経済学部の場合、滋賀大学、同志社、立命館のどこを選択すべきか?

1. 判断軸が多く、意外に難しい大学の選択

学歴厨的なネタかも知れないが、たまたまトマホークという学生ユーチューバーの動画を見て考えてしまった。

トマホークという人は、滋賀大学経済学部の学生ユーチューバーで、神戸大学の模試で6位という好成績を取りながら、神戸大学には不合格となり、後期で滋賀大学の経済学部に入学した方である。

彼は、同志社と関西大学は併願するも不合格となり、立命館大学と近畿大学には合格したが、滋賀大学経済学部に進学することとした。
https://www.youtube.com/watch?v=n5tJ0YYZzZY

そこで、経済学部の場合、滋賀大学、同志社、立命館のうち、あなたならどこを選択しますかというのが論点となる。

トマホークさんの場合、同志社大学は不合格だったので選択肢にはなり得なかったのだが、滋賀大学>立命館という選択をしたのだ。

2. 大学選びの選択基準

大学選びのための選択基準としては、MECEではないが、以下のものが通常考えられるであろう。

(1)偏差値・難易度
(2)ネームヴァリュー・スクールカラー・イメージ
(3)就職
(4)学費
(5)通学のし易さ(自宅から通えるか否か等)

これだけでも大学選びの判断軸は結構あるのだが、各選択基準を見ても、実はそれぞれ主観的な要素が多い点が、ますます大学選択において個人差が出てしまう。

例えば、(1)の偏差値・難易度というのは客観的に見えるが、予備校によって若干異なる場合がある。また、最大に厄介なのが、私立と国立のテーブルが異なるので、単純比較をすることが難しいからだ。

(2)のネームヴァリュー等も難しい。早稲田と慶応の比較においてもあてはまるが、泥臭い雰囲気を好む人もいれば、スマートな雰囲気を好む人もいる。男性と女性とでも好みは分かれるかも知れない。

(3)の就職力についても難しい。卒業生の人数、総合職と一般職とかいろいろな要素が混じっているので、単純に学校間比較をするわけにも行かない。

(4)の学費がもっとも明確だ。入学金を除く、年間の授業料は同志社と立命館は2020年5月時点において約100万円強である。これに対して、国立大学である滋賀大学の年間授業料は約50万円強である。その差は50万円程度なので特別大きな差とは言えないかも知れない。しかし、50万円が大きいか小さいかは家庭の経済力にもよるので、このファクターは家庭によっても異なるだろう。

<同志社大学の授業料>

https://www.doshisha.ac.jp/admissions_undergrad/info/procedure/payment.html

<立命館大学の授業料>

https://ritsnet.ritsumei.jp/fee/cost.html

<滋賀大学の授業料>

https://www.shiga-u.ac.jp/admission/admission_fee/adm_fee_fee-2-2/

(5)の自宅からの距離というのはかなり重要なファクターだ。自宅から通えるか、通えないかによって仕送りの問題が生じるため、(4)の学費以上の経済的な負担に繋がる可能性がある。また、経済的な問題は無い場合でも、自宅から通うのと一人暮らしをするのとでは、ライフスタイルが大きく変わってしまう。

このように、大学を選択するにあたっての選択基準は多く、しかもその人の事情によって選択基準も一義的に決まらないので、大学の選択は人によって結論が異なっても仕方が無いのである。

3. 経済学部の場合、滋賀大学、同志社、立命館のどこを選ぶか?

上述の通り、選択基準は人によって異なるので、ある程度前提を置かないと比較しにくい。そこで、①京都在住の場合(同志社と立命館は通学可能、滋賀は通学不可能)、②滋賀在住の場合(滋賀は通学可能、同志社と立命館は通学不可能)と場合分けすることとする。

滋賀大学は彦根といって、大津とは異なり、京都駅まで電車で片道1時間位はかかるので、同志社・立命館と滋賀大学をいずれも自宅から通えるというケースは想定し難いので、この切り分け方で問題無いだろう。

<滋賀大学経済学部の彦根キャンパスの交通アクセス>

https://www.shiga-u.ac.jp/information/info_campus-access/info_campus-access_area-time/

①京都在住の場合

(4)(5)の経済的なファクターを考慮して、
同志社>立命館>滋賀となるだろう。

(4)の授業料は滋賀が有利だが、その差の年間50万円は、自宅から通えないと仕送り代でそれ以上掛かってしまうと考えた。

また、(2)の大学のイメージ、評価については、京都からすると滋賀県は格下に見がちなので、地元の同志社や立命館の方が評判が良いと考えた。
また、本人自身も田舎の滋賀大学よりも、京都での生活の方を通常は好むであろう。

(1)偏差値的には議論が分かれるだろうが、同志社>滋賀という点については否定できないのではないだろうか?国立>私立という考え方は関西では根強いものの、流石に現在では偏差値や難易度に対する評価に関して同志社の難しさが浸透してきているだろう。このため、少なくとも、滋賀大学が同志社より難易度が高いという評価にはならないだろう。

滋賀大学と立命館については議論があるところであろう。滋賀≒立命館ということで、他のファクターで選別すれば良いだろう。

(2)の就職については、卒業生の数というファクターを考慮すると、就職力については、若干滋賀大学が優位では無いだろうか?
あの規模の人数で、東大とか一橋でもゴロゴロ落ちる、ゴールドマン・サックスとか三菱商事に内定しているのであるから、就職力の高さは驚くべきものがある。

<滋賀大学の就職力について>
https://career21.jp/2019-01-22-064409

以上を総合すると、経済性や地元の評判、ライフスタイル(京都>滋賀)、偏差値の観点から、同志社>立命館>滋賀となるのではないだろうか?

確かに、就職だと滋賀が若干良いだろうが、そこまで決定的な差ではなく、後は個人の頑張り次第と言える範囲であろう。

②滋賀在住の場合

これは①よりも微妙である。
経済的な理由を全く考慮する必要が無ければ、同志社>滋賀>立命館となるだろう。
他方、経済的な理由を気にするのであれば、滋賀>同志社>立命館であろう。

経済的な事情や地元の評判(必ずしも京都>滋賀にはならない)等を考慮すると、就職力の差で、滋賀>立命館でいいのではないだろうか。

問題は、同志社に勝てるかということであるが、偏差値とかイメージの差は大きく、就職力についても、若干、同志社>立命館であろう。そうなると、居住地が滋賀になるとは言え、総合的に滋賀が同志社を上回るのは難しいかも知れない。

最後に

まあ、このあたりは人によって結論が異なっても仕方が無い。
それよりも重要なことは、最後にどこに就職するかだ。

同じ大学であっても、就職先では大きな違いが出る場合がある。
従って、もう入学してしまったら、他校との序列は気にすることなく、いい企業に就職できるよう頑張る方が重要なのである。

なお、2020年5月時点において、コロナウイルスの問題が世界中の経済活動に影響を与えており、しばらくの間、景気が低迷すると予想される。このため、授業料の相対的な安さという点から、国立大学である滋賀大学に若干有利に働く可能性はあるかも知れない。

 

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