序. 収益化の勝ちパターンの変動が激しいブログビジネスの世界
①勝ち組ブロガーを模倣しているだけでは儲からない理由
誰でもその時の最高の勝ち組ブロガーの儲け方を参考にしたいものである。
しかし、勝ち組ブロガーの言う通りにしても、webビジネスの世界は変化が激しく、模倣ができたタイミングでは儲けのルールが既に変わっていて、思った程は稼げなかったということはよくある話だろう。
2~3年前に、ブログの世界で月商1000万円以上を売り上げていた人でも、現在同レベルで稼げている人は僅かなのではないだろうか?
②「他人のモノ」を「他人のルール」で売る方法では、長続きしない?
少し前までの、ブログビジネスでの典型的な勝ちパターンは、アフィリエイトである。
しかし、WELQ事件以降、Googleアプデの都度、アフィリエイトサイトの検索順位は下げられ、ほとんどのアフィリエイターは稼げなくなってしまったのではないだろうか?
今後は、どうやれば稼げるかということであるが、基本的な考え方としては、「他人のモノ」を「他人のルール」で売るビジネスは難しいということだろう。
例えば、2年前の2017年においては仮想通貨市場が爆発的に盛り上がった。そこで、仮想通貨を題材にしたアフィリエイターは売上が1億円を超えるなど、大儲けすることができた。
しかし、翌2018年には仮想通貨のアフィリエイト規制と仮想通貨市場の下落によって、あっという間に稼げなくなってしまった。
これは「仮想通貨」という他人のモノを売り物としていたことに起因する問題点である。
さらに、Googleアプデでアフィリエイトサイトが検索上位を取れなくなったというのは、他人のルールに則って戦っているからである。
自分がコントロールできない、「他人のモノ」を「他人のルール」に立脚して売っていては、一時的には大儲けできても、継続して稼ぐことは難しいと言えるだろう。
そこで、今後継続的にブログで収益を上げるためには、少なくとも「自分のモノ」、即ち自分自身のスキルや商材を販売することがカギになるのだろう。
このことを踏まえた上で、以下では、現在取り得るブログで収益を上げる方法についてまとめてみた。
1. 広告収入(アフィリエイト)
①Googleアドセンス
アフィリエイトの世界では、言わずと知れたGoogleアドセンスである。
これは、実際に売却に至らなくても広告収入が得られるということが最大の特徴である。
したがって、ある程度PV水準に比例するという特徴があるので、PVを稼げているブロガーには魅力的な収益源である。
しかし、当然、収益率は低く、そこそこのPV数を誇るブロガーの場合でも、Googleアドセンスだけで何百万と稼ぐことは不可能である。せいぜい見込めるのは月に数万円とか、そういった水準では無いだろうか?
なお、Googleアドセンスを始めるにあたっては、厄介なのが事前審査があることである。
最近では、結構審査で落とされるケースも多く、6回目の挑戦で承認されたという話も聞く。Googleアドセンスを当てにしているブロガーは早めに審査を通しておきたい。
②アマゾン、楽天
これらもGoogleアドセンスと同様に、ブロガーの間では良く知られているアフィリエイトである。
Googleアドセンスと違って、実際に商品が売れた段階で報酬が発生するのでCVR(Conversion Rate)がカギとなる。
もちろん、収益性は高くは無い。とはいえ、カメラのような高額商品が売れた場合には、そこそこのお金になったケースもあるのだが、アマゾンアソシエイトの上限1000円ルールの導入によって打撃を受けたブロガーも少なからずいたようだ。
やはり、そこは、「他人のルール」で戦うことの難しさであろう。
③ASP(Affiliate Service Provider)経由でのアフィリエイト
狭義のアフィリエイトというと、ASP経由のアフィリエイトであろう。
A8やバリューコマースというサービスプロバイダーの中から、対象となるモノ・サービスを見つけてきて、自己のサイトに張り付けて販売する形である。
クレジット・カード、金融系、美容系などが単価が高く、魅力のある商材なのだが、当然そういった高単価の商材については競争が厳しい。また、Winner Takes All的な側面もあるため、既存の強者を押しのけて勝ち取るのは容易ではない。
そして、何といっても近年のGoogleアプデの影響によって、従来の最大の稼げた市場の魅力が急低下しているのが現状である。
