ベンチャーか大企業で迷う、MARCH、関関同立の就活生の考え方

1. 就活でベンチャーと大企業で迷った場合はどのように考えれば良いか?

MARCH、関関同立に入学できると、少なくとも大企業から内定をもらうことは十分可能であり、さらに、大企業の中でも人気企業・難関企業を狙うことも可能である。

もちろん、総合商社となると1社あたり、学年で内定者数人の世界になってしまうので、かなりの難関であることは間違いなく、相応の対策を立てることが求められる。

<MARCH、関関同立から総合商社の内定を取るための戦略>
https://career21.jp/2018-11-28-140154

他方、メガバンクとか大手生損保、大手証券あたりの金融機関の場合には、MARCH、関関同立からは多くの学生が内定を得ているため、大手金融機関については、完全な射程圏内にあると言えるだろう。
(もっとも、それが必ずしも望ましいキャリアとは限らないので、この点についてはいろいろと考えた方が良い。)

<MARCH、関関同立からメガバンクへの就職があまりお勧めできない理由>
https://career21.jp/2019-01-27-094101

MARCH、関関同立はマンモス校であり、また、就職においてほとんど全ての企業が選択肢となり得るので、どこにターゲットを置くのか絞るのが難しい場合もある。

まだまだ少数派だろうが、最近では、あえて大企業ではなく、最初からベンチャー企業を狙うケースも散見される。最初からベンチャーというのは前例も少なく、多くの場合、両親とかは反対するであろうから、大企業にすべきか、ベンチャー企業にすべきか悩みどころである。

2. 基本線は大手狙いで良い

最初に結論を言ってしまうと、ベンチャーか大企業で迷っている場合には、大企業を選択するのがセオリーであろう。その理由は以下の通り。

①大企業⇒ベンチャーは難しくなく、ベンチャー⇒大企業は難しい。

これは昔から言われている話であるが、現在でもあてはまる。
最初に大企業に入ってから、途中でやっぱりベンチャーに行きたいと思えば、ベンチャー企業へ転職することはそれほど難しくは無い。

他方、大企業への転職は、最初に、今在籍している会社の業界と会社名が決め手となるので、ベンチャー企業の場合だと、実力云々を吟味する前に、他の大企業の候補者より後回しにされてしまう。

大企業はコンサバであり、あえてベンチャー企業に入社した勇気を評価してくれない。
そもそもベンチャー企業でストックオプションで一財産築くなど、成功出来れば別だが、ベンチャー企業で上手く行かなかったから大企業に転職したがっていることは明らかであって、そういった場合には単なる「レジュメ(職務経歴書)が汚れた人」としか見てもらえない。

②仮に最終的にベンチャー界隈で働くことになっても、大企業での経験は無駄にならない。

これは、大企業からベンチャー起業をしたり、フリーランスとして独立して成功した人達がよく言うことであるが、大企業での経験はベンチャー企業においても有用である。

まず、大企業がクライアントになる場合には、その意思決定の仕事とか、組織の動かし方といった大企業特有の事情を知っておいた方が便利である。

また、大企業が競合先になる場合には、大企業の強みと弱みを熟している方が、ベンチャー起業における戦略策定や実行において優位である。

さらに、大企業の場合は、一般的に、教育・研修制度が整備されているので、最低限のスキルとか知識を習得しやすい状況にある。

③ベンチャー企業に行く方がリスクが高い。

これは、当然であるが大企業よりもベンチャー企業に行く方がリスクが高い。
ベンチャー企業で成功できるのは10社に1社も無いと言われているし、実施、VC(ベンチャーキャピタル)もそれを前提として分散投資をしているのである。
(ベンチャー企業の10社中9社が潰れたり、廃業したりするわけではないが、もっとも多いのがliving dead化することである。特に顕著な成長は期待できないが、細々と受託開発とかで生きながらえているパターンである。そんなところにいても、キャリア的に何のプラスにもならない。)

学生の時は、まだ十分に判断力が無いので、ベンチャー企業家とかの話を聞くと、いかにも成功できそうでやってみたいと感じることはあるのだろうが、確率論的に冷めた目で見ると、大抵は失敗するということを十分認識すべきだろう。

3. ベンチャー企業を視野に入れること自体は悪くない。

最終的には迷った場合には、大企業を選択するのが良いということであるが、就活というのはいろいろなタイプの企業を見て勉強できる良い機会である。
大企業だけではなく、ベンチャー企業をも視野に入れて研究することは以下の様な点において有用である。

①大企業の滑り止め、練習として

これはベンチャー企業に対しては失礼な話かも知れないが、重要な点ではある。
世間でよく言われることが、人気企業だけしか受けない就活生は全落ちするリスクがある。

というのは、面接で聞かれることは大体共通しているし、自己アピールとか頭の中ではわかっていても、実際上手くプレゼンできるとは限らない。このため、面接においてはある程度の場数を踏むことが重要であり、面接のタイミングも早い段階で可能なベンチャー企業で練習をしておくことは有用である。

