1. ベンチャー界隈におけるカリスマ転職エージェントによる、低学歴でも逆転可能な転職活動におけるコツ
就活や転職の参考として、多様な業種・企業の年収を取り上げる人気YouTube番組「年収チャンネル」では、連続して、ベンチャー界隈における著名転職エージェントの高野秀敏さんがゲストとして登場している。
https://www.youtube.com/watch?v=PWv4rT5Zroc
今回のテーマは、「低学歴でも逆転可能な転職のコツ」ということであり、就活・転職、低学歴・高学歴関係なく使える、有用な考え方だと思われる。
2. 低学歴が転職で逆転可能な3つのアピールポイント
就活の場合は、職歴が無いので最重要ファクターはどうしても学歴になってしまう。
このため、学歴フィルターというものは当然存在し、学歴が低いと一般的に就活では不利である。
しかし、転職・中途採用の世界においては、最重要ファクターは学歴ではなく、職歴・職業スキルになるので、低学歴でも十分に転職で逆転できる可能性はある。
高野さん曰く、面接等で、低学歴が逆転するためのアピールポイントは以下の3点。
(1)現在の会社での実績を「定量的に」説明する。
(2)その実績を実現できた理由を説明する。
(3)さらに、上記(1)(2)を転職先のポジションで活かせることを説明する。
①先ず、何といっても「定量的に」実績を示す。
ここでの、最大のポイントは「定量的に」という点である。
レジュメ、職務経歴書、面接において、自分の実績や能力を延々と語る人は少なくないが、結局、「定量的な」数値が無いと頭に残らない。
また、「定量的な」説明があると、この人はきっちりと数値的な管理ができそうであるという印象を与えることができる。
従って、新規アカウントを〇件獲得したとか、1000万円のプロジェクトを受注したとか、月間PVを2倍にしたというように、とにかく、数値を意識した説明を心掛けることが肝要だ。
なお、これは営業に限った話ではない。
企業の目的は利益を上げることであり、利益をあげるためには、売上を増やすことと、コストを減らすことの2つの切り口がある。
したがって、経理とか法務の様なポジションでも、○○円/○○%のコストカットに貢献したとか、或いは、1人で○○件の契約書作成を行ったという切り口に着眼すれば良い。
②その「定量的な」数値を実現した理由を説明する。
これは①の「定量的な」成果とセットである。
数値をアピールするのは良いことであるが、当然、何故その結果が達成できたのかが採用側企業としては興味があるからだ。
そもそも、出まかせの数値であれば話にならないが、会社の名前、周りのサポート、景況感等、その人の実力に依らないところで達成した数値なのか、その求職者の能力や工夫によって「定量的な」成果が実現できたのかでは評価は全く違って来る。
外資系金融の新卒(第二新卒)採用においては、レジュメに「〇〇のイベントを主催し、〇〇人を集客した」ということのみが記載されているケースがある。
採用者側がこれを見ると、「どうせ嘘だろう」と考えるので、いかにその数値を実現することができたのか、理由付けが重要なのである。
③上記の「定量的な」成果と実現理由を、当該募集ポジションで活かせることを説明する。
現在の業種・職種と、転職希望のポジションが同じであれば、上記①②を説明できればそれで足りるのであろうが、業種・職種が異なる場合には、もう一頑張りして、その成果を異なるポジションでも活かせることを説明する必要がある。
中途採用とは異なる話なのだが、新卒採用においては、体育会の就職力・評価が低下していると聞く。その理由として、企業側に余裕が無くなり、新入社員をゼロから育てることが難しくなっているからだ。すなわち、体育会だとありがちな自己アピールとして、「陸上の1万メートルで何位でした!」とか「背泳ぎのタイムを〇〇秒まで縮めました!」という競技実績を強調するのであるが、企業側からすると、「だから何?」「早く走れたら海外で日本製品を売れるのか?」といった冷めた反応を受けてしまうのである。
もちろん、採用企業側も自分の実績の話を聞くと、努力が出来る人、頑張ることができる人といったことは伝わるが、当該募集ポジションで力を発揮できるかどうかまでは伝わらないということだ。
他方、この点を上手く説明することができれば、そのあたりまでを考えている候補者であることが伝わるので、採用にはグッと近づくことができるだろう。
3. 低学歴の場合だと戦略的にファースト・キャリアとしてIT系ベンチャー企業を選択することもアリ?
新卒採用の世界では、職歴が無いので、どうしても大企業の場合には、低学歴だと内定を取るのが難しい場合がある。
ファースト・キャリアは重要なので、できれば何とか大手に新卒で入りたいという気持ちはわかる。
しかし、近年は状況が変わりつつある。
従来は、大企業⇒ベンチャー企業というのは簡単であるが、反対に、ベンチャー企業⇒大企業というのは難しいので、とにかく最初は大手に行っておけというのが定説であった。
ところが、少子高齢化に伴い国内市場の縮小化の傾向や、日本企業の全般的なプレゼンスの低下という環境下、新規事業創造能力というのが非常に強く求められつつある。
また、AIとかデジタルトランスフォーメーションという大きな流れの中で、IT系ベンチャー企業における職歴は、大企業でも十分求められるものになってきている。
実際、「年収チャンネル」主催者の株本さんも、従業員10人程度の本当のベンチャー企業から、難関企業であるベイカレントコンサルティングへの転職に成功している。
従って、今後は中途半端なオールド・エコノミーの業界下位企業(それでも大企業に分類される)に行くよりも、成長中のIT系ベンチャー企業に行った方が転職能力が高まる場合があると考えられる。
実際、この「年収チャンネル」の前回放送分では、IT系ネットベンチャー企業の人材は転職価値が高いと紹介されている。
<転職しやすいファースト・キャリア>
https://career21.jp/wp-admin/post.php?post=2267&action=edit
そして、上述したような「定量的な」実績と理由を上手くアピールできるようになれば、学歴関係なく、社会人キャリアにおいて逆転を図ることは十分可能であろう。