東京の受験生は必見?総合商社に強い神戸大学(経済/経営)の就職力

1. まずは、総合商社のうち特に難易度が高い5大商社の就職者数を見てみよう

神戸大学というと、関西においては大変人気が高い大学であるが、旧帝国大学ではないということから、東京ではかなりマイナーな存在である。

東京の受験生の間では、国立でいうと、「筑波、横浜国立、千葉と同じランク?」という位のイメージしかないかも知れない。

しかし、就職については旧神戸商大の流れを汲んでおり、実は昔から良好なのである。
(特に、看板学部の経済学部と経営学部)

その証拠として、国内系企業で文句なしに最難関の総合商社(特に大手5社)の就職者数を見て見ればおわかりだろう。

<総合商社大手5社への各校からの就職者数>

神戸 東大 京大 一橋 筑波 明治 同志社
三菱商事 3 19 6 7 2 1 1
三井物産 2 13 8 8 1 2 3
住友商事 12 21 10 10 1 3 6
伊藤忠 5 12 8 7 1 3 2
丸紅 9 8 5 6 0 2 1
合計 31 73 37 38 5 11 13

<出所:AERA2019.8.5号。AERA編集部が、大学通信、大学公式HP、東京大学新聞、京都大学新聞等を基に独自に集計>

2. ライバル校との比較

①首都圏で同格?とされる筑波には圧勝

東京の塾・予備校で、「神戸大学」というと、「筑波、横国、千葉」と同じグループとして見られるかもしれないが、総合商社大手5社の就職者数を見ると、神戸大学の圧勝である。

もっとも、この点については、筑波は理系が中心で、神戸大学は経済学部や経営学部が中心であるので、単純に比較はできないとの意見もあるだろう。

神戸大学の場合、総合商社には経済学部と経営学部が大多数なので、少なくとも文系という限定を付ければ、同クラスとされる首都圏の国立大学には圧勝と言えるのではないだろうか?

②MARCHにも圧勝

東京への一極集中の進展に伴い、受験においても東京の大学のプレゼンスが高まりがちである。そして、近年の定員厳格化や一般入試枠の減少に伴い、MARCHの難化が著しい。

その中でも、明治はMARCHの筆頭格であり、おそらく多くの生徒は、明治>神戸と思っているのではないだろうか?

しかし、この5大商社への就職者数を見ると、驚きかも知れない。
学生数でいうと、神戸大学は明治の1/3以下位だろうし、どちらも文系がメインであることを考えると、5大商社への就職者数合計は、31と11で3倍近い差があるのだ。

さらに、明治の場合にはこれに一般職が含まれている可能性が高いことを考えると、この数値以上の差があるかも知れない。

③同志社にも圧勝

首都圏の人にとってはどうでもいい話かも知れないが、関西では一般的に国立が優位であり、神戸>関関同立という図式が長年ある。

これは今でも崩れていないのだろうが、私大の難化の傾向の中、関関同立の中でも特に同志社の偏差値・難易度が高まり、少数ではあるが、同志社>神戸という意見もある。

しかし、短期的な偏差値の上昇によって、就職力を逆転できるわけではなく、5大商社の就職者数を見ると、一目瞭然である。

さらに、同志社の方が学生数も多いし、一般職も相当程度含まれていることを考慮すると、実際の差はこの数値以上にあるとも思料される。

④東大、京大、一橋との比較

結局、5大商社への就職者数という切り口で見ると、東大には及ばないものの、京都大学や一橋大学と特にそん色は無いことがうかがえるであろう。

3. 総合商社以外の神戸大学の就職状況について

①大手金融機関にも強い

<大手金融機関への就職者数の比較>

神戸 東大 京大 一橋
東京海上日動 13 23 13 16
日本生命 15 16 12 13
野村證券 7 17 13 7
三菱UFJ銀行 13 18 16 16
三井住友銀行 31 31 33 17
合計 79 105 87 69

<出所:AERA2019.8.5号。AERA編集部が、大学通信、大学公式HP、東京大学新聞、京都大学新聞等を基に独自に集計>

神戸大学は総合商社への就職が、東大には若干劣るが、京大・一橋並みであることは確認できた。

しかし、「総合商社だけではないか?」という疑問が沸くかも知れない。
そこで、大手金融機関のいずれも各セクターの上位の企業について、調べてみたところ、上記の結果となった。

東大には劣るが、京大・一橋とは同格、いや、一橋より若干上かも知れない。

もっとも、これにはツッコミどころがあって、大手金融機関の場合は、トップ学生がこだわるのはコース別採用への内定であるので、単に総合職の人数比較だけではわからないところがある。

ただ、文系の就職力のバロメーターは商社と金融なので、ある程度これらのデータから神戸大学の就職力がうかがえるのではないだろうか。

②神戸大学の課題

もちろん、神戸大学にも課題はある。
それは、立地が関西ということに起因するのだが、ネットIT等の新しいところが弱いということが言えるだろう。

従って、例えば、楽天、サイバーエージェント、ヤフーといったところはそれほど多くない。
また、ベンチャー起業路線の学生も多くはない。

但し、これはそういう新しい会社に落とされる訳ではなく、志望者が少ないだけであって、応募をすれば採用される可能性は十分ある。もちろん、立地が関西にあるので、これは、京大や大阪大学の学生と共通であるが、東京への就活は結構な負担となる。

4. 神戸大学に入学するための課題は?

①国立なので数学をやらなければならない

当然であるが、神戸大学は国立なので、数学とか理科をやらないといけないので、面倒臭い。そして、比較的センター重視(得点率は82~83%)で万遍なく勉強しなければならない。
https://passnavi.evidus.com/search_univ/0620/difficulty.html

もっとも、二次試験の数学も英語も比較的オーソドックスなので、真面目に勉強すれば努力は報われやすい。

首都圏の国立を志望している受験生は、あと一頑張りして、神戸に志望校を切り替えるというのはありだろう。或いは、東大・一橋を目指していたが、ちょっと厳しいという場合には、格好のターゲット校となる。

また、総合商社等、いいところに就職したい意向が強い受験生は、数学を捨てずに、MARCHではなく、神戸大学を目指すというのも考えられるだろう。

②首都圏からは通えないので、コストがかかる

実は首都圏の学生にとっての課題はこれかれも知れない。
授業料は、神戸大学は国立なので格安だが、実家を離れて生活するとなると、生活費がかなりかかることとなる。

このため、首都圏の人からすると、MARCHの方がトータルコストは低くて済むのである。

最後に

大学は偏差値という尺度があるので、ある程度比較しやすいが、就職となると一義的な評価方法が存在しないので、就職力の比較は難しい。

偏差値と就職力が比例すると考えている学生もいるかも知れないが、結構な乖離がある。

新卒での就職というのは、最初の就職先(ファーストキャリア)が後々に影響するから極めて重要である。

受験生の間は、なかなかそこまで調べる余裕がないのかも知れないが、大学の就職内容というのもじっくり吟味した上で志望校を決めたいところだ。