イトクロ(塾ナビ)への就活、転職、キャリアプランについて考える

1. イトクロとはどんな会社か?

①イトクロの概要

イトクロは2015年に東証マザーズに上場した、ネット系ベンチャー企業である。
メインビジネスは、「塾ナビ」という全国の塾に関する情報口コミのWebメディア運営である。イトクロの収益の大半をこの「塾ナビ」が稼ぎ出している。

決算は単独決算のみで、従業員数は百数十人程度の小規模な組織である。
https://www.jyukunavi.jp/

②イトクロの何が凄いのか?

何と言っても利益率が高い。売上高利益率は40%を超える。
当然、自己資本比率も約90%と高く、財務健全性も高い。
地味目な会社の様にも見えるが、プロの投資家からの評価も高く、株価時価総額は2019年9月4日現在で約380億円以上にも上る。

<イトクロのビジネスモデル>
https://career21.jp/2019-01-28-064513

2. イトクロに就職・転職することの魅力

①Webメディアの新設・運営ノウハウを習得できる

イトクロのメインビジネスは、塾に関する情報サイトである「塾ナビ」の運営である。
昔は、塾というと、個人経営の塾であっても、大手のFC加盟の塾であっても、折込チラシという紙媒体での集客がメインであった。ところが、新聞メディアの衰退とWebメディアの台頭によって、Webメディア経由での集客が主流になってきている。

そのような環境下、「塾ナビ」はシェアが90%を超える圧倒的ナンバー1のサイトであり、他のWebメディアの追随を許さない。

Webメディアの作成・運営ノウハウは、極めて広範な業界・企業から需要があり、Webコンサルタントとして独立していくことも可能なスキルである。

イトクロに入社をすれば、否が応でも看板サイトである「塾ナビ」の運営に関与することはできるであろうから、最強メディアの運営に関する実務を通じて競争力のあるメディア運営スキルを習得することが期待できるであろう。

②経営企画やM&Aにも関与できる可能性

イトクロの場合、「塾ナビ」がメインであるが、他にも「みんなの学校情報」とか「家庭教師比較ネット」といった教育関係のメディアを運営している。
今後も、継続的な企業の成長に向けて、サイトや企業のM&Aも積極的に手掛ける模様である。

Webコンサルタントとしてのスキルや視座を高めるためには、より上の仕事にも精通することが望ましい。そうすれば、より幅広い観点からクライアントに対するアドバイスが可能となるし、経営企画的な経験ができれば将来自らが独立する際にも大変貴重な経験となる。

③充実した教育・研修体制

金融やコンサルあたりを志望している就活生はあまりピンとこないかも知れないが、こちらのイトクロの新卒採用サイトを見るとわかるが、ネット系ベンチャー企業を志向する高学歴の学生の間でイトクロの人気は非常に高い。

早稲田や慶應、国立大学出身の社員がゴロゴロいる。
イトクロの場合は、例え未経験であってもゼロから教えてくれる教育・研修体制が充実しているし、また、ジョブ・ローテーションも積極的に行う会社である。
従って、成長できる機会に非常に恵まれている。

<イトクロの教育体制やキャリアパス>
https://recruit.itokuro.jp/fresh/

④イトクロへの入社を踏まえた長期的なキャリアプラン

イトクロでWebメディアの運営ノウハウを取得し、加えて、M&Aや経営企画に関する実務経験を得られると、ヤフー、楽天、サイバーエージェントといったより大手のネット系企業への管理職としての転職は十分狙えることになるだろう。

また、話題性の高いスタートアップ系のベンチャー企業に幹部として入社して、ストック・オプションで一攫千金を狙うという途も魅力がある。

他にも、自らフリーランスとして独立したり、或いは、ベンチャー企業を新たに起ち上げるというのも面白い。

いずれにしても、終身雇用という企業によりかかろうとする姿勢で、イトクロで働くのは勿体ないことである。成長意欲が高くて、上昇志向が強い者にとっては、いくらでも上を目指せるので十分魅力があると思われる。

3. イトクロに入社するには

①新卒で入社する

イトクロは新卒採用を実施しており、2020年3月卒業生については、10名程度を採用する予定である。

ネット系ベンチャー企業への関心度の高い、高学歴の就活生の間ではそれなりに知られた存在ではあるものの、外銀・外コン・総合商社と比較すると、それほど内定は難しい話ではない。

他方、かなり特定された範囲のビジネスを展開している会社なので、それなりの志望動機や企業研究は十分に求められるであろう。少なくとも、塾ナビについてはサイトの隅々まで読み込んで、「こうしたらもっと良くなるのではないか?」といった提言ができるようになっておきたいところだ。

高学歴、留学経験有り、体育会といったスペックがあっても、塾ナビを始めとしたサービスに関心が無いようでは、落とされても不思議ではない。

②中途採用で入社する

イトクロは当然、中途採用も積極的に展開している。
https://recruit.itokuro.jp/career/

この募集中の職種の中で、非エンジニアの場合には、メディアプロデューサーを目指したいところだ。このポジションについては、未経験者でも応募ができる。
従って、メガバンクとか生損保に入社したものの、リテール部門に配属され、「こんなはずじゃなかった」と後悔する者も、第二新卒として挑戦することも可能である。

もちろん、いきなりメディアプロデューサーは難しいと感じるのであれば、経営企画 M&A担当というコーポレート職を目指す手もある。
仕事に慣れてくると、将来的にはメディアプロデューサーへの異動を希望することもできるのが、ベンチャー企業の魅力でもある。

但し、当然年俸水準は大手金融機関と比べると大幅に劣ることとなる。
入社3年目で400~500万円、入社5年目で600万円、30代のマネージャーで年収800万円という水準であるので、目先のお金ではなく、将来のキャリア重視で考えられる者でないと厳しいと思われる。

最後に

Webメディアに関するキャリアを構築したい者にとっては、圧倒的ダントツサイトの塾ナビを運営するイトクロというのは大変興味のある転職先である。

新卒の場合の中途採用の場合も、メディア運営が未経験で行くのでは勿体ないので、予め個人の趣味的なサイトでも構わないので、1年以上継続しておきたいところだ。
具体的な好奇心や成長意欲があった方が、こういったネット系ベンチャー企業から得られるものは多いはずである。

  • ブックマーク