東京から関関同立への進学を考える場合のお勧めと留意点

1. 関関同立とは?

関関同立とは、関西にメインキャンパスが存在する、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の4校で構成される学校群をいう。

いずれもフルラインのマンモス校であり、関西においては名実ともにトップといえる総合私立大学の集合体である。

東京でいうと、MARCHと比較的類似した位置付けの学校群というとイメージし易いかも知れない。

<関関同立とは?武田塾の説明>
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2. 東京(首都圏)在住者が敢えて関関同立に進学する意味

関関同立というと関西では知らない者の無い学校群であるが、東京においては聞いたことがあっても、詳しい内容とかイメージとかまではよくわからない人が結構いるのではないだろうか?

ましてや、現在東京(首都圏)に在住でありながら、MARCH等ではなく、敢えて関関同立に進学したいという人は少数派ではないだろうか?

しかし、以下のような理由から、東京から敢えて関関同立に進学したいという人達がいてもおかしくないかも知れない。

①ずっと東京(首都圏)在住だったので、大学時代位は関西で過ごしてみたい

ずっと東京だから、将来も東京から離れたくないという考えもあれば、その反対もあるだろう。大学の4年間位は東京を離れてみたいという考えの人もいるだろうし、関西エリアに興味がある人も一定数いるだろう。

また、今は東京在住だけど、転勤で関西に住んだことがあるとか、両親、或いはお父さんかお母さんが関西出身の場合には、関西がいいというケースもあるかも知れない。

関関同立の場合は、就職については全国区なので、東京本社の会社に就職することは難しくない。関関同立の場合は、関西系の会社への就職者数が多いケースもあるが、それは学生が希望するだけであって、在京系企業から内定をもらいにくいということを意味しない。

関西に一生住むことになるかも知れないというわけではないので、こういった理由での判断はアリではないだろうか?

②MARCHと比べると若干偏差値的にお得である

関関同立の難易度、偏差値は、MARCHと同じ位とされているが、同じくらいの大学同士を比べて見ると、若干、関関同立の方がお得感がある。

例えば、パスナビ調べだと、関西学院経済学部の偏差値は60に対して、青山学院大学経済学部の偏差値は62.5~65.0位である。
また、関西大学商学部の偏差値は57.5~60位なのに対して、60~62.5位となっている。

偏差値でいうと2.5からせいぜい5.0位の差であるので、これだけの理由で、わざわざ東京から関関同立に進学しようということにはならないだろうが、上記①とか下記③の理由と合わせると魅力はあるだろう。

③関西においては、(私立)大学における相対的位置づけがMARCHよりも高い

関関同立は難易度・偏差値的においては、MARCHと大体同じ位という見方をされがちであるが、関西における相対的な位置づけはMARCHとは異なる。

何故かというと、関西には早慶に相当する私立大学は存在しない。また、上智、ICU、理科大に相当する大学も存在しない。

よって、関関同立というのは、関西においては私立大学としては最高位の学校群なのである。

もっとも、だからといって、関西では関関同立は早慶と同格に扱われるとまでは行かない。
何故なら、関西においては伝統的に、国立大学が幅を効かせているからだ。

関西では、京大・阪大・神大(或いは大阪市立大学も)がトップとされ、京阪神>関関同立という位置づけがあって、実際、京阪神に落ちて関関同立というケースが少なくないからだ。

とは言え、私立大学では関西でトップだし、知名度も極めて高いので、東京でMARCHというよりは気持ち、上に扱ってもらえるということは言えるだろう。

3. 関関同立と京阪神

関関同立について学校選びを始める前に、東京在住者は意識しておくべきことがある。
それは、大学の立地だ。

ずっと東京の人からすると、関関同立というと4校ともに大阪周辺に存在しているように考えている人も多いようだが、実は立地は以下の通り全然異なるのだ。

MARCHの場合、メインキャンパスは東京都心部に集中しているので(除く中央)、一都三県に在住していると、大体どこでも通学は可能である。

ところが、関関同立の場合は、京都府、大阪府、兵庫県に分散しているし、それぞれ京都駅や大阪駅のすぐ近くにキャンパスはない。京都の人が関学には通学できないし、兵庫県の人が同志社や立命館に通学することはできないのだ。(中には無理して、遠距離通学をしている人もいるが…)

従って、MARCHの場合だと学校選択の軸は、①偏差値・難易度と②イメージ・校風の2軸であるが、関関同立の場合だと、更に③立地という軸が判断軸に加わるのである。

①京都が好きな場合…同志社か立命館

京都が好きな場合には、同志社か立命館を選択することになる。
同志社は京都御所の真ん前にキャンパスがあるので、立地としては利便性も高く最高である。他方、立命館はメインキャンパスが京都市内であるが若干郊外にある。

大阪とか神戸のイメージに期待する人は、同志社や立命館を選択すべきでないが、反対に京都が大好きな人は、大変楽しい4年間を過ごせそうだ。

②大阪が好きな場合…関西大学

関西大学は阪急梅田駅から電車で20分位の、吹田市(すいたし)という郊外にある。
ここは大阪の北部に位置する、品の良い住宅地である。
首都圏で例えると、たまプラーザ、新百合ヶ丘、千歳烏山あたりであろうか。
大阪も、東京の東と西のような山の手と下町のようなイメージがあって、大阪の北部は東京でいう西の、大阪の南部は東京でいう東のイメージがある。

