ベンチャー企業CFO職を探すのはWantedlyよりも転職エージェントが良い?

1. 意外と見つけにくいベンチャーCFOのポジション

ポストIBD、或いは、総合商社の仕事のつまらなさに嫌気をさした若手社員など、
次の転職先として、業種を大規模に転換してベンチャーに活路を見出したいと考えるハイスペック・ビジネスマンは結構いそうだ。

ところが、いくらエリートだからと言って、ベンチャー企業で最も求人が多いCTOとかプログラミング系の仕事は、IBDとか商社マンには出来ないであろう。

また、IBDも商社もネットビジネスにおいて新規事業を起ち上げるというような仕事には、まず、関わらないだろうから、自ら起業をするとか、COO、事業開発系の仕事にいきなり就くのは荷が重い。

そこで、取っ付き易いのがベンチャーCFOポジションだろう。
実際、外銀IBD出身で、ベンチャーCFOに転身してストック・オプションによって大成功を収めた事例もある。

しかし、ベンチャーCFOのポジションは思ったよりも見つけるのが大変で、そう簡単には良いポジションには巡り合えない。

2. どうやってベンチャーCFOポジションを見つけるか?

①条件重視の人には、Wantedlyは合わない?

ベンチャー企業を探すのであれば、Wantedlyが思い浮かぶかも知れない。
Wantedlyでも検索ワードとしてCFOを入力して探してみることができるが、それだと、
なかなか効率的な検索ができない。

Wantedlyは、条件というよりも、経営者とか当該ベンチャー企業の理念、或いは同僚の考え方に共感した人を対象とするというイメージであり、外銀IBDとか総合商社のように条件も重視するハイスペックの人達には向いていないかも知れない。

「面白そうであれば、年収300万円でもOK!」という訳には行かない人でなければ、
年収1000万円とまでは言わないまでもそれに近い水準が無いと生活できないとか、
ストック・オプションがもらえないなら行く意味が無いと考えるような人達からすると、
条件の見えづらいWantedlyは探しにくいアプリである。

②転職エージェントを利用するベンチャー企業も多い

転職エージェント経由だと、フィーが発生するので、直接応募の方が良いという俗説があるが、それは正しいとは思えない。

もちろん、採用側企業からすると、転職エージェントへのフィーが浮かせることができるとそれに越したことはないが、重要なのは採用する人の質なのであって、転職エージェントへのフィーがおしい企業はろくなところではない。

メルカリだと、幹部社員については、エグゼクティブ・サーチ・ファームという最高級のリクルーティング・エージェントを活用しているので、本気で企業を成長させたいと考える経営者は転職エージェントも併用するはずである。

③転職エージェントのサイトから見つかるベンチャーCFOポジションの待遇例

リクルート、エン・ジャパンから独立系転職エージェントまで、ベンチャー企業の案件を取り扱っているところは結構ある。

例えば、金融のフロント部門に強い、アンテロープという転職エージェントのサイトで検索してみると、ベンチャーCFOのポジションとして、以下の様なものが見つかった。
(2019年10月8日時点)
https://www.antelope.co.jp/job_index/job_list.html?stuSmall%5B%5D=CFO%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%EF%BC%88S%EF%BC%89&src-start=%E3%81%93%E3%81%AE%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E3%81%A7%E6%A4%9C%E7%B4%A2&act=list_src

・ウェブサイト・アプリ多言語化サービスの企画・開発・運営
 ⇒800万円~1500万円+SO

・日本最大級のM6A仲介サイト
 ⇒800~1200万円

・インフラとしてのシェアリング・プラットフォームへの挑戦
 ⇒現職水準を考慮の上決定

・J-Start-up選出企業
 ⇒~1000万円+ストック・オプション

・総合人材サービス企業
 ⇒~2500万円+SO

・映像解析ソリューションカンパニー
 ⇒700~1200万円

・法人向けヘルスケアサービスの開発・提供
 ⇒500~700万円+SO付与の可能性

・新しいファイナンシャル・サービスを創造する金融ベンチャー
 ⇒別途ご案内いたします

「現職年収水準を考慮」とか「別途ご案内」というのは回りくどいが、転職エージェント経由であれば、このあたりについては、教えてもらえるので特に問題は無い。

また、Web上の条件でストック・オプションについて言及が無くても、要相談の場合もあるので、この点についても転職エージェントに確認することは可能である。

3. ベンチャー企業こそ、事前の十分な情報収集が重要な理由

非上場ベンチャー企業の場合は、とにかく情報が少ない。
雇用条件とかポジション情報についてだけではなく、そもそも、企業の財務状況とか、何をやっている会社すらよくわからない。

派手にハイスペックな人達を集めたり、メディアに露出しているベンチャー企業であっても、売上が全く立っていないようなところもある。

また、面接で登場する幹部社員は良さそうに見えても、実はふたを開けてみるとブラック企業というのもよくある話である。

もちろん、転職エージェントは自社の案件についてはポジショントークということで、自社が取り扱うポジションについてネガティブな情報は言わないことが多いのだろうが、複数の転職エージェントを利用していると、いろいろとより詳細な情報が浮かび上がってくることが多い。

何年かに1回はベンチャーブームというのがやってきて、国内系金融機関でそこそこ活躍しているのに、若気の至りでベンチャー企業に転職して失敗する事例を嫌というほど目にしてきた。
(そもそも、ベンチャー企業というのは9割位は失敗するものなので、当然なのだが…)

そうすると、ベンチャーでの失敗の歴史というのは、単なるレジュメの汚れとしか見てもらえないということに留意すべきである。

「安定した大企業なのに、よく勇気をもって挑戦した。失敗しても、当社はその勇気を評価したい!」なんて言ってくれる優良企業は無いので、そこは留意すべきだ。
就活のパンフレットには、「挑戦する人、失敗を恐れない人を求む!」と書いてあっても、それを鵜呑みにしてはいけない。

従って、転職エージェントとかVCとか監査法人とか、使える情報源はなるべく活用した上で、金融機関とか総合商社からのベンチャー企業転職は慎重に考えた方が良い。

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