「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」の視聴率が好調である理由を考えてみた

1. テレビ番組、「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」の視聴率が好調?

テレビ東京のテレビ番組で、「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」(通称「充電」)というバラエティ的な旅番組の視聴率が好調の様だ。

この番組は当初不定期に放映されていたが、視聴率的に好調であったために、2017年4月15日の放送からレギュラー番組化された。

出川哲郎さんの初めての冠番組で、ゴールデンタイムの放送ということで注目され、
視聴率は7~9%程度で安定的に推移し、調子がいい時には視聴率は二桁に乗せることもあるという。

2. 唐沢寿明、明石家さんま、小池都知事、SMAP中井君と、大物のゲストが続々と参加?

この「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」の特徴は、毎回、異なるゲストが登場する点である。旅番組なので、番組の撮影場所とゲストが毎回変わるところが、番組を飽きさせないポイントでもある。

当初は、そこそこ名前の売れたお笑い芸人系の人達がゲストとして登場していたのだが、視聴率が好調ということや、番組の目新しさ等から、大物ゲストが登場するようになった。

そのきっかけとなったのが、「白い巨塔」の名演で知られる、2018年2月の唐沢寿明さんの登場からであろう。お笑い芸人中心から、ゴールデンタイムのドラマで主演を務めるような大物役者がゲストとして参加することにより、「充電」の番組としてのプレゼンスが更に高まったようだ。

更に、話題になったのが、2018年7月の明石家さんまさんの出演だ。
これは、さんまさんの34年ぶりのテレビ東京出演ということでも注目を集めた。
さんまさんの登場回は、視聴率13%超えということで番組最高視聴率を記録することとなった。

そして、2018年の12月には、小池百合子東京都知事もゲストとして、実際バイクに乗って参加した。

2019年には、7月の放送回で、SMAPの中居君がゲストとして参加し、「充電」の番組としてのパワーはレギュラー放送化から2年半が経過しても健在の様である。

3. 「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」が高視聴率を取れる理由

①全国津々浦々を広くカバーすること、どぶ板営業の強み

この「充電」の特徴は、全国津々浦々を広くカバーすることである。
旅番組だけあって、首都圏とか関西圏の都市部ではなく、北海道から沖縄、或いは離島までを対象に番組が展開される。

経済的に疲弊化したり、過疎化している地方が脚光を浴びにくい状況下、一般的に、有名人は地方では歓迎されやすい。東京都心部とは違って、地方では有名人に出くわすことはほとんどない。

このため、有名人が地方に行くと都市部以上に歓待されることは多く、だからこそ、地方巡業を熱心に行う演歌歌手がビジネス的に長生き出来たり、メディアへの登場が減ったお笑い芸人も地方での営業活動によって高収入を稼ぎ続けることができるわけである。

演歌歌手とかお笑い芸人の地方での興行は、コンサートホールとかショッピングモール等のイベント会場での「点」での営業であるので、カバーできる範囲が限られる。

しかし、「充電」だとバイクで旅する番組なので、その地方の名所を中心に「線」でカバーするので、自ずとカバーできる面積は広くなり、演歌歌手やお笑い芸人の地方巡業と比較して、格段に広範なエリアで実質的に興行できるわけである。

そうなると、地方からの支持が集まり安くなる。

②当該地方の人達とのCGM的な効果

また、「充電」の特徴は旅番組なのであるが、観光客も含めて、当該地方の人達との絡みが多い。その地方の名所旧跡、食堂、旅館、民家を出川さんとゲストが訪問し、その地方の人と番組を一緒に創って行くという構成になっている。

このため、その地方の人からすると単にその地方を取り上げてくれるだけでなく、自らも番組参画するというCGM的な側面があるので、ますます番組の影響度とか好感度にポジティブに効いてくるように思われる。

そして、その場所にいる人達と気さくに写真撮影とか握手に、出川さんやゲストが対応するので、ますます好感度が上がることになる。

③地方の放送局の放映を通じた効果

「充電」の視聴率は、都市部よりも地方の方が高いという。
地方の放送局は、地元を取り上げた中央の番組は再放送したり、いろいろと使いまわしをしてくれるので、上記に加えて、地方局というメディアを通じて、ますます「充電」の地方でのプレゼンスは高まっていく。

リアルでの地方の訪問や触れ合いという点と、地方局での放映というメディアとがうまく重なって、更なる人気に繋がっているのであろう。

④地方の隅々までファンを作ることは、大物ゲスト達にとっても魅力?

真偽のほどは定かでないが、「充電」の出演料は安く、大物達にとっては金銭的な妙味は無いだろう。

ただ、大物ゲスト達がわざわざ「充電」に参加したがるというのは、視聴率が好調という点だけではなく、やはり、地方の人達に自分の好印象を浸透させることができるということがあるのではないだろうか?

大物のゲスト達は、自ら地方巡業をするという訳には行かないところ、この「充電」に出演することによって、地方にも効率的に自分の人気度を浸透させることができるのは魅力があるのであろう。

4. 今後の「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」の展開

「充電」は、既に北海道から沖縄まで、まんべんなく全国をカバーしているので、訪問地による目新しさは減っていくという不安がある。

とは言え、この番組の強みは「地方」にあると思われるので、粘り強く地方を攻めて行くのが良いのだろう。同じ地方と言っても、まだまだ観光地としては知られていないが「穴場」的な名所は沢山あると思われるので、そういったところを攻めてみるのも面白いかも知れない。

それから、首都圏とか近畿圏の郊外とかであれば、放送の対象となる地域もあるかも知れない。

また、昨秋には実施したが、年1回位は海外ロケというのもアリかも知れない。

まだまだ、切り口はあるかと思われるので、この個性的な番組に今後も期待したいところである。

  • ブックマーク