東大、京大を卒業しても必ずしもお金持ちになれない理由と進学・就職について

1. お金持ちになることと学歴は無関係は本当か?

週刊プレジデントの2019.10.18号の特集は、「金持ち老後、ビンボー老後」というお金にまつわる話だ。

その中で、日本のお金持ちに関する分析記事があって、孫正義さんやZOZOの前澤友作さんを例に出し、お金持ちになるには必ずしも学歴は関係無いということに言及されていた。
(なお、ここでいう「お金持ち」とは年収1000万円とか資産数億円規模ではなく、年収数億円、資産数十億円以上の本当の「お金持ち」を指す。)

本当に、学歴とお金持ちになれる確率との間に相関関係があるのかどうかを厳密に証明するのは難しいだろうが、確かに、東大、京大を卒業しても「お金持ち」になりやすいとは限らないことは何となくうかがえる。

しかし、お金持ちになるには、頭の良さや勤勉さを備えた東大や京大出身者は有利なようにも思われる。

そこで、どういった理由から、東大や京大出身者が必ずしもお金持ちになることに直結しないのかについて考えてみる。
https://www.president.co.jp/pre/new/

2. 東大、京大を卒業することが、お金持ちになることに繋がらない理由

①中学・高校と受験勉強に専念しないと入学できない

東大、京大に入学するには、付属高校も推薦入学も無いので、受験勉強に専念し、難関突破するしかない。(ほんの僅か、推薦入学枠もあるが極めて例外的である。)

そうなると、中学・高校時代は勉強に専念することになるので、それ以外の世界を知ることが出来にくくなり、視野が狭くなってしまう可能性がある。

その点、早稲田や慶應の付属に行くと、留学をするとか、スポーツとか音楽活動をやってみる等、視野を広げる機会には恵まれている。

②周りにお金持ちが多くない

東大、早慶の親の平均年収については、東大>早慶ということが知られているものの、わずかの差である。

ここでポイントとなるのは、周りに本物のお金持ちのご子息がどれだけいるかということである。

ホリエモンもこの点についてはどこかで言及していたが、東大には本物のお金持ちの家庭の学生は多くなく、そういう家庭の学生は、早稲田や慶應(特に慶應)の付属上がりの中に固まっているという。

お金持ちの家庭とそうでない家庭とは住みわけがなされるので、お金持ちの人達と接しないことにはお金持ちの現状が掴めないし、それを目標にすることにもつながりにくい。

この点に関しては、幼稚舎からは無理にしても、中学とか高校あたりから慶應の付属に行った方が有利と言えるだろう。

③法学部の優秀層の進路が、官僚や弁護士である(あった?)こと

これは最近急速に変わりつつあるようだが、伝統的に東大法学部の優秀層の進路は、弁護士(法曹)と官僚であった。

官僚は薄給であるし、弁護士も昔は独立すると年収2000~3000万円位は稼げたが、大金持ちになれる程は稼げない(例外は渉外事務所のパートナー)。弁護士については、司法制度改革(法科大学院制度)によって、更にお金持ちからは遠い世界となった。

ところが、先輩や同期生が官僚や弁護士を目指すと、当然それらに引っ張られがちなので、結局、お金持ちにはつながらない官僚や弁護士に目が言ってしまう。

そうなると、東大法学部とお金持ちになることとがつながらなくなってしまう。

もっとも、最近では、東大法学部生の価値観も変わってきたようで、官僚や弁護士の人気は落ち気味であり、優秀層は外銀や外コンを目指すようになってきたようであり、将来この点は変容していくかも知れない。

④約8割が大学院に進学する工学部生の価値観はお金よりも研究?

東大の中でも最多数を占めるのが工学部生である。
その東大工学部生の約8割は大学院に進学している。
工学部の大学院に進学する目的は、研究活動であって、お金持ちになることではない。
そうなると、当然、東大工学部生のゴールはお金儲けを追求することでは無く、研究活動に専念することになりがちである。

仮に、研究活動よりもお金持ちになりたい東大工学部生がいてもおかしくないのだが、周りがみんな真面目に勉強して大学院を目指すのを見ていると、当然そちらに引っ張られることになってしまう。

もっとも、最近はAI、デジタル・トランスフォーメーションに対するビジネス界の需要が極めて旺盛であり、プログラミングに強い工学部生は十分稼げる機会に恵まれている。

このため、まだまだ少数派ではあるが、東大工学部生の中にも価値観の変化が見られ、研究活動よりもビジネス面での成功に関心を持つ学生もいるようだ。

<東大工学部の就職と年収について>
https://career21.jp/2018-11-20-124311

⑤東大生はB to Cが得意でない?

