TOEIC、大学入試共通テストに不参加だが、就職等を踏まえると受験すべきテストである。

1. 民間の外部試験利用は、2020年度の大学入試改革の目玉の1つであったが…

①2020年度の大学入試改革と英語の民間外部試験の利用

現行のセンター試験は今年度が最終で、2021年1月(2020年度)から、大学入試改革の一環として大学入試共通テストに切り替わる。

その中で、英語については4技能の検証という観点から、外部の民間試験を利用するというのが大きな特徴であった。

②しかし、英語の外部試験利用には反対意見が強かった

ところが、英語の民間試験利用については関係者からの反対意見が根強く、2019年6月には、東大の元副学長らが利用中止を求める請願書を野党の国会議員に提出したことが報じられるなど、いろいろと問題があった。
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20190618-OYT1T50262/

反対する理由としては、受験機会が均等ではないことや、採点ミスや機器トラブル発生時の責任体制が未構築といった点が挙げられている。

③そして、今回TOEICが不参加を表明

そうした中、今回TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会は、大学入学共通テストへのTOEICの参加を取り下げることを発表し、関係者の間では衝撃が走っている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/terasawatakunori/20190703-00132637/

TOEICは日本で最も普及している英語の外部試験の1つであるが、事前の調査によると、TOEICの利用者は2%程度ということで影響は限定的という意見もある。

しかし、何となくTOEICについてはネガティブな印象が与えられる可能性もある。

2. 今回の大学入試共通テスト撤退とは関係なく、TOEICはぜひ利用したい試験である

今回の大学入試共通テスト撤退騒動によって、TOEICの印象は悪くなるかも知れないが、以下のような理由から、今後も学生にはTOEICを是非活用して欲しいものである。

①就活や転職時における汎用性が非常に高い

国内市場が縮小する中、グローバル人材に対する需要は新卒でも中途でも高まって来ている。このため、英語力が高い就活生や社会人は就職・転職能力は高いのであるが、その英語力を実証する手段としてTOEICスコアは非常に良く使われている。

海外ではTOEICはマイナーだったりすることもあるようだが、既に日本では十分に浸透しているので、大変わかりやすい基準となっている。それは、外資系企業においても同様である。

このため、就活・転職で英語力を証明するための基準として、TOEICは便利であるのでこのスコアアップを目標に英語を学習するのは有意義だと思われる。

②大学入試においても、無駄にはならないTOEIC学習

英語の実践力という点では、大学入試は役に立たないと言われている。
例えば、東大合格者でもTOEICはせいぜい700点台位しか取れないという。

しかし、リスニング、新聞、会話文等、実践的な英語は私立においては大学入試で対策が求められる中、TOEICというのは有用な学習方法の1つである。

また、大学入試には直接TOEICが役に立たないとしても、いずれ就活等を踏まえると
やっておくべきテストであるので、小学校とか中学校とかの早い段階でTOEICを使った学習をするという手もある。

これはTOEICに限らず、英検やTOEFLでも構わないが、将来の使える英語力ということを考えると、学習しておきたいテストだ。

③TOEICは英検のように、合格・不合格のゼロイチの試験ではない

日本ではTOEICと並んで良く使われる英語の民間試験として英検が挙げられる。
就活においてアピールできるとすれば、準1級以上であろうか?

ところが、英検の場合は合格か不合格かの2択である。従って、僅差で不合格になった場合には結局成果はゼロである。

これに対して、TOEICは990点満点のスコア表示なので、目標に届かなかったとしても、スコアが残るわけである。例えば、900点を目標に受験したが、結果は870点であった場合でも、870点というのを外部に示すことができるのである。

そうすると、次回は900を目指して再度挑戦しようというモチベーションも生まれやすく、英語の継続的な学習に繋がり易い。英検1級のように難易度が高いと、連続して不合格になることも珍しくなく、そうするとやる気が失せてしまう。

その意味では、合格・不合格ではなくスコアが残るTOEFLでも構わない。しかし、TOEFLの場合は、ライティングとかスピーキングとかが試験にあって、対策が面倒なところがある。

そういう意味では、TOEICはとっつき易い。また、受験頻度も高く、全国で実施しているので利便性も悪くは無い。

以上のように、今回の大学入試共通テスト撤退はネガティブな印象もあるが、TOEICは多くの者が積極的に挑戦してもらいたいと思う。

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