文系の就活生がマッキンゼーから内定をもらうのは不可能なのか?

1. 外銀に強い慶應でも文系にはマッキンゼーは無理なのか?

先日、2019/3卒業生対象の慶應義塾大学の就職状況について分析していたら、意外なことに外コン(戦略系)は想定していたよりも難しいことが判明した。

<2019/3卒業生対象の慶應義塾大学の就職状況について>
https://career21.jp/2019-08-20-125354

外コンは外銀と並んで就活における最難関であるが、ゴールドマン・サックスに11名を送り込んでいる慶應からでも文系(学部卒)からマッキンゼーに入るのは大変厳しいようだ。

2019/3卒業生の場合、慶應からマッキンゼーには6名就職している。
これは十分な人数のように見えるが、そのうち3名は院卒(理工学研究科2名、KBS1名)なので、学部生は3名(経済2、商1)しか就職していない。

もっとも、2019/3卒業生はまだマシな方で、2018/3卒業生及び2017/3卒業生については、慶應全体(院卒含む)で、いずれの年も2名以下であった(大学公式HPでは3名以上の就職先しか開示されていないので)。

そうすると、慶應でも文系の学生がマッキンゼーから内定をもらうのはほとんど不可能なように見えてしまう。

2. それではどこの大学の学生がマッキンゼーから内定をもらっているのか?

①東大の理系なのだろうけど、詳細は不明(上位20社以下)

マッキンゼーに限らず、外コン(戦略系)は理系の院卒を好むということは知られている。
当然、東大の理系の院卒がマッキンゼーの内定のほとんど全部持っていくのかと思われたが、2019/3卒業生対象の東大生の就職状況に関して東京大学新聞の情報を調べてみたが、修士課程卒業生は上位20社までしか開示されていないので、不明である。(少なくとも言えることは11名以下ということである。)

また、東大の学部卒業生については、2018/3卒業生については11名ものマッキンゼーへの就職者がいたが、2019/3卒業の学部生については、不明(20位以下。少なくとも6名以下)であった。

②他の有力大学からは、慶應と同様にマッキンゼーは厳しそうである。

それでは、他にマッキンゼーから採用されそうな大学ということで、京都大学を調べてみた。京都大学の場合は学部別に1名でも卒業生が就職した企業については全開示してくれているので、大変便利である。

ところが、京都大学の法学部、経済学部、工学部、工学研究科(修士)の情報を見た限り、マッキンゼーはゼロであった。(BCGはちらほら見られた。)

<京都大学の卒業生の就職状況:2019/3卒業生対象>
http://www.gssc.kyoto-u.ac.jp/career/wp-content/uploads/2018/09/shiori2019.pdf

一橋大学については、2019/3卒業生(学部生のみ)については、1名(法)のみであった。

残るは早稲田大学である。
早稲田大学部全学部(院卒含む)について詳細な開示をしているのだが、残念ながら大学全体で5名以上の就職先のみの開示であるので、マッキンゼーについては掲載されていなかった。ということは、少なくとも4名以下ということである。

なお、東京工業大学については大学の開示が大雑把でほとんど参考になる情報は採れなかった。

③結局、ほとんど東大、他若干名ということか?

以上を総合すると、東大院卒11名以下、東大学部卒6名以下、京大ゼロ?、
一橋1名、慶應院卒3名、慶應学部卒3名、早稲田院卒・学部卒含めて4名以下ということである。

マッキンゼーはかつては新卒は若干名しか採用しなかったが、最近では数十名採用することになったと言われるので、東大が院卒・学部卒(大半が理系?)合わせて10名前後、慶應が院卒・学部卒合わせて6名、それ以外の大学が10人前後で合計三十名というところか?

いずれにせよ言えることは、上記大学の就職者数を勘案すると、文系の学生からマッキンゼーから内定を取るのはほとんど不可能ということでは無いか?

(ちなみに、文系の男子学生にとっては更に厳しい話かも知れないが、学部卒の場合マッキンゼーは女子の方が有利と言われている。慶應学部卒からのマッキンゼー内定者3名のうち2名は女子であり、一橋の1名も女子である。)

3. それでは、文系の学生は最初からマッキンゼーは避けるのが賢明か?

①厳しい競争による力試し、本命のための練習という点で大いに意味はある

内定をもらえる可能性が極めてゼロに近くても、敢えてマッキンゼーに応募する意味はある。何故なら、トップ学生の人気は、外銀、外コン、総合商社に集中しているので、マッキンゼーに応募をすれば、トップ学生のレベル感を知ることができるし、インターンに採用されればそこでのトップ学生とのネットワークは大きな財産になるからだ。

このため、本命は金融や商社、或いは総合系コンサルにある場合でも、一番上のレベルでの戦いを経験するのは他の企業から内定を得る上でも有意義だと言えるだろう。

②とは言え、外コン(戦略系)には滑り止めという概念が無い…

とは言え、本命が金融や商社などであれば、ダメ元ということで余裕をもってマッキンゼーを受けることができるが、外コン(戦略系)が本命だと事情は異なるかも知れない。

というのは、外コン(戦略系)においては、日本ではマッキンゼーとBCGが双璧なのだろうが、BCGも難しい。また、ベイン、ATカーニー、ローランドベルガーあたりは採用枠が少ない分、全く楽ではない。事実、慶應からでも2019/3卒業生については、マッキンゼー以外の外コン(戦略系)については不明である(どこも2名以下)。

従って、文系の学生は外コン(戦略系)だったらどこでもいいと思ったところで、全落ちしてしまう確率が極めて高いのである。

現実的な落としどころとしては、アクセンチュア、アビームコンサルティングあたりの総合系ファームなら内定をもらえるであろうから、そこで頑張って、中途でMBBに挑戦するとか、MBAを取って再挑戦するという長めのシナリオを用意しておくのが精神衛生上得策であろう。

③金融が本命であれば、外コン(戦略系)で消耗し過ぎない方がいい?

金融が本命であれば、余裕をもってマッキンゼーに挑戦することは問題無いだろうが、下手に(?)インターンに行った挙句に落とされると消耗するし、外銀とか国内系証券会社専門職もかなりの狭き門であり、複数応募しないと内定ゼロになるリスクがある。

そうなってくると、本命でも無いマッキンゼーで消耗するのはあまり効率的では無いので、コンサルに行く気が明らかに無いのであれば、総合系ファームで練習してみた方が良い場合もある。

マッキンゼーに応募をしたから外銀から内定をもらえたという話はあまり聞いたことが無いので、無理をする必要は無いだろう。

最後に:そもそもほとんど勝算が無いマッキンゼーに拘ることが戦略的か?

残念ながら、どこの大学であろうと文系の学生(東大だけは若干異なるか?)がマッキンゼー(或いはMBB)から内定をもらえる可能性は、外銀と比べても遥かに低い。

それをわかっていながら、新卒段階でマッキンゼーに拘るのは戦略的に賢明と言えるだろうか?

MBBについては、新卒で外銀、商社、国内系金融専門職等に入社すれば中途採用のチャンスはあるし、MBAを取得すれば入社できる可能性は更に高まる。
したがって、新卒で入社することに拘るよりも、もう少し長い目でキャリアプランを考えるべきではないだろうか?

それと、これの方が重要なのかも知れないが、本当にMBBに行く必要があるのかを考えた方がいい。少なくとも、年収水準については、同じポジションであれば今でも外銀であればMBBの2~3倍位はもらえるだろう。或いは、ベンチャーCFOとか起業という選択肢も出てきている。さすがに文系の内定者数を見ると、マッキンゼーという名前に過度に憧れない方がいいだろう。

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