関西大学のキャンパスは北部にあるので学習するには良い環境であるが、テレビで出て来る道頓堀(ミナミ)のような雰囲気に憧れていると、それとは異なるイメージということになる。

よく言うと大阪の品のいい住宅地なのだが、いかにも大阪という雰囲気を期待すると少し異なるのではないかと思われる。

③神戸が好きな場合…関西学院大学

関西学院大学のメインキャンパスは兵庫県西宮市にある。
大阪の梅田からでも神戸の三宮からでも、電車で20分、最寄り駅から徒歩10分位である。

住所は西宮市であるが、イメージ的には神戸と同様で、関西エリアでは最も上の住宅地なので環境は極めて良好である。東京で例えるとするならば、二子玉川、代々木上原、成城学園的なイメージであろうか。単なるベッドタウンではなく、ところどころにおしゃれなカフェとかレストランがあり、近辺に巨大なショッピングモールがある立地なので、遊ぶところも多く利便性も高い。

以上のように、関関同立の場合には、メインキャンパスの立地が、京都、大阪、兵庫と全然異なるので、先ず立地についてよく考えた方がいい。

4. 関関同立のイメージ・雰囲気について

大学にはそれぞれ、校風、スクールカラー、イメージのようなものがある。
もちろん、大学にはいろいろなタイプの人はいるし、悪く言うと偏見と言われるかも知れないが、大学ごとのイメージ・雰囲気という点において共通認識のようなものがある。

MARCHでもそうであるが、関関同立の場合にも、偏差値・難易度に加えて、自分の求めるイメージ・雰囲気にあった学校選択をした方が良いだろう。

①同志社大学

新島襄の設立したキリスト教系の学校である。
歴史が古く、キャンパスは歴史的に古くておしゃれな建造物が沢山残っている。
学生のイメージとしては、真面目だけで決してダサくはなく、どちらかというおしゃれなイメージ。東京でいうと、慶應に近いイメージかも知れない。

学部については、文系がメインであり、経済学部が看板学部であったが、近年では国際系学部が人気で難易度もかなり高くなっている。

②立命館大学

ここはメインキャンパスの立地は京都市だが、大阪や滋賀にもキャンパスを有し、また、国際性を重視するなど、関関同立の中では最も手広くいろいろとやっている。

元々は法学部がメインで始まったのだが、最近では理工系学部の規模が拡大し、関関同立の中では最も理系が強いというイメージがある。

理系の存在感が高いということもあるのかも知れないが、個性を尊重する雰囲気で、変わった人、個性的な人が多いというイメージがある。

③関西大学

元々は法学部がメインで、昔は司法試験にも力をいれていて、関関同立の中の「中央大学」的なイメージはあったが、法科大学院制度が出来てからは、法学部の関西大学というイメージは薄れていったかも知れない。

イメージとしては、庶民派、気取らないというところがあり、MARCHでいうと、明治・法政のようなバンカラなイメージがあるかも知れない。

④関西学院大学

こちらもキリスト教系の大学。立地も、キャンパス自体もおしゃれで、偏見かも知れないが関関同立の中では最も美男美女が集まるイメージ。
MARCHでいうと、青山学院か?

指定校推薦の割合が比較的高く、関関同立の中では、最もお嬢さんお坊ちゃんが集まりそうなイメージである。

5. 東京から関関同立への進学を考えるにあたっての留意点

①就職をどう考えるか?

関関同立は、就職については全国区になっているので、在京系の企業に就職することは難しくない。従って、卒業後は東京に戻りたいという人の場合でも選択は可能であろう。

もっとも留意しなければならないのは、立地が関西にあるため、東京でしか採用活動をやってくれない企業の場合には、就活が大変ということである。

また、就活における情報量ということを考えると、MARCHの方が優位なところはある。

さらに、ベンチャー起業となると、ベンチャー企業とかVCといったものはほとんど全てが東京という状況にあるので、この分野に興味が強い学生はあまりお勧めでないかも知れない。

②受験対策がバラバラ

これはMARCHも同様であるが、関関同立という一括りにされていても、受験対策は各校ずつ対策をやらざるを得ない。

従って、関関同立どこでもいいという考え方はあまり合理的ではなく、志望校を絞って、それぞれに適した対応策を取る必要がある。

③自宅から通える大学よりもコストはかかる

関関同立の授業料は、MARCHのそれと大きく水準が異なるわけではない。
しかし、東京(首都圏)からだと、当然下宿生活ということになるので、家賃・光熱費等、コストが余計にかかることになる。

最後に:オープンキャンパスに行ってみよう

百聞は一見に如かずということで、関関同立への進学に興味がある人は、実際にキャンパスを訪問してみるに限る。4校は立地がバラバラなので、まとめて見るのは大変であるので、興味があるところから絞ってみてみればいい。

あるいは、京都、大阪、神戸というのは東京の人からすると、メジャーでアクセスが便利な観光地でもあるので、旅行の際に訪問してみるというのもいい。

実際に訪問してみると、イメージも変わるかも知れない。

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