ONE CAREER、外資就活、IR情報。早慶やMARCHの就活生はやっている?就活生の情報収集法

序. 地方の就活生は、早慶、MARCHに就活情報で引き離されないようにしなければならない

地方の就活生は、例え旧帝大クラスであっても、企業やOBは東京に集中しているので不利なことが多い。東京に会社説明会に行ったり、OB訪問をするのはお金の面、時間の面、労力の面で大変だ。

コロナ以降、リモートでの会社説明会やOB訪問が増えたので、ある意味、東京の学生との差は縮まったかも知れないが、face to faceでしか取りにくい情報もまだまだ多い。

このため、地方の就活生は、少なくともネット等で入手できる公開情報については漏れなく収集し、早慶やMARCHの学生に後れを取らないよう意識すべきであろう。以下で紹介するIR情報やweb情報は無料で入手できるものなので、大いに活用したい。

1. 就活生の情報収集法

①OB訪問等の人からの情報収集と公開情報からの情報収集

20世紀と違って、現代の就活においては、ES、webテスト、GD、ジョブと様々な就活専門のスキル/テクニックが必要とされている。また、応募企業については企業研究も求められ、多くの企業を併願すればするほど、就活生の負担は重く、効率的な情報収集が重要である。

情報収集については、OB訪問等の人を介しての情報収集と、メディア、SNSを通じた公開情報からの情報収集とがある。

もちろん、OB等から直接話を聞くことができれば、本音の話も聞けるし、質問もできるので効果的な情報収集に繋がり易い。しかし、物理的にOB訪問等の可能性や実施回数には制約があるので、公開情報からの情報収集というのも重要になってくる。

②情報格差が就職格差に繋がり易い

これは中途採用でも言えることであるが、採用者側の事情と採用したい学生像、そして選別方法・選別基準を事前に十分把握できるかがカギとなる。

この点については、同じ大学の中でも、学生間の格差が拡大してきていると言われ、その原因の1つとして情報格差が指摘できる。

また、地方の学生の場合には、東京の学生と比べて情報収集が難しく、移動のための負担だけではなく、情報においても不利な就活を強いられてしまう恐れがある。

このため、誰でも入手することが可能な公開情報については、しっかりと行っておきたいところである。

2. 新聞雑誌について

まず、新聞については日経新聞には必ず毎日目を通して欲しい。別に紙媒体の日経新聞を購読する必要は無いし、電子版に申し込む必要は無い。Webで無料の範囲で構わないので、全体的に見出しをチェックし、どういった政治・経済・個別企業のニュースがあるのかを把握しておきたい。

今は、ヤフーやNewsPicksとか、新聞以外のニュースメディアも沢山あるのだが、やはり、日経新聞がバランスよく、海外から国内のマクロ経済、金融、企業情報が網羅されているので、これを毎日目を通すことが効率的だ。毎朝チェックする習慣をつけると、20~30分もあれば読めるだろう。

運用会社或いはヘッジファンドのポートフォリオ・マネージャーの情報収集法は、人によって異なるものの、日経新聞に目を通していない人はまずいない。したがって、他の新聞を併読する必要は無く、とりあえず日経新聞を押さえておけば良いだろう。

経済誌については必須ではないが、金融機関の人は、日経ビジネス、東洋経済、週刊ダイヤモンドの3誌に目を通すことが多い。別に3誌全てに毎週目を通す必要が無いが、自分が興味のある業界や企業の特集があれば、読んでおきたい。

それから、何故新聞に拘るかというと、採用の責任者や面接官である40~50歳位のオジサン達は、完全な新聞世代なので、新聞を読んでいて当然という頭になっている。このため、採用者と目線を合わせる意味でも日経新聞を読む習慣をつけるべきなのだ。

3. IR情報を読み込む

就活において必要とされる項目に、「企業研究」というものがあるようだ。
しかし、「企業研究」の方法については定説が無いのではないか?

