外資系は無関係?証券会社/運用会社の役職定年と給与カットの話

1. 証券会社や運用会社も役職定年は無縁ではない

「役職定年」という言葉を聞いたことはあるだろうか?
就活生とか、若手のビジネスマンからすると、そんな遠い先の話は興味が無いかも知れない。

役職定年とは、定年が近づいた一定の時点、例えば55歳とか57歳になると、役職を解かれ、給与水準を削られるという制度だ。

その内容は、業界や企業によって異なるが、例えば、57歳になるとライン管理職からは外され、年収が2~3割カットされてしまうような話である。

これは、残酷なようにも見えるが、反対に、本来は会社にいてもらいたくないのだが60歳まで終身雇用を維持するための恩恵的な措置ということもできる。
要するに、本来ならクビにしたいところだが、そういうわけにも行かないから定年まで置いてあげる代わりに、給与やポストは多少我慢してくれという話だ。

役職定年は約半数の日本企業が採用しており、金融機関と言えども例外ではない。
金融機関も、出向先が多い銀行と、それ以外の証券・運用会社・保険会社とでは内容が異なるようだ。

証券会社とか運用会社の場合には、57歳が役職定年で、トータルの年収が2~3割カットされるケースが多い。

<役職定年に関する厳しい話 その1:東洋経済オンライン>
https://www.msn.com/ja-jp/money/personalfinance/アラフィフ世代は%EF%BD%A255歳の崖%EF%BD%A3を知らなすぎる-%EF%BD%A2役職定年%EF%BD%A3を甘く見ると%EF%BD%A4老後は貧しくなる/ar-AAv2r51?li=BBfTjut

<役職定年に関する厳しい話 その2:週刊現代>
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52488

2. 証券会社や運用会社の場合、役職定年を迎えた場合、どのように対応するか?

役職定年というのは一律、決まった年齢に達した時点で適用される。この時点で、既に窓際化しており、ほとんど仕事をしていない人もいれば、反対に、まだまだバリバリ働いている人もいる。

しかし、ほとんどの場合において、役職定年制は一律適用されてしまうので、まだまだ活躍できる人には辛い話である。

誕生日が来る前と、実態は何も変わらないのに、57歳を迎えた瞬間に役職は奪われ、年収は2~3割もカットされてしまうのだ。

それでは、証券会社や運用会社で役職定年を迎えた場合には、対象者はどのように対応しているのだろうか?

その答えは、大変厳しいかも知れないが、ほとんど全員がそれを受け入れるだけだ。
役職定年を迎えてから定年までの3年間は、役職剥奪&年収カットを受け入れたまま過ごすのである。

いくら専門性があっても、さすがに57歳で転職することは難しい。
その時点で国内系の証券会社或いは運用会社にいるということは、転職経験が無いという場合が多いので、転職したところでカルチャー的にフィットすることは難しい。

また、役職定年を迎えた人材を雇用したいというニーズがある企業があったとしても、その点足元を見られるので、結局、年収を維持することは難しい。わざわざ年収を下げてまで転職する位であれば、今の会社に最後まで居た方が良いという判断になるだろう。

3. 外資系金融には役職定年はあるか?

金融機関に限らず、外資系企業には役職定年は無いだろう。
外資系企業の場合、そのあたりはシビアなので、要らない社員は定年まで無理して雇用を継続しないし、従業員もそれを承知しているからだ。

もっとも、外銀の場合は、上手くいっても行かなくても、50歳を過ぎて会社にいることはまず無いので、この役職定年の問題は生じないかも知れない。

他方、運用会社の場合は平均年齢が高く、50歳以上の社員はゴロゴロいるので、55歳を過ぎても営業職とかバックオフィスの専門職の場合には転職が十分に可能な人もいる。

このように、考えると、ある程度の年齢まで生き残ることができれば、外資系金融というのは悪くないキャリアなのだろう。

4. むしろ問題は、終身雇用の廃止の行方…

国内系の証券会社や運用会社の場合、役職定年を迎える瞬間にのみ目をやると、辛く厳しい話だ。しかし、もう少し長い視点で見ると必ずしもそうではない。

というのは、役職定年後の3年後には定年を迎える訳だが、国内系の金融機関の場合は、手厚い退職金と企業年金制度がある。

大手の証券会社の場合には、新卒入社で定年を迎えると、退職金が3000万円程度、これに確定拠出年金が加わる。確定拠出年金加入期間が仮に、30年間(毎月4万円)で運用利回りが3%だとすると、約2330万円にもなる。

従って、野村證券、日本生命、東京海上あたりだと、定年まで勤めた人は誰も会社の悪口は言わないという。

十分に金銭的に手厚い保護を受けるのだ。

従って、気になるのは役職定年よりも、むしろ終身雇用の廃止である。
終身雇用が本当に将来廃止され、50歳位で肩叩きをされるようになると、57歳の役職定年とは比べ物にならないインパクトである。57歳よりはマシとは言え、50歳で年収を維持できるような転職を行うことは極めて難しいからだ。

まだまだ先の話かも知れないが、終身雇用廃止というのはキャリアに関する考え方や行動に対する強烈なインパクトを持った話なのだ。従って、終身雇用に関する今後の経団連の言動には目が離せない。