明治大学経営学部【22卒向け】の就職。民間企業は政経よりも良好?

1. MARCH最難関の明治大学政治経済学部よりは入りやすいようだが…

GMARCH、関関同立等の有力私立大学においては国際系の学部が最難関である場合が多いが、明治大学の場合には、政治経済学部が偏差値トップのようである(パスナビ調べ)。

法学部と商学部が62.5、経営学部が60.0~62.5、国際日本学部が62.5~65.0、これに対して政治経済学部は62.5~67.5である。(意外に法学部の偏差値が高くないように思われるが、法科大学院等が不人気だからであろうか。)
https://passnavi.evidus.com/search_univ/3120/campus.html

こうしてみると、経済・商学部系の学部の中では、経営学部が偏差値的には狙い目のようにも見えるが、就職についてはどうだろうか?

2. 明治大学経営学部の概要

明治大学経営学部は、定員745名である。
経営、会計、公共経営の3学科で構成されている。

男女比率は、約2:1で、男子学生の割合が高くなっている。

キャンパスは、政治経済学部、法学部、商学部と同様に、1年生と2年生が杉並区の和泉キャンパス、3年生と4年生が神田の駿河台キャンパスであるので、立地的には問題ない。

3. 明治大学経営学部の進路について

①明治大学経営学部の進路の概要

明治大学経営学部の卒業者数(2018年度)は、627名。そのうち、547人が就職をする。
公務員となる者は20名で、3.7%と、法学部(約2割)、政治経済学部(約1割)と比べるとかなり少ない。経営・商学部系の特徴であろうか。

従って、大半が民間企業に就職することとなる。
業種別で見ると、103人(18.8%)が製造業に就職する。そして、100人が情報通信業(18.3%)、92人(16.8%)が金融・保険業に就職する。
僅差ではあるが、金融よりもメーカーや情報通信系が多くなっているのが特色である。

②明治大学経営学部の就職先企業について

気になるのは、具体的にどういった企業に就職したかである。
明治大学の場合は、各学部別に上位30社(或いは官公庁)まで開示をしてくれている。

https://www.meiji.ac.jp/shushoku/6t5h7p00000c2zmv-att/6t5h7p00000c2zv1.pdf

これを抽出すると、以下のようになる。

経営学部 主な就職先30社
起業・団体名 人数
三井不動産リアルティ 6
東京特別区 5
凸版印刷 5
大和証券グループ本社 4
NHK 4
日本IBM 4
野村證券 4
みずほFG 4
三井住友海上火災 4
楽天 4
りそなホールディングス 4
アクセンチュア 3
ANAホールディングス 3
京セラ 3
サッポロビール 3
住友不動産販売 3
千葉銀行 3
日通商事 3
日本生命 3
日本郵政グループ 3
JR東日本 3
日立ソリューションズ・クリエイト 3
富士通 3
船井総合研究所 3
ベクトル 3
三井住友ファイナンス&リース 3
三菱電機 3
三菱UFJリース 3
サントリー食品インターナショナル 2
三井住友カード 2

(出所:明治大学公式HPより)

大和証券、野村證券、みずほFG、りそなホールディングス、三井住友海上火災、日本生命といった大手金融機関が上位に入っている点は、明治大学の他学部とも共通している。

三井不動産リアルティ、住友不動産販売という大手不動産の販売会社がランクインしているのは経営学部の特色である。

興味深いのは、上位30社内に、B to C系の人気の事業会社がランクインしているところである。ANA、NHK、京セラ、サッポロビール、サントリー食品インターナショナルがその例である。

また、アクセンチュア、船井総合研究所といったコンサル系もランクインしている。

そして、日本IBM、楽天、ベクトルといったIT系が見られるのは、政治経済学部との違いである、

3. 政治経済学部との比較について

政治経済学部は約1割が公務員になるので、ここの評価をどう考えるかであるが、民間企業だけを見ると、経営学部の方がバラエティに富み、人気企業に幅広く学生を送り込んでいるようにも見える。

大手の金融機関の顔ぶれを見ると、政治経済学部と特にそん色は無いし、NHK、ANA、日本IBM、サントリーといったところを見ると、事業会社系は経営学部の方が見栄えが良い気がしないでもない。

また、楽天、ベクトルといったネットベンチャー系にも就職しているので、多様性、就職先の業界の分散は上手くいっているように見える。

民間企業への就職という点だけ見ると、経営学の方が政治経済学部よりもいいかも知れないが、上位30社だけでは全体的な比較はできないのと、偏差値的なものから、学内では政治経済学部の方が高評価なのだろうか。このあたりは不明である。

4. 明治大学経営学部の就職における課題

明治大学経営学部の就職については、大手金融、大手事業会社に就職できているようであり、また、メーカー、情報通信、ネット系、コンサル、サービスと多様性が確保されている。
したがって、全般的に就職状況は良好であると言えるだろう。

もっとも、課題があるとすれば、政治経済学部、他のGMARCHと同様であるが、総合商社を何とかもう少し増やせないかであろう。

現状では、総合商社、特に大手5社については、全学部合わせて1社あたり1~3名位の状況である。しかも、一般職も含めてである。このあたり、何とか頑張って、全学部合わせてで良いので、1社あたり3~5名(但し総合職に限る)に押し上げたいところだ。

また、ベンチャー起業を志す者がもう少し増えてもいいだろう。大手金融とか国内を主戦場としている事業会社は20年後、30年後は厳しい状況にある。
そこで、いかにニュービジネスで成功できる人材を輩出できるかが大学としても課題になるからだ。自ら起業するのはハードルが高くても、リクルートとかサイバーエージェント系の大手ベンチャーを目指すというのでも良いだろう。

最後に:学部は好きなところを選択すればいいのではないか?

学生の内は、職歴というのが無いので、入学時点における偏差値に拘りがちである。
このため、W合格した場合には、政治経済学部を選択するのが多数なのであろう。

しかし、慶應の法学部と経済学部のように、学部というのは人気度は時代によって変化するし、他校の学部間の偏差値にはそれほど興味を持たないことが多い。

就職状況を見ると、政治経済学部と経営学部に差があるとは思えないので、偏差値に囚われず、好きな学部を選択すればいいのではないだろうか?

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