財閥系デベロッパーの雄、三井不動産への就活、年収、キャリアについて

1. 三井不動産とは?

就活生からも大人気で就職偏差値も高い財閥系デベロッパーであるが、その中でもトップに位置するのが三井不動産であろう。後述するが、給与水準は業界というより日本企業の中でトップクラスであり、遣り甲斐もカルチャーも良好なホワイト企業。

何と言っても、離職率が1%にも満たず、新卒入社社員の3年以内離職率はゼロ。

デベロッパー業界に興味が無くとも、どんな企業なのか非常に気になるところである。
なお、三井不動産のビジネス内容や業績推移、中期経営戦略についてはこちらの投資家向けの資料がわかりやすい。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/ir/presentation/pdf/investorpresentation1911j.pdf

①三井不動産は実は成長企業である

典型的な内需型産業である不動産業は、低成長な日本経済全体の制約を受け、将来性は無さそうにも見える。

しかし、上記リンク先の投資家向け資料にもある通り、三井不動産は成長企業である。
2013/3期の営業利益は1,481億円であったが、7年後の2020/3期の営業利益は2,800億円にも上る見通しである。7年間で利益が倍増した日本の大手企業は数える程位しか無いのではなかろうか。

②三井不動産は実はグローバル企業である

20世紀においては、内需型産業の典型である不動産業というのはグローバル化とは無縁であるというイメージだった。バブル期に海外不動産でやられたので、海外はこりごりという想いもあったのかも知れない。

しかし、21世紀に入ると、三井不動産は海外事業における収益率を高めて行き、2018年度実績では、海外事業利益は全体の19.8%を占めるに至っている。

さらに、2025年前後の見通しとして、連結営業利益3,500億円の目標のうち、海外事業利益は30%程度を見込んでいる。したがって、グローバルなキャリア形成を目指す就活生からしても、十分魅力のある企業だと思われる。

③三井不動産は投資関連企業でもある

三井不動産は、JREITや私募不動産ファンドの運営のパイオニアでもあり、グローバルの機関投資家の不動産投資ビジネスにも大いに関わっている。例えば、傘下のJREITを運営する日本ビルファンド投資法人の資産規模は1兆1000億円を上回る(2019年3月末時点)。

また、私募不動産ファンドの組成・運用に関わる三井不動産投資顧問の預かり資産は、約1兆4千億円にも及ぶ(2019年3月末時点)。

三井不動産全体の収益のうち、マネジメント事業という、物件の運営管理等の受託ビジネスが約2割を占めている。これにはJREITや私募不動産ファンドの物件管理が関連するものであり、大きな特徴の1つとなっている。

2. 三井不動産の給与水準について

就活生が気になるのが給与水準である。
給与水準は以下の通り、国内系企業の中ではトップ水準であるが、年功序列・終身雇用に立脚したものとなっている。この点は、外銀とかコンサルの世界とは対照的であり、総合商社と共通している特徴でもある。

まず、初任給についてであるが、これは年収500万円程度である。他の国内系大手企業と比べると高水準であるが、外資系企業と比べると特に目立つものではない。

しかし、2年後以降の昇給スピードは速く、入社3年目には年収700~800万円には到達する。そして、入社5年目の27~28歳の時点で年収1,000万円に到達する。

30歳の時点では、年収1,300~1,500万円位の水準になっている。
30代半ば以降になると、年収1,600から1,800万円、40歳以降の管理職となると年収2,000万円オーバーというイメージである。

年功序列色が強いので、評価による年収格差は大きくなく、若い時は残業代の違いが主なもののようだ。もちろん、残業代は全額支払われる。

福利厚生も全般的に良好であるが、唯一、家賃補助制度は特別恵まれているわけでもないらしく、持家を購入する人が結構多いようだ。

全体的に見て、財閥系の総合商社と同水準のレベル感であろう。

3. 三井不動産でのキャリア、転職等について

三井不動産は基本的に終身雇用であり、最高水準の給与体系に加え、退職金制度や企業年金制度も当然充実している。

また、業務内容も日本を代表するデベロッパーであるので、日本橋再開発を見ての通り、大変やりがいも感じられる仕事である。

海外関連の仕事に就くチャンスもあるので、外資系企業に転職をしようと思えば可能なのだろうが、外資系不動産会社(不動産ファンド)は外資系金融ほどは高給では無いので、あえて転職する理由は見当たらないかも知れない。
(不動産ファンドの年収等について興味がある方は、こちらの過去記事をご参照下さい。)

<不動産ファンドの年収、転職について>
https://career21.jp/2019-01-27-093711

贅沢な悩みがあるとすれば、更なるアップサイドは狙いにくいということであろうか。
もちろん、途中で起業をしたり、不動産ファンド以外の外資系金融機関に転職をする者もいなくはないが、長くこの会社にいるとカルチャー的にそのあたりの成果主義的な業界にはフィットしにくくなる懸念がある。

4. 新卒採用について

以上、基本的に良い話が大半なのだが、最大の問題点は内定を取るのが極めて難しいということである。

その理由は、新卒採用者数が極端に少ないからである。
ここ数年間は、新卒採用者数は40人強で推移しているが、これは業務職(一般職)も含んだ数字であり、総合職だけで見ると30人台半ば位である。

採用実績校は極端に偏っており、東大、一橋、早稲田、慶應だけで25人を超え、これだけで7割位になる。残りの10人位のイスを、京大、阪大、その他旧帝大等で分け合うこととなる。

何と言っても、三菱商事の1/4位しか採用しないので、大学がどこであっても超難関ということとなる。

また、三菱商事と違って、外銀やMBBの内定持ちを優先することもない。スペック的な超優等生を探しているわけではないので、それよりも、カルチャーフィットの方が重視されるのであろう。

このため、どうしてもデベロッパーに行きたいという場合には、三井不動産と三菱地所だけでは厳しく、東京建物、東急不動産あたりまでは視野に入れて会社訪問をする必要があるのでは無いだろうか?

<東京建物、東急不動産への就活等>
https://career21.jp/2019-05-20-174453

<ヒューリック他>
https://career21.jp/2019-06-07-100747

なお、更に、森ビル、森トラストも応募するべきかという疑問点が生じるかも知れないが、両社は給与水準等が財閥系デベロッパーと比べて見劣りするのと、同族企業特有の不透明な人事があるので、その点は要確認である。

なお、キャリア採用という名の中途採用もあるが、採用者数は非常に少ないため狙って入れるものでもない。入れるなら、新卒で入っておくべき企業であろう。

最後に

以上の通り、離職率が非常に少なく、社員の話を聞いても、口コミサイトを見ても、従業員からの満足度も大変高い会社である。

内定をもらうのは難しい会社であるが、デベロッパー以外の業界を志望する者であっても、機会があれば会社訪問(OB訪問)する価値はあるだろう。

  • ブックマーク