1. 開成高校の人気低迷との話を聞くが…
開成というと、筑駒や灘と並んで、日本のトップ3の進学校であろう。
ところが、最近、開成高校の人気が低迷しているという話を聞く。
こちらのまとめ記事にもあるが、開成高校の人気は落ちてきているようである。
https://matome.naver.jp/odai/2147413391233623201
辞退者が依然と比べて大量に発生し、追加合格を出しているため、実質倍率が2倍台になっているということだ。
(もっとも、開成のHPを見ると、追加合格の事情については言及されていないので、これだけを見ても良くわからないのだが…)
https://kaiseigakuen.jp/admission/exam/result/
2. 辞退者増加の原因はパワーアップした都立高に流れたから?
昔から定員100人に対して、合格者数は160-170人位であったようだが、これは国立に流れるものを考慮したからのようだ。
ところが、近年になって辞退者が増えたのは、進学率がアップした日比谷高校等の有力都立高校に流れているからだという。
しかし、これも妙な話である。開成高校の東大進学率や医学部進学率は落ちていない。また、東大合格者に関する現役合格率で見ても、開成高校のそれは30%程度であり、依然としてトップクラスだ。
これに対して、都立高校でトップの進学実績のある日比谷高校の現役合格率はせいぜい10%程度だという。
進学率だけを見ると、授業料の問題はあるかも知れないが、開成高校に進学した方が良さそうである。
3. 高校でリア充な生活を送りたいか?
それでは、何故、都立高に流れるのかというと、一つの理由は中高一貫校に高校から入ると、いろいろな面で馴染みにくいからという。開成高校の定員は400名でそのうち300名は付属の中学校からの進学者である。このため、高校から入ってきた100名は付属出身者とはすぐには馴染めないだろうし、何よりも、中学3年間のカリキュラムが全然違うので、勉強の面でキャッチアップするのが大変だ。
開成高校とは言え、現役で東大か医学部に進学できるのはせいぜい半分もいないくらいなので、勉強にそこまで自信が無いのであれば開成高校への入学を躊躇して、横一線でスタートできる都立高校を選択することは理解できる。
しかし、都立高校を選択する意外な理由として、「男女共学」ということを指摘する説もある。所詮は有名大学に入るための3年間の高校生活で、男女共学であれば本当に「リア充」な生活を送れるのかどうかは疑わしい。別に、日比谷高校はスポーツが強くて甲子園を目指したりする訳でもないからだ。
また、リア充というと、慶應の付属の方が日比谷高校よりも当てはまりそうな気がするが、慶應の付属高校は基本的に男女別学である。(湘南藤沢は共学のようである)。
いずれにせよ、今の学生やその両親は、進学率だけでなく学生生活を含めてトータルに考えているようである。
4. 開成高校で上位に入って東大・医学部に合格できる自信がなければ、慶應の付属に行った方がいいのではないか?
高校から入る疎外感とか授業について行けるかの不安、リア充な高校生活といった理由から、都立高校に行くのであれば、いっそ、慶應の付属に進学した方がいいのではないだろうか?
開成高校に入学しても、最終的に東大とか医学部に進学できない学生は少なからず存在する。そういった学生は早慶に行くことが多いのであろう。
また、都立高に行くと、なおさら東大や医学部に進学できる比率はかなり少数であり、期待値としては早慶か或いはそれより下になるのかも知れない。
そうすると、高校進学の時点で慶応の付属を選択するのが得策では無いだろうか?
就職に関しては、東大には及ばないものの、慶應の有名企業への進学率は早稲田を上回り、京大や一橋と比べても遜色は無いだろう。
また、開成高校に合格できる程の学力があるのなら、力を持て余しているだろうから、慶應の付属高校に入って遊び惚けるのではなく、就職までを見据えて、英会話(留学)を磨いたり、公認会計士(高校のうちに簿記1級位は取る)の勉強を始めたらいいのではないか?
今は、東大、慶應と言っても、就職に関する学内格差は激しい。上は外銀・外コン・総合商社全てから内定を取れる反面、総合商社全落ちする学生もいる。
就活というのは、結局はスペックの戦いなので、大学入学時点で留学経験或いはTOEIC900、或いは就活開始までに公認会計士試験(短答式だけでも可)でも取っていれば全然違って来る。
令和の時代になると、終身雇用は崩れ、それに伴う年功序列や新卒一括採用も揺らいでいくだろう。そうなると、大学名の違いというのは従来よりも薄れ、本人の能力・スキルがより重要になるはずだ。
そうであれば、余力を残して慶応の付属高校に進学して、リア充?な生活を送りつつ、外銀・外コンなどを目指して準備を余裕をもって始めるというのは悪くないと思う。