また、当然ながら、人気の大手企業よりはベンチャー企業の方が内定をもらいやすい。
大学受験で併願するのと同じで、少数の本命企業のみを受ける場合には、プレッシャーが掛かりやすい。例えベンチャー企業でも内定を獲得していると、心理的な安心感を享受でき、本命企業の採用プロセスにおいてリラックスできる効果がある。

②新規事業に目を向けることができる

少子高齢化による国内市場の縮小化や、グローバルにおける日本企業のプレゼンスの低下によって、既存の大企業は、海外に出るとか、新規事業で稼ぐしか手が無くなってくる。

ところが、日本の大企業が新規事業を起ち上げることは苦手であるし、ベンチャー企業と共働するCVC(Corporate Venture Capital)も上手く行かない。

このため、新規事業を起ち上げることができる人材は将来的にかなりのValueとなるはずである。ベンチャー企業の場合は、とにかく全てが新規事業なので、そちらに視野を学生の段階から拡げておくことは将来有用であろう。

③将来の選択肢

人生100年時代の到来ということが強調され、しかも、終身雇用も廃止されてしまうと言われている。そうなると、22歳から70歳位まで働くことを考えなければならない。
従って、将来どこかのタイミングで、ベンチャー企業で働くことになるかも知れないし、自ら起業・独立をすることになるかも知れない。

従って、大企業⇒終身雇用一本という価値観だけでは持たない可能性が十分にあるので、早い段階からベンチャー企業での働き方を真剣に考えておくのは、長い人生において無駄にはならないであろう。

4. ベンチャーに向いている人

ベンチャー企業と大企業とで迷った場合には、大企業を選択するのが良いということであるが、ベンチャー企業に向いている人というのはどういった人であろうか?

MECEでは無いが、以下、ベンチャー企業中心にキャリアを形成したり、将来的に起業・独立が向いている人は以下の様なタイプであろう。

①インターネット(事業)に強い人

ベンチャー企業といっても全てがネット関連とは限らないが、小規模な予算で始められ、短期的に成功する可能性があるのはインターネット関連であろう。

その場合には、当然インターネットに詳しく、関心度が高い学生が向いているということになる。
今では、プログラミング・スクールが充実しているので、たとえ文系の学生であってもプログラミング・スキルを身に着けることは十分可能である。

また、学生であってもWebマーケテイングにフォーカスし、個人ブログを立ち上げてアフィリエイトで稼ぐということは可能である。

インターネット関連のベンチャー企業に就職を考えるのであれば、表面的な憧れだけでは不十分で、既に学生のうちに、プログラミングなりブログでの集客といった実績をある程度作っておきたいところだ。

②将来大きく稼ぎたいという野心のある人

ベンチャー企業のほとんどは失敗に終わるのであるが、「世の中を変えたい」「社会課題を解決したい」というありがちな綺麗ごとの動機で始める人で失敗する人は非常に多い。
特に、大企業に勤めていて、途中で企業を考える人にこの手の人が多い。

やはり、ESG的な体裁の良さにのみ拘っている様では、厳しい生存競争を勝ち抜けない。
将来大きく稼ぎたいというような欲求とか執着心が無いとなかなか上手くいかないだろう。

そもそも、年収1000万円位で満足できるのであれば、大企業で働く続けることの方がよほど簡単である。わざわざリスクを取って、ベンチャー企業にストック・オプションをもらって転職したり、自ら起業をするのであれば、年収数億円とか資産十億円以上を狙いたいという強い意欲が無いと長続きしない。

③英語・留学が苦手、グローバルには興味ない

これはネガティブな理由だが、外銀、外コン、総合商社、外資系企業、大手メーカーといったところは、英語が得意或いは留学経験者が圧倒的に有利である。
ということは、英語ができないとか、留学に興味が無いという学生は、人気企業・難関企業から内定をもらうのは難しいと考えられる。

それでも、他の人より、成功したいと考える場合にはベンチャー企業界隈を狙うことになってしまう。

ベンチャー企業の場合には、とにかく国内で勝負をすることになるので英語力は問われない。その代わり、プログラミングとかWebマーティング関連のスキルを磨く必要がある。

英語とかグローバルは嫌いだという学生は当然いるだろうから、その場合には、インターネット関連のスキルを磨くしかない。

最後に

あまりベンチャー企業のことを知らないにも関わらず、ベンチャー企業を最終的に選択するのはリスクが高い。

ベンチャー企業の実態を知るには、長期のアルバイトとかインターンをするのが一番効果的であるので、塾家庭教師とか飲食店のバイトではなく、パッションナビあたりから、ベンチャー企業でのバイトをやってみるのがお勧めである。

<パッションナビ>

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