1. MARCH、関関同立の場合、外銀・外コンの人に接する機会が無い?
現在の就活は情報戦でもあるので、積極的にOB/OG訪問を実行して、数多くの社会人の話を聞いてみることが重要だ。
MARCH、関関同立の場合、日本の人気企業に卒業生を送り込んでいるので、大抵の場合、自分が関心のある企業に勤めるOB/OGの話を聞くことは可能であろう。
総合商社でさえ、毎年、各社1~3名位は就職しているので、国内系企業についてのカバーは十分であろう。
他方、外銀・外コンとなると、もともと母集団が少ないこともあるし、MARCH・関関同立のOB/OGは少ない。また、そもそもMARCH、関関同立から外銀・外コンを目指す学生はかなりの少数派であろうから、同期同士の情報も不十分かも知れない。
しかし、実質的な志望が総合商社とか国内系金融機関であったとしても、外銀・外コンの人の話を聞くことはお勧めである。
なお、ここでいう外コンは総合系を含まず、MBBと言われる戦略系ファームを指すこととする。
2. 外銀・外コンの社員と国内系企業のエリートサラリーマンとの違い
外銀・外コンの場合は、何といっても入社するのが難しいし、入社後も生存競争が非常に厳しい。国内系企業でも仕事がハードなところがあるかも知れないが、3年後には新卒の同期が半分になるというようなことは無いだろう。
また、国内系優良企業との違いは、終身雇用では無いことである。このため、生存競争に勝ち抜くためのプレッシャーは高いし、転職も活用することによって上手くキャリアアップをしていくセンスも求められるので、そのあたりの事情は国内系企業とは全く異なる。
そして、当然、年俸水準も国内系企業とは全然違う。
国内系企業でも、総合商社、大手金融機関、キー局、電博あたりはかなりの高給であるが、その数倍を稼ぐことができるサラリーマンは外銀・外コン位である。給与水準が違うと生活水準・生活感も国内系のそれとは大きく異なることとなる。
3. MARCH、関関同立の就活生が外銀・外コンの人の話を聞くことによる意義
第1は、就活におけるモチベーションアップに繋がることだ。
就活というのは、面倒臭く、精神的にも肉体的にも消耗するプロセスなのだが、ハードな就活や競争を勝ち抜いて、ビジネスの第一線でハードワークをしている外銀・外コンの人の話を聞いてみると、「自分も頑張ろう」というモチベーションアップにつなげられる。
第2は、就活におけるインスピレーションだ。
現代の就活では、ES、GD、インターンといった従来には無かった手続・様式が必要とされており、志望動機とか自己PRとかガクチカとかいろいろなものを用意しなければならないが、まだ社会人経験が無い就活生は似たり寄ったりになりがちだ。
そうした中、国内系企業とは全く異なる環境で活躍している外銀・外コンの人達の話を聞くと、新たな切り口が生まれる可能性があるし、そういった点を相談してみると違った視点からアドバイスをしてもらえるだろう。
普段会う国内系企業の人達とは異なる立場の人の話を聞くと、思考がリフレッシュされる可能性がある。
第3は、将来のキャリアプランにおける参考になることだ。
MARCH、関関同立の場合、新卒で外銀・外コンに入社する可能性は低いかも知れないが、中途採用であれば可能性はある。将来、外銀・外コンに憧れているのであれば、中の人に相談するのが一番堅い。
また、前述した通り、外銀・外コンは終身雇用では全く無いので、転職とかキャリアチェンジ、或いはセミリタイアを前提としたキャリアプランを各自が考えざるを得ない。
他方、国内系の優良企業はどこも、終身雇用であり、終身雇用廃止宣言以降については未知数だ。
このため、今後のビジネスマンは終身雇用を前提としないキャリアプランを考えていく必要があるのだが、そういった点の相談、ヒントをもらえるのは終身雇用を前提としない生き方をしている外銀・外コンの人達からだ。
4. 課題は外銀・外コンの人にどうやって会うか
MARCH、関関同立の就活生が外銀・外コンの人の話を聞くのは、以上のようなメリットがある反面、フォーマルな採用試験に繋がるような面談では無いので、リスクはゼロだ。
従って、是非会って話を聞くことがお勧めなのだが、問題は外銀・外コンの人をどうやって見つけるかだ。
この点については、ツテを頼るのが最も手っ取り早い。OB/OG名簿をくまなく探してみてもいいし、東大や慶応の友達に頼るのでも良い。社会人になると、学生が思っているほど出身校は気にしないので、出身校に関係なく会ってくれるはずだ。
或いは、外資就活とかワンキャリアのようなUpperな就活生を対象とした企業のイベントに参加してみるのもいいし、リクルートのような人材エージェント企業にお勤めの先輩を辿るのでも良い。
このあたりの自分の会いたい人を探して会ってみる能力というのも、社会人になってから使えるスキルなので、この機に積極的に動いてみてはどうだろうか?