中途採用だとOKな「成長」は、就活においてはNGワードか?

1. 総合商社や人気メーカーだと「成長は」NGワードという話もある

ESでも面接でも、「志望動機」という頻出の質問事項がある。
「志望動機」というのは就活に限らず、中途採用でもほぼ必ず聞かれる項目である。

この「志望動機」に関する質問に関して、総合商社や人気メーカーなど、比較的「志望動機」に対するこだわりが強いと考えられる業種・企業においては、「志望動機」を語るにあたって、「成長」ができるからですと答えるべきでは無いという話を聞く。

2. 何故、就活だと「成長」がNGワードになるのか?

就活で、「成長」がNGワードとされるのは何故か?
その理由を考えてみると、以下のようなものが思い浮かぶ。

(1)そもそも何にも考えていないように見えるから

「成長」という志望動機は、実は、業界・企業を問わず、どこででも使える抽象度の高いwordである。だから、あまり練られていない、考えられていない印象を与える。

(2)「採用側」である企業の視点に立っていないように見えるから

「成長」というのは、被用者側である就活生にとっての動機である。
「採用側」である企業の立場からすると、その目的は「利益」増大につながる人材が欲しいからであって、就活生の「成長」というのは企業における目的と合致しない。

要するに、サイバーエージェントの誰かの名言、「会社は学校じゃねぇんだよ」ということである。

また、社会人経験が無い就活生が「成長」「成長」と連呼すると、利益を上げるという会社の目的がわかっていないということから、子供っぽい印象を与える可能性がある。

(3)「採用側」である企業の視点からすると、「成長」がモチベーションだと、配属先が入社後に決まる多くの日本企業の場合、配属先が気に食わないとすぐに辞めてしまうおそれがあるから。

その「業種」「企業」「待遇」が入社のモチベーションなら良いが、「成長」という主観的要素が強い動機がモチベーションだと、配属先が気に食わないとすぐに辞めてしまうのではないかという不安が、採用側である企業にとってはあるのである。

3. 実は中途採用の面接では「成長」が志望動機でも全然あり

実は、外資系金融でもコンサルでも、中途採用の面接では「成長」が志望動機というのは普通にありである。

特に、日本の弁護士資格を持っていて大手渉外法律事務所から外資系金融にインハウス・ローヤーとして転職したり、外資系コンサルティング・ファームから外資系金融所ファイナンス(財務・経理)系のポジションに転職する場合、「成長」というのが志望動機になることは多い。

何故、これが問題ないかというと、中途採用の場合には既に職歴というのがあるので、就活時のように「何も考えていない」「採用側の事情も考えないのか」といった基本的な心配をする必要が無いからである。

そして、外資系金融でもコンサルでも、ある程度ポジションと経済環境によって年収というのは決まってくるので、年収がモチベーションの場合には限度があるし、他に年収が高いオファーがあるとすぐに転職するのではという不安が生じる。

このため、「年収」がモチベーションになるよりも、「成長」がモチベーションになっている方が好まれたりする場合があるのである。

それに、外資系金融とかコンサルの場合には、「年収」「スキル」「ステータス」というのが志望動機の前提であることは最初からわかっているので、商社やメーカーほどは志望動機に対するこだわりは少ないというのもあるだろう。

4. 結局、中途採用は別として、就活だと「成長」は控えた方が無難であろう

以上のように、「成長」というのが志望動機、モチベーションであること自体は理解できるし、事実、中途採用では普通にOKなので気にすることはないのだが、就活だと控えた方が無難であろう。(特に、総合商社や人気メーカー)

就活においては、近年だと「ビジネスセンス」「企業分析能力」といったところが以前と違って重視されるようになってきているので、新卒採用専用サイトだけではなく、IRサイトから中期経営計画を読み込んだ上で志望動機を考えて行く方が、採用側も安心するのであろう。

このあたりの、フレキシビリティの高さというのは、中途採用とかビジネスシーンでも要求されるので、上手く対応していきたいものである。