1. 文系も就活の対象とできる優良メーカーの1つ
文系の就活生における人気企業というと、金融、商社、マスコミ、コンサルといったサービス業系が多い。
しかし、メディアでも報道されている通り、少子高齢化に伴う国内店舗網や人員の余剰化や、超低金利による収益減の影響を受けて、大手金融機関は今後新卒採用数を絞っていくと思われる。
商社は金融と比較すると採用者数が高く、入社難易度もかなり高い。そして、3年程前と比べると、新卒採用数は既に減少している。
そうなると、サービス業での人気企業に対する就職難易度は高まり、メーカーも検討対象となっていくことが予想される。
メーカーの中では、食品3社(キリン、サントリー、味の素)、トヨタ、ソニー、キーエンス、旭硝子、富士フィルムといったところが昔から人気企業であるが、高給でありながらワークライフバランスに優れた出光昭和シェル石油というのも、派手さは無いが隠れた優良メーカーの1つであろう。
2. 出光昭和シェルの給与水準
①全体観
出光と昭和シェルが合併したばかりなので、合併会社が将来どのようになっていくかは、まだわからない。しかし、昭和シェルのケースでいうと、外資系なのだが親会社が欧州系(英国、オランダ)ということもあって、おっとりとした年功序列型の日本的な社風であるという。
②年収水準の推移
年収水準については、日本のメーカーの中では明らかに上位に位置すると思われる。
初年度の年収は400万円台程度で、ここは他の大企業とは大きく変わらない。
しかし、入社3年後には年収は550~600万円に到達する。
そして、30歳時点での年収は700万円程度である。
30代前半では800~900万円に到達する。昔はこの時点でも大台の1000万円に到達できた様であるが、最近では管理職にならないと厳しくなったそうである。
40歳前後で管理職になると、年収レベルは1200万円に到達する。
いわゆる課長レベルの年収は、1200~1400万円位である。
そこから1ランク上がって、部長になれば、年収は1600~1800万円位のレンジとなる。
昭和シェル側の話ではあるが、住宅補助制度が大変充実しているのが特徴である。借り上げ社宅制度によって、実質的に年収換算で100万円位の効果があると言われ、これが大きな魅力だという。
全体的には、年功序列、終身雇用型であるが、他の優良メーカーと比較しても、若い時の給与水準がまずまずなのと、住宅補助制度が優れているという。
3. キャリアパス、転職
外資系企業とは言え、外銀とかコンサルのように、激しく転職をするパターンではない。
終身雇用がメインであり、年功序列に従い、上っていくのが多数派である。
エネルギー関連の同業他社に転職することによってタイトルを上げ、年収アップを実現する者もいるが、あくまでも少数派である。
最後に
文系の学生からすると、穴場的な、高給・まったり型の隠れた優良企業であった。
ところが、出光と合併したので、今後どのようになっていくかは不安なところである。
出光も決して、日本の伝統的大企業の中では給与水準は低い方はないが、最近の合併の傾向として、年俸水準とか福利厚生は低い方に収斂していく流れがあるので、ここのところはOB/OG訪問で詰めたいところだ。
今後、大手金融機関や総合系コンサルティングファームが採用数を抑制していくと、文系の学生は他の業種も幅広く検討する必要が生じるだろう。そういった中、当社については従来よりも人気が出る可能性は大いにあるだろう。