AI投資12兆円。ソフトバンクG、2号ファンドと就活におけるヒント

1. ソフトバンクGは「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の2号ファンドを設ける方針

本日、2019年7月26日の日経新聞朝刊の1面記事である。
ソフトバンクグループは、早くも「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の2号ファンドを設定する方針を固めたようだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47799260V20C19A7MM8000/

アップルなど十数社から出資を取り付け、何と運用規模は1080億ドル(約12兆円)にもなる。ソフトバンクG自身も、最大出資者として380億ドル(約4兆円)を出資する見通しだという。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドというと、2017年に1号ファンドを設立したばかりであるが、約80社に出資して2年間で既に出資枠のほとんどを使い切ったため、投資枠を拡げるために今回の2号ファンドの組成に至ったという。

相変わらず、桁違いのスケールの大きさだ。

2. ソフトバンクGの2号ファンドと就活における考え方

これだけ大きな話なので、就活における業界・企業選びにおいて何らかのヒントがあるはずだ。

1番単純なのは、ソフトバンクGに入社して、自分も2号ファンドに携わりたいというものだ。実際、そういった学生も増えるだろう。課題は、当該部門に就けるかどうかということなので、ハイスペックで自信のある就活生は話を聞きに行ってもいいのではないだろうか?採用におけるそのあたりのフレキシビリティはソフトバンクGにはあるだろう。

もっとも、もう少しこのニュースから視野を拡げて考えてみたい。
そうすると、最初に言えることは、やはりAIというのは凄いということである。
2017年に1号ファンドが出来たばかりなのに、早くも巨額の2号ファンドの設置に至るということは、1号ファンドが成功しているからである。
同日付の日経新聞によると、第1号ファンドに出資する投資家の利回り(内部収益率)は45%と、世界のVCの平均とされる10%を遥かに上回っているという。

そして、お声がけしている投資家は、アップル、マイクロソフト、ゴールドマン・サックスなど世界のトッププレイヤーである。もっとも成功していてもっともうるさい企業が賛同するということは、やはりAIの将来性の高さであろう。

そうすると、「AI関連」の企業・職種に就くというのが、一つの狙いである。

第2の視点としては、テクノロジーに強いVC(Venture Capital)への就職である。
なお、PEとは異なる。PEはキャッシュフローの安定した企業に投資をし、ある程度の経営関与は行うものの、財務的なスキルを中心にキャピタルゲインを得ることを企図したビジネスであって、テクノロジー企業には強くない。

ここでのVCで求められるスキルは、ファンドの組成、ストラクチャー、資金調達といったいわば事務的なノウハウではなく、テクノロジー企業に対する目利きと、そういった企業に対する経営管理やヴァリューアップのノウハウである。

したがって、単純に既存の大手VCであるジャフコ、大和企業投資、ニッセイ・キャピタルといった企業は少し対象とは異なるかも知れない。

3. それでは具体的にどういった企業が狙い目か?

「AI関連」の企業・職種というと、GAFAということになる。既にこういった企業は人気が高いので、あまり妙味はない。
あえてトップ就活生が狙うとすると、国内系企業でAIを手掛けていそうなところだ。

そうすると、ソニー、三菱電機、富士通、NECといった企業になるが、文系の場合は難しい。文系の場合であれば、AI事業の企画関係の部署を狙わないと面白くないが、文系については職種や場所の確約を行った新卒採用はやっていない。

しかし、そこは交渉の世界だし、採用については必ず裏があるので、自分に自信のあるハイスペック文系学生であれば、そういう部署に配属されないと辞めるという前提で人事と話し合って見れば良いのだ。無理だと言われたら他をあたるだけの話なので、気にせず交渉してみるくらいの積極性が欲しい。

VCについては、日本にはクライナー・パーキンスやセコイアキャピタルのような巨大なテック系に強いVCは存在しないが、独立系のGCP(グロービス・キャピタル・パートナーズ)、グローバル・ブレイン、East Ventures、ANRI、インキュベイトファンド、WiLなどのVCが数多くある。

こういったところは大っぴらに新卒採用はしていないが、若手であれば気に入ったら採用してもらえる可能性はある。元気で積極性のある若手は好かれる業界であるので、取りあえず、当たってみればいいだろう。

また、各種イベントをやっているので参加してみれば相談にも乗ってもらえるだろう。
ただ、そのためには、自ら起業に挑戦するくらいの意気込みが欲しい。

最後に

金融、コンサルあたりは既に人気が集まり過ぎているし、将来、今以上に待遇が良くなることは余り期待できない。

アップサイドを期待する、ハイスペック就活生は、人と同じことをやっていても大して儲からないので、周りとは異なる切り口で攻めてみる必要があろう。

文系学生のAI関連とか独立系VCというのは、まだまだ未開拓なところなので、早めに動くて面白いかも知れない。