1. 100㎡だと2億円越え?バブル期を彷彿させる都心一等地の新築マンション
数年前はオリンピックを過ぎれば下がると言われていた東京の新築マンション。
しかし、東京でも都心の一等地の新築マンション価格を見ると、その高騰化の流れが止まる気配はない。
「港区、新築マンション」で検索を掛けると、
2LDK・91㎡・2憶2900万円、2LDK・98㎡・2億6000万円、2LDK・87㎡・1億9970万円といった物件が簡単に見つかる。
6270万円という物件があったと思いきや、広さは40.34㎡しかなかったりする。
港区の中でも麻布、赤坂、六本木、白金、高輪あたりの新築マンションは、とうに坪単価は500万円を突破しており、600万円位が標準になってきている。
https://suumo.jp/ms/shinchiku/tokyo/sc_minato/
こうなると、家族向けの80㎡の物件だと、一生懸命探して1億5000万円で買えればいい方である。
2. どういった人が買えるのか?
こういった物件をどういった職業・属性の人が買えるのか気になるところだが、実は、買い替えで、都心の一等地のマンションに住み替える人が結構多く、そういった場合は特別収入が高い職業に就いていなくても、2億円位の都心の一等地の新築マンションを購入できるのだ。
例えば、世田谷区、大田区、杉並区あたりのちょっと大きめの戸建てに住んでいる人であれば、不足額はでるかも知れないが、このあたりの住宅地の価格も港区には及ばないが高騰しているので住み替えることはできるのである。
もちろん、そういった買い替えができる不動産をもっておらず、自分の収入だけで新規で購入しようと思うと、職種はかなり限られてしまう。
2億円の物件を購入しようとおもうと、頭金2割、借入金利1.10%、期間20年と仮定すると、月々の支払額は74万3000円である。
さすがにこれでは無理なので、頭金半分の1億円、借入金利1.10%、期間20年と仮定すると、月々46万4000円である。
サラリーマンで最高級の外銀MDだと、基本給4000万円、ボーナス6000万円位は見込めるので、購入可能であろう。
他方、リーマンショック後においては、外銀VPクラスだと良くても基本給2000~3000万円、ボーナスが同額位なので、厳しいだろう。
それ以外の職種だと、国内系は当然無理だとして、外資系コンサルでも外資系製薬会社でも拠点長クラスにならないと無理だろう。
サラリーマンという枠を外すと、美容外科の医院長(非雇われ)、大手渉外弁護士事務所のパートナーであれば可能性はあるだろう。
いずれにせよ、港区の一等地の新築マンションはほとんど手の届かないところに来てしまっているのだ。
3. 意外に?賃貸派が多い、外銀社員
外銀は今でもVP、そしてMDになるとかなりの高収入であるが、意外に賃貸派が多い。
高年収と言っても不安定で将来が読みにくいので、銀行員のように期間30年といった長期の住宅ローンを組むには心理的な抵抗感が強い。
また、外銀の場合は勤務時間が長いので職住接近を好む人が大半だ。
タクシーで10分以内で通勤できるところに住みたがる人が多い。VP以上になると余裕はある程度できるのだが、激務のアソシエイト時代の習慣か、港区内に住み続ける人が多い。もちろん、横並び意識や対抗意識が強い人達なので、周りが港区に住んでいると、郊外に住みたくないという意地もあるのかも知れない。
港区とか渋谷区と比べると、少し郊外になる、目黒区とか世田谷区も高騰しているものの、港区には及ばない。そのあたりだと、1億円位用意すればそれなりの新築マンションを購入することも可能だが、そういう外銀マンはあまり多くは無い。
他方、港区内でも賃貸であれば、ミッドタウンとか六本木ヒルズのようなランドマーク的な物件であれば家賃は100万円以上するが、そうでない低層型のマンションの場合だと、月に50~60万円位だせばそれなりのところに住むことはできる。
これでも決して負担は軽くは無いが、生活コストが高いのは外銀マンの宿命である。
家賃をケチって郊外から遠距離通勤というタイプだと生き残れないのだろう。
4. もうそれなら、いっそのこと起業しようという学生は出て来るか?
せっかく、東大に入学できて、その中で厳しい競争に勝ち抜いて外銀に入社し、激務の中を生き残っても、MDにならないと港区のマンションを買えなくなってしまった。
夢の無い話である。
ドイツ銀行も投資銀行部門を大幅にリストラするということだし、そろそろ投資銀行という形態も潮時かも知れない。
外銀でMDを目指すくらいならば、自ら起業してEXITした方が手っ取り早いということに気が付いて、起業にシフトする学生は増えないものだろうか?
まだまだトップクラスの学生が、外銀とか外コンを狙っている内がチャンスかも知れない。