港区の開発王、森ビルへの就活、年収、就職難易度、キャリアについて

1. 森ビルとは?

森ビルとは、東京都港区を中心とする超大規模デベロッパーである。
最も有名なプロジェクトは「六本木ヒルズ」であろう。それ以外にも、アークヒルズ、表参道ヒルズ、元麻布ヒルズ、虎ノ門ヒルズなどが有名である。
https://www.mori.co.jp/

そして、現在でも虎ノ門・麻布台プロジェクトという六本木ヒルズを凌ぐ規模感の超弩級のプロジェクトが進行中である。さらに、虎ノ門ヒルズエリアプロジェクトという地下鉄日比谷線新駅を巻き込む巨大プロジェクトも同時進行している。

森ビルのプロジェクトは斬新でカッコ良く、東京都港区の価値向上に貢献したことは間違いないであろう。

なお、勘違いする人は結構いるようだが、「森トラスト」は同じ一族の会社であるが、別会社である。森ビルは森泰吉郎氏によってスタートし、次男の稔氏が森ビルを引き継ぎ、三男の章氏が森トラストを経営することとなった。ここでは、「森トラスト」は含めず、「森ビル」について検討することとする。
https://www.mori-trust.co.jp/

2. 就活におけるデベロッパー

創造性があって、成果物が目に見える形のデベロッパーは、建築士資格を持たない文系の学生の間でも非常に人気がある。そして、給与水準が高く、都市開発を主体的に手掛けられる位置にあるという理由から、ゼネコンではなく、デベロッパーが特に人気が高い。

しかし、デベロッパーというのは社員数が少なく、当然、新卒採用者数も少ない。このため、業界トップの三井不動産、三菱地所は新卒採用者数が30人強で超難関である。
また、同様に、東京建物とか東急不動産も採用者数が少ないので、三井不動産や三菱地所程ではないが、かなりの難関である。

<三井不動産への就活、年収、キャリアについて>
https://career21.jp/2020-01-23-121837

<東京建物、東急不動産への就活、年収、キャリアについて>
https://career21.jp/2019-05-20-174453

そこで、三井不動産に負けない位の開発プロジェクトを有する、森ビルにも注目が集まることとなる。

しかし、森ビルというのは非上場の同族会社であるので情報が限定されている。そこで、森ビルの就活、年収、キャリアについて検討したい。

3. 森ビルの給与水準

①森ビルの給与水準に関する全体観

就活生が気になるのは給与水準だろう。三井不動産や三菱地所が高給であることは知られているので、森ビルも同様に高いのではないかという期待もあるだろう。

もっとも、結論を先に書くと、他の財閥系のデベロッパーと比較すると、残念ながら森ビルの給与水準は劣ると言わざるを得ない。具体的には、下記のイメージとなる。実は、森ビルはイメージと比べて給与水準は安いというのは業界関係者においては知られた話であった。

しかし、21世紀になって、途中リーマンショックや地震などもあったが、長期的に東京、特に、都心部の不動産価値は上昇し続けている。このため、森ビルもその恩恵を受けているので、給与水準は十数年前と比べてかなり改善されてきている模様だ。今後も、一極集中の問題は別途残るが、東京都心部の価値はまだまだ向上していくことが期待される。このため、将来的には、森ビルの給与水準も財閥系デベロッパーのそれに近づいていくことは期待できるだろう。

②具体的な給与水準

森ビルの給与体系については、財閥系デベロッパーと同様、年功序列色が強く、成果主義的な要素は低いと言われている。このため、自分だけ頑張って同期よりも高給を狙おうというのはあまり現実的でない。その代わり、ワークライフバランスは優れているようだ。

森ビルの初任給については、残業代やボーナスを含めて年収400万円程度である。この点は、一般的な国内系大手企業と特に差は無いと思われる。

そこから5年目位までは、少しずつ昇給していき、年収600~650万円位まで増え続けていく。

変化があるのが役職が付く入社6年目であり、この時点で年収700万円を超えるといわれている。30歳の時点で年収700~800万円というのが目安である。

そこからも徐々に年功序列に従って昇給し、30代後半位のタイミングで年収1000万円に到達する。

40歳を過ぎて課長になれば、年収1100~1200万円位が見込まれる。

他の国内系大手企業一般と比べると決して見劣りするものではないが、他の財閥系デべが高給であるので、比較すると見劣りしてしまうのかも知れない。

また、残念ながら、比較的新しい会社なので、退職金とか企業年金も特別良くは無いということである。
但し、居住地域によって異なるようだが住居手当が月に3~5万円付与されたり、港区内の社宅が使えたりするので、この点は恵まれているようである。

以上の様に、金銭面だけを見ると、他のデベロッパーと比べると決して魅力があるとは言えないが、現在改善されつつあるので、将来的にはもう少し差が縮まる可能性はある。

4. キャリア、転職等について

森ビルの離職率が特に高いということは聞かないが、給与水準で必ずしも優位性があるわけではないので、転職をする人達もいる。

但し、大半が港区内の案件であるのでグローバルキャリアを志向するのであれば、期待にそぐわないかも知れない。

行き先については、JREITのような不動産ファンド系や、外資系不動産会社、或いは、国内系金融機関の不動産関連部門といったところだろうか。国内系の不動産ファンド関連のポジションについては、英語が必須でないので、転職することは十分可能であろう。そうすると、倍増とまでは行かないが、ある程度の年収アップを図ることができる。外資系をも視野に入れる場合には、各自で英語対応をしておく必要がある。

<不動産ファンドの年収、転職について>
https://career21.jp/2019-01-27-093711

5. 新卒採用について

財閥系デベロッパーの新卒採用枠は限定的であるが、森ビルの場合も、新卒採用枠は決して多くは無い。ここ数年、総合職の採用者数は25~30名程度と少ない。

入社難易度は財閥系デベロッパーと比べると高くは無いが、有名大学からの採用が多く、内定を取ることは容易であるとは言えない状況にある。

おそらく、イメージしているよりは給与水準等の待遇面が弱いので、ここをどう考えるかである。どうしても、東京の都心部での最新の都市開発を手掛けたいというのであれば、財閥系に加えて森ビルも併願すべきであるし、給与面を重視するのであればヒューリックとか他の不動産系企業を検討することになる。

森ビルは非上場企業で公開情報がかなり限定される。OB/OGを探し出すのは難しいかも知れないので、他のデベロッパーのOB/OGからの情報収集も含め、十分に実情を把握して検討することが望ましい。

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