テンセントがクラウドで日本参入。BATが憧れの就職先になる日は近いか?

1. テンセントがクラウドサービス事業で日本市場に参入

中国ネット大手企業のテンセントは、クラウドサービス事業で日本市場に参入した。
テンセントはゲームを得意とする企業であり、ゲームや動画配信サービスに注力し、1年以内に100社の顧客をめざしているという。

なお、日本のクラウド市場は、既にアマゾン・ドット・コムとかマイクロソフトが参入しており、米国勢がシェアの半分以上を握っている。

米国が席巻している市場において、中国のネット企業の巨人が参入するという図式が、今後のネットビジネスを象徴しているようで大変興味深い。

2. GAFAとBAT

AIとかITを取り扱う企業というのは誰もが注目し、その中でもグローバルのトッププレイヤーであるGAFAというのは憧れの就職先として既に注目されている。

ところが、中国の3大ネット企業である、BAT(バイドゥ、アリババ、テンセントの頭文字を取ったもの。)については、まだまだ就職・転職先企業としてはそれほど人気が高い訳ではない。

しかし、米国系のGAFAと中国系のBATは、母国の経済成長率が異なるし、優秀な人材の注目度は遥かにGAFAが上なので、早い段階でBATに転職すれば、将来大化けする可能性はある。

3. BATの魅力とは?

①中国の成長率の高さ

最近では米中貿易戦争の影響もあって、目先の中国のGDP成長率は6%台に鈍化してきている。しかし、成熟国の米国と比べると、遥かに高い成長率である。

そもそも、中国が経済規模において日本を追い抜いたとは言え、中国の人口は14億人近い。日本の10倍以上である。したがって、1人当たりのGDPで見ると、中国は日本の1/10以下であり、一人当たりのGDPが日本の1/3にはなるとすると、中国のGDPは現状の3倍になることが見込まれる。

従って、母国の経済基盤に焦点をあてて考えてみると、BATの潜在的な成長力は極めて大きいと考えられる。

②ネットビジネスにおけるローカルプレイヤーの強さ

BATについては、母国が中国という閉じられた特殊な市場だから成長しているだけで、個々の技術を見ると、GAFAのような競争力は無いという意見もある。

確かにそうかも知れないが、ネットビジネスの場合、言語、規制、文科といった参入障壁が大きいために、ローカルプレイヤーが強いという特徴がある。

それは日本市場を見ても明らかで、確かにGAFAも強いが、ヤフー、楽天、LINEといった日本ローカルのプレイヤーが強いことが確認できる。

BATの場合は特にそうで、中国経済の成長を丸ごと享受できる地位にある。
既に、アリババとテンセントは世界企業の時価総額ランキングのトップ10に入っており、将来どれくらい大きくなるのか予想もつかない。

そう考えると、ストックオプションについて見ても、まだまだ妙味があると考えられる。

③中国語、中国ビジネスに精通した者が圧倒的に少ない

これはBAT自体の魅力ではなく、BATに就職・転職することの魅力である。
それは何といっても、ライバルが少ないことだ。日本人で英語を話せる者は少なくないが、中国語となると極端に少なくなるだろう。

言語に加えて、中国でのビジネス経験ともなると、ごく少数の者しかいないのではないだろうか。

それだけライバルが少ないと、GAFAなどと比べて、良いポジションに就ける可能性が高いということだ。

4. BATに就職・転職するための課題

①中国語をマスターすること

何と言っても、最初の課題は中国語だ。日本人からすると、英語をそれなりにマスターするだけでも大変なのに、更に中国語となるとハードルは高い。

もっとも、2か国語できる人が3つ目の言語に挑戦すると、効率的にマスター出来るとも聞く。

従って、英語ができる日本人は中国語にも挑戦する価値はありそうだ。

では、どうやって学習するかということであるが、帰国子女とかでもともと英語ができれば、大学から学習すれば良いだろう。

そうでない場合には、中国に関心度の高い企業に就職して、中国での駐在員を目指すというのが一番堅いやり方だ。

商社だと、伊藤忠あたりが狙い目となるだろう。

②中国系企業のポジションがまだまだ少ないこと

テンセントもようやく日本市場に参入を始めるという段階である。
欧米系の企業と比べて、まだまだ中国系の企業における日本でのジョブオポチュニティは少ない。

そういった中国系企業の優良なポジションを待っていても埒があかないので、中国系以外の企業に勤めていてチャンスを伺うことになる。それまで我慢できるかが課題となる。

そう考えると、中国勤務が可能な日本の企業に就職するというのが、やはり堅いやり方なのだろうか。

いずれにしても、余力のある優秀な学生は、今後中国語を磨いておけば、将来大成功できる可能性があるのではないだろうか?

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