就活メディアを見ると、「企業研究」に関する記事は容易に見つかるだろう。
いろいろ方法はあるのだろうが、最もシンプルな方法は、各企業のホームページのIR情報を見ることだ。

具体的には、中期経営計画を読み込んで全体像を把握し、直近の動向を押さえるために、四半期毎に後悔される決算情報を見れば良い。

何故、IR資料が良いかというと、世界中の投資家に向けられた資料であり、口うるさい機関投資家に読み込まれることを想定して、社内で厳格なプロセスを経て作成されている資料だからである。

就活生向けのパンフレットとか専用メディアはイメージを掴むのには良いかも知れないが、それだけでは適切な企業研究はできないだろう。何故なら、就活生向けの情報は、ある意味美化されたものであるし、企業情報が正確に反映されたコンテンツでは無いからだ。

IR資料を読み込むと、企業のビジネスモデル、どうやって稼いでいるかが把握できる。
例えば、ソニーの決算説明会資料を見てみよう。
ソニーというと、テレビ、携帯電話、オーディオ製品を売っているイメージがあるかも知れないが、それらの利益に占める割合は1割にも満たない。他方、ゲーム、音楽、映画、半導体、そして金融業において幅広く稼いでいることがわかる。
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/presen/er/pdf/19q2_sonypre.pdf

金融機関を目指す就活生は当然として、それ以外の業種を志望する者も、IR情報を読んで企業の実態を把握しておくことが必要だ。そうじゃないと、企業のビジネスモデルを正しく把握できなくなり、的外れな志望動機や自己PRになってしまうおそれがある。

特に、商社を志望する者が多いが、商社は会社によって収益構造がかなり異なるので、じっくりとIR情報を読み込んでおくことが求められるだろう。

4. webメディア、SNS情報について

①ONE CAREERと外資就活

東大、早慶の就活生の大半はONE CAREERと外資就活を利用している。
それに比べて、MARCH、関関同立、地方国立大学の利用率は相対的にまだまだ低い。

確かに、当初は外銀、MBBという特殊な業界志望者向けのメディアであったかも知れないが、今では対象企業は広く国内系の優良企業に拡がっているし、ES、GD、ジョブといった新卒採用特有の対策に関する情報が揃っている。

就活に限らず、今のビジネスは情報戦でもあるので、情報弱者になると社会人になっても成功できないはずだ。

従って、トップ就活生が取っている情報は漏らさず入手できるよう頑張りたいところだ。いずれも、無審査で無料なので、これを使わない手はない。特に情報力で不利になりがちな地方の学生は、積極的に活用することが望まれる。

<ONE CAREER>
https://www.onecareer.jp/

<外資就活>
https://gaishishukatsu.com/

②YouTube

YouTubeというと、音楽や娯楽がメインであるのだが、最近ではビジネス系YouTube番組も登場し始め、就活をテーマに扱うものも増えてきている。

就活を扱う番組では、内定者がインタビューに対応しているので、そのレベル感、長所といったところを感覚的につかみやすい。

もっとも、内定者レベルだと、採用者側の目線がわからないので、(元)人事とか採用責任者、或いは、現役社員が登場している番組も視聴した方がいいだろう。

YouTubeについては、絶対これを見た方がいいというものは無いが、以下のものは参考にできるところはあると思われる。(2020年1月時点)

・年収チャンネル
・内定チャンネル
・トップ就活チャンネル

③ツイッター

今では、webメディア、YouTubeに加えて、ツイッターを使った就活法が注目されているようだ。webメディアやYouTubeは非同期メディアであるが、ツイッターは同期メディアという点に特徴がある。リアルタイムで情報が流れて来るという特性に加え、当該業界の現役社員に対して、リプライやDMで直接コミュニケーションが可能という利点もある。

高度な情報化社会で、勝ち抜くためには、新しいツールも駆使したいところだ。プライベートで使用するツイッターアカウントとは別に、「就活垢」と言われる就活専用アカウントを別途開設している学生もいるので、積極的に活用してみてはいかがだろうか?

<ツイッターを使った就活法について>
https://www.onecareer.jp/articles/1669

5. 最後は、やはりOB/OG訪問

上記の情報は全て公開情報であるので、更に自分にとって有用で深い情報を得るためには、OB/OG訪問が必要となる。

そこでは、いろいろと聞きにくい質問をすることも可能だし、業界の裏側・ホンネの部分を知ることもできる。そして、志望動機、自己PR等についてフィードバックをもらうこともできる。

ただ、いきなり頭が真っ白な情報でOB/OG訪問をするのと、上記のような公開情報を十分認識把握した上で訪問するのとでは、得られる情報が全く違ってくる。

就活成功体験記においては、とにかくOB/OG訪問の数をこなせという意見も散見されるが、その前に公開情報から十分な情報を引き出せるような能力を形成しておくことが求められる。

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