであろうか。

転職するとすれば、数々の大型プロジェクトに関与できるということから、不動産部門で実績を積むと、市場価値を上げることは可能であろう。また、傘下に多くのグループ企業を有することから、経営企画・財務部門で経営管理的な業務に就くことも面白いのではないだろうか。

まとめ

外銀、外コン、国内系金融機関の総合職、総合系コンサル、商社、デベロッパー、大手マスコミあたりに、トップ就活生の人気が集中しがちなのだが、このあたりの採用者数は限定的であり、今後減っていく可能性もある。

そういった場合には、就活の対象となる業界をいろいろと拡げる必要性が生じるが、大手私鉄というのも候補になり得るだろう。その中で、沿線の強さ、渋谷再開発という強みを有する東急株式会社は十分魅力的な企業の1つであろう。

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