2. コンテンツ課金型
①ネットを通じたコンテンツ課金
アフィリエイトによる広告収入で収益化することが難しくなったので、今後のブログによる収益源は、コンテンツ課金になるのではないかと予想される。
コンテンツ課金は、ネットを通じた課金と、実際にセミナー等を開催するリアルのセミナーによる課金とがある。
ネットによるコンテンツ課金をCD販売、セミナーによる課金をLIVEに例えることもできる。このため、ネットとリアルでの課金は相互に関連性を有する場合もある。
ネットを通じたコンテンツ課金というと、noteによる課金とオンラインサロンを通じた課金の2つが双璧ではないだろうか。
Noteによる課金は、1個のコンテンツ毎に課金をするばら売り型と、1か月あたり〇〇円と期間に応じて課金をするタイプがある。
1か月単位で課金をするのは、コンテンツ内容が特定されていないので、ユーザーが不満を持つこが気になるところである。しかし、定期的に課金ができるサブスク型の課金は、蓄積型であるし、不労所得的な要素もあるので、ブロガーとしては大変魅力がある収益源である。
したがって、なるべく継続的なnote購入ができるように対応したいところである。
オンラインサロンについては、サブスク型の典型で、毎月決まった収入を受け取れることはブロガーにとって大変有難い。
しかし、オンラインサロンの場合はサロンによる提供価値と、ユーザーの期待との関連性が不明確であるので、ユーザーの不満が貯まりやすく、一旦評判が悪くなると、一気に会員数が減ってしまうというおそれがある。
この点については、いきなり多くの会員を集めるとサポートが追い付かなくなりがちなので、最初は少人数から始め、徐々に拡げていくという手法を取る方が堅実であろう。
もちろん、会員のオンラインサロンに対する期待感は、月会費との兼ね合いであるので、月会費の金額と会員数をどうするかについては戦略的な意思決定が求められる。
西野亮廣さんのサロンのように、多くの会員を集める場合には、単価は低く(1000円)なりがちだし、会員数を少数に絞るのであれば高単価(例えば5000円以上)を狙うことも可能であろう。
いずれにせよ、オンラインサロンの場合には、会員に対する手厚いケアが成否のカギとなろう。
②リアルのセミナーによる収益化
Google他、他人に依存せずに、継続的にブログで収益化していくカギの1つは、このリアルのセミナーでどれくらい稼げるかということだろう。
月商1000万円には届かなくても、月商400~500万円クラスで長期間稼いでいるブロガーはこれをやっている人が結構いる。
月間PVが数十万レベルになり、それなりに知られたブロガーが、リアルでセミナーを開催する場合には、1回あたりのセミナーで2万円程度徴収することは十分可能である。
皮算用をしてみると、土曜日と日曜日に2コマずつ開催するとしたら、週4コマ。
1月当たりだと4×4=16コマ。
1回あたりのセミナーで、平均出席者数が5人だとすると、1月当たりのセミナー集客数は、
16コマ×出席者5人×セミナー単価2万円=160万円となる。
1回あたりの出席人数が片手で収まる位だと、手取り足取り教えられるし、満足度もそれなりであろう。また、その人数であれば、会場手配とか集金といったロジ回りも煩雑にならない。
リアルでのセミナーというと、会場を押さえたり、機材を手配したり、集金を自分でしたりと面倒であるが、実施者に聞くとそれほど面倒ではないようだ。
リアルでのセミナーの場合、単価が高く取れるので、noteやサロンに比して一気にまとまったお金を稼ぐことができるのがおわかりだろう。
それに何といっても、セミナー出席者と密なつながりができるので、リストマーケティング的な観点からも望ましいビジネスモデルである。
セミナーについては、どういうサービスを提供することによって出席者をHappyにすることができるのかという視点から企画することが重要だという。セミナーでの集客に成功しているブロガーは、自分の都合ではなく、顧客視点からテーマ設定することが長続きできる秘訣という。
もちろん、リアルのセミナーを面倒と感じるブロガーもいるようで、そういった人はオンラインサロンを中心に展開すればいい。反対に、オンラインサロンを面倒だと感じるブロガーはリアルのセミナーに軸足を置けばよい。
ネットとリアルのコンテンツ課金は、相反するものではないので、収益の多様化の観点から上手くバランスを取って両方手掛けることができれば理想的だ。