ネット系ビジネスで稼ぐには、B to Cに強いことも求められるが、東大生はこれが得意でないとも言われる。

別に、東大生がB to Cに特に弱いという訳では無いのだろうが、学力に比して、B to Cは強くならないということだろうか。

確かに、東大生にしても京大生にしても、受験勉強に専念しないと行けなかったため、テレビを見たりゲームをやったり漫画を読んだりファッションに拘ったりということは難しく、B to Cに関するセンスを高めるのはまた別の才能が求められるのかも知れない。

3. それではお金持ちを目指すなら、進学等についてどう考えればいいのか?

①そもそもお金持ちになるにはどういう職に就くべきか?

東大生や京大生の多数が目指す、官僚、弁護士、研究者、大企業のサラリーマンになってしまうと、お金持ちになることは難しい。
大企業のサラリーマンの場合、役員になっても年収2000~3000万円位であり、上場企業の社長になっても年収1億円に届かないところの方が多い。
しかも、年功序列の日本にあっては、役員になれるのは50歳を過ぎてからである。

それでは、いったい、何を目指せばいいのかということであるが、日本でお金持ちになれるのは以下のパターンであろう。

(1)中小企業のオーナー経営者
(2)開業医
(3)外資系企業の幹部
(4)その他(ミュージシャン、スポーツ選手、芸能人他)

もちろん、開業医と言っても普通の保険診療だと年収3000~5000万円位なので、その中でも上位に入る必要がある。

また、外資系企業の幹部と言っても、年収1億円位は可能でも、数十億円蓄財するのは極めて困難である。

そして、(4)のカテゴリーについては、なかなか狙ってなれるものではないが…。

②学力が高ければ、開業医か外資系企業を目指す

お金持ちになるための進路について考えると、もっとも手っ取り早いのが開業医を目指すことである。これは、医学部に入学できれば良いので、学力の高さだけで何とかなれそうである。

もちろん、みんなもこの点については知っているので、極めて多くの学力優秀者が医学部を目指すようになったので、ここで求められる学力レベルは非常に高くなってしまった。

文系の場合には、外資系企業、要するに、外銀、外コン、外資ITあたりへの就職を考えることが近道である。

そのためには、東大或いは慶應に進学するのが良いだろう。
もっとも、外銀、外コンについては、東大や慶應からでも内定を得るのは大変であり、大学入学できただけでは不十分であり、大学入学後も留学とか情報収集とか十分な対策を行わなければならない。

③企業のオーナー経営者になるため、独立・起業を目指す

おそらく、日本のお金持ちの最多数を占めているのは中小企業のオーナー社長であろう。
ところが、これを目指すには決まった勝ちパターンというのは存在しない。
医学部や外資系企業のコースのように、必ずしも学力や学歴によって成功に導かれるものではない。

したがって、できることとしては、大学で起業サークルに入ってみるとか、起業コンテスト的なものに挑戦する、或いは、ベンチャー企業でバイト(長期インターン)をやってみること位であろう。

<東大の起業サークルTNK>
https://career21.jp/2019-03-29-133045

ここで重要なのは、成功している経営者のイメージを掴んで、それを目標に邁進していくモチベーションを付けることであろうか。

いずれにせよ、今まで、東大や京大のような優秀層がこの途をほとんど目指さなかったのは問題なのかも知れない。

IPO以外のEXITとしてのM&Aが拡がりつつある現在、起業によって成功することもある程度現実的になったと言えるかも知れない。

お金持ちになりたい東大、京大生はこのキャリアについても念頭に置くべきであろう。

最後に

東大、京大に入学することが必ずしもお金持ちになれる早道とは限らない。
とはいえ、東大、京大に入学すればお金持ちになりにくいというわけではない。

そうであれば、中学生、高校生の段階では、従来通り、東大とか京大とか目指して勉強に専念するのが取りあえずの安全策だろうか?

もっとも、今後評価すべきなのは、付属の段階で早慶に入学して、そこから遊び惚けるのではなく、将来のキャリアに向けた準備活動をすることであろう。

例えば、高校の段階から公認会計士を目指して高校のうちに簿記1級あたりまで合格しておくとか、外銀・外コンを目指して、高校の間に(交換)留学にいって語学とグローバル・リーダーシップを磨くということである。

付属校の場合には、かなりの富裕層の子弟もいるだろうから、お金持ちについて知るいい機会ともなる。

また、経団連ルールの廃止によって、極限まで就活時期が早期化していくだろうから、高校生の間から自分のキャリアについて考え始める必要があるだろう。

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