3. Webサービスの立ち上げ
これは、月間PVが100万越え位のレベル感になった場合の話である。
どういうことかというと、自らWeb上のマッチングサイトを起ち上げて、そのマッチングや広告代をスポンサーから得て収益化する方法である。
これ位のレベルになってくると、ブロガー単独で運営することは難しく、外部委託を積極的に使ったり、人を採用することが必要になってくる。
そうなると、個人ブログビジネスというよりは、小規模だがネット起業に近い世界になってくるだろう。
このレベルまで持って来ることができると、売上が1億を超えて来るので、サイト売却というよりは企業売却という形で、億単位のEXITを図ることも可能になってくる。
もはやブロガーではなく、立派な起業家である。
これは個人ブロガーの理想的なゴールなのかも知れない。
4. 物販
ブログでの収益化というと、アフィリエイトとコンテンツ課金までは誰でも思いつくのだろうが、この物販というのも有力な収益方法である。「せどり」という言い方をする場合もある。
物販とか、せどりというと、仰々しい感じがしないでもない。
しかし、メルカリで売却した経験がある人はいくらでもいるだろう。あれもれっきとした物販であり、メルカリでの売却をスケールアップしたものと捉えた方が簡単かも知れない。
サラリーマンが副業としてやるのであれば、自分の物を売却することに加えて、どこかからタダ同然で仕入れてきた物を、ちょっと面倒だが、メルカリで頑張って売れば月に数万円位は稼げるのでは?
ある意味、これは今更アフィリエイトを必死になってやるよりも、手っ取り早く実現できる方法である。
もっとも、当然であるが、物販の場合には有体物を取り扱う都合上、保管、梱包、発送というロジ周りに時間と手間を要することになる。さらに、ある程度本格化して、外から仕入れて販売する場合には、仕入れ代金という資金が必要になる。この点は、ほとんどコストゼロで始められる通常のネットビジネスとは大きく異なる点なので、留意が必要である。
物販が魅力的なのは、物を売るセンスがある人は結構まとまったお金を稼ぐことができることである。例えば、ブログ界隈では有名な、わっきーさんという方は販売が得意である。
たった1つの商品で100万円以上を売り上げたりもしている。
物販に自信や興味がある方は、こちらをご参照ください。
<わっきーさんのブログ>
http://wakki001.com/
まとめ:時代や適性によって収益方法は異なる
ネットの世界は変化が激しいし、その人の専門分野や得意・不得意によって、採るべき収益化の方法は異なるはずである。
個人ブログの収益モデルについては、サイトビジネスの公式である、
Impression × CTR × CVR × 単価、
で示されるところ、Googleアプデの方向性に鑑みるに、Impressionは取りにくくなってきているので、分厚い「単価」を取れるかどうかが成否のカギになるのではないか?
「単価」といっても、アマゾンアフィリの上限1000円ショックのように、他人のモノを他人のルールで売却するモデルだと継続できない。
そこで、「自分のモノ」を持っているかどうかが稼げるか否かの分岐点になるのではないか。
具体的には、ブログで集客したユーザーに対して、プログラム、ビジネススキル、自分の作った物を売れるかどうかということなのである。
また、変化の激しいネットの世界においては、依拠しているプラットフォーム自体が陳腐化してしまう場合もあるので、なるべく収益源を分散化するべきであろう。
これは、アフィリ、コンテンツ課金、物販を手広くやれという意味ではなく、同じコンテンツ課金の中でも、note、オンラインサロン、リアルのセミナーに分散すべきということである。
そして、ブログも複数運営し、成長が止まったと思われるものや、競争力を欠くと考えられるブログについては売却して次のものを見つけるというポートフォリオ的な発想を持った方がいいだろう。幸い、サイトの売却方法は充実化してきているので、ブログを売却して換金し易くなっている。
ブロガーであれば、月商1000万円と大きく稼ぎたいところだが、1~2年しか持たないのであれば意味が無い。それならば、月商400~500万円で地味に長く続けることを狙った方が賢明だ。
イケハヤさんは、「ブログはオワコンだ。」と言ったそうだが、まだまだ収益化するアイデアは残っているはずだ。