FBのLibraの公表。仮想通貨に関心がある就活生にお勧めの企業は?

1. 2018年は暗い話題ばかりだった仮想通貨が盛り上がり始める?

2017年は信じられない程の急騰で大いに盛り上がった仮想通貨市場であるが、2018年のコインチェックの事件以降、相場は低迷を続け暗い1年となった。

他方、金融庁は仮想通貨交換業協会を起ち上げ、ICOを含む包括的なインフラ作りの作業を仮想通貨交換業者と協働して整備してきている。

また、2019年になりビットコイン(BTC)の価格も復活し、2019年6月19日時点で1ビットコイン価格は約100万円位になっている。

そして、GAFAの一角であるフェイスブックがLibraと呼ぶ仮想通貨を使った金融サービスを始めると発表した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46264260Y9A610C1MM8000/

このため、今後は再び仮想通貨ビジネスが脚光を浴びる可能性があり、目端の利く就活生の中には、この分野でスキルを磨ける企業に就職したいと考える者もいるだろう。

2. 現時点では、仮想通貨だけでなくフィンテックという視点で考えた方が堅い

仮想通貨ビジネスは将来発展する可能性はあるものの、それがどの程度の速度で成長し、どういったプレイヤーが参入するのか、どういったスキルを持った者が重宝されるのかは誰にもわからない。

従って、最初は仮想通貨の部署への配属を狙っても、その発展度合いを見て、他のフィンテック部門への転身が可能なキャリア選択をするのが手堅いやり方だ。

仮想通貨分野はハズレになるリスクもあるが、もっと広くフィンテックと捉えるとそのどこかで生き残れる可能性はずっと高くなる。

3. 仮想通貨ビジネスを手掛けているお勧めの就職先は?

上記の通り、仮想通貨ビジネスはまだまだ不透明なので、仮想通貨交換業の専業者よりも、広くフィンテックを手掛けている大手企業が狙い目だ。

①楽天

日本の大手ネット系企業で、金融分野で最も成功しているのは楽天である。
カード、銀行、証券、保険と金融事業をフルラインで展開しており、金融部門は営業利益の面でもグループの稼ぎ頭になっている。

金融ビジネスというのはガッチガチの規制産業で、外部からの参入が難しいビジネスであるのだが、三木谷さんは元日本興業銀行のエリート銀行員だったということもあり、金融事業に対する嗅覚は鋭いのであろう。

その金融事業で他グループより先行している楽天であるが、仮想通貨についても当然手は打っており、楽天ウォレットをいう仮想通貨交換所サービスを近々展開する模様である。
https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/news/1187572.html

将来的にICOのルールが整備され、楽天コインを発行できるようになると様々な展開可能性があるだろう。それ以前に、楽天が仮想通貨交換業をやり始めると他の独立系と違って信頼性があるのと、仮想通貨交換ビジネスで稼がなくても、他の楽天のサービスに誘導すればいいので、手数料も低くすることが出来る。そうなると、一気に仮想通貨交換業の分野でもトッププレイヤーになり得る可能性もあろう。

就活においては、「仮想通貨ビジネス」と特定した募集はしないかも知れないが、柔軟性はベンチャー企業の強みである。インターン。会社訪問、OB訪問でも、優秀だと思ってもらえれば配属先はネゴすることが可能だろう。

②LINE

LINEは現時点では金融ビジネスにおいて楽天ほどは稼げていない。
しかし、金融事業、LINE Financialについては経営戦略上の重点分野であり、広く事業展開をしていく模様である。

仮想通貨交換ビジネスについては、既に「BITBOX」と呼ばれるインフラを保有している。

LINEの場合には、スタンプやゲームといった仮想通貨と親和性の高そうな消費者向けサービスに強みがあるし、何といっても、7000万ユーザーという強みがある。

フィンテック分野は広く人材需要があるので、こちらもインターンとか会社訪問で優秀だと思ってもらえれば、仮想通貨周りの事業部門に配属をさせてもらう可能性は十分にあるのではないだろうか?

③メルカリ(メルペイ)

海外事業を含め、国内フリマ事業以外は冴えないメルカリであるが、金融事業については本気で取り組もうとしている。

仮想通貨事業については、最近これといった報道は無いが、虎視眈々と狙っているところであろう。

メルカリ(メルペイ)の魅力は、何といっても抜群の知名度と極めて進歩的な人事制度であろう。仮想通貨、フィンテックに関するスキルだけではなく、メルカリに入社すれば本人のやる気次第でいくらでもチャンスはありそうである。

IPO以降、業績が低迷し、注目度も下がって来ている今こそいいタイミングなのかも知れない。日本人の場合、付和雷同型が多く、一旦仮想通貨とかフィンテック分野が人気になると、一気に有力校の学生が殺到する可能性がある。

このため、周りの外銀・外コンを狙っている同級生の動向に流されることなく、フィンテック、仮想通貨に興味があれば会社訪問をしておく価値は十分にあるだろう。

④ビットフライヤー(bitFlyer)

最後は、上記3社とは異なり、仮想通貨事業の専業者である。
ビットフライヤーは仮想通貨交換業の最大手であるが、何といってもその魅力は、金融の専門家集団であるということだ。

創業者の加納元社長(現在は退任し、子会社のbitFlyer Blockchainの代表取締役)を始め、外資系金融出身者が多い。

上記のような大手が仮想通貨交換ビジネスに本格参入した場合に、勝ち残れるかどうかはわからないが、少なくとも個人として仮想通貨の高いスキル・専門性を身につけていれば、その後はどこにでも勝ち組業者に転職することができるだろう。

ここは好き嫌い、合う合わないが分かれるところなので、会社訪問する等して、判断すれば良いだろう。

4. 仮想通貨やフィンテック関連企業への就活にあたって留意すること

仮想通貨やフィンテック関連ビジネスについては、有望視されてはいるが、将来どうなるかは保証の限りではない。

また、仮想通貨やフィンテック関連事業が将来成長したとしても、その中で自分自身が優位なポジションに就いているかどうかもわからない。

メガバンクや大手生損保も将来は楽観視できないものの、当面の間は高い給与水準やネームバリューをある程度享受することはできるだろう。反面、アップサイドも望めないであろう。

従って、仮想通貨やフィンテック分野を目指すというのは、ハイリスク・ハイリターン型のキャリアを目指すということであり、将来は自らベンチャー起業したいというくらいの意気込みが欲しいところだ。

令和になって、終身雇用の廃止や年金を補う貯金も自助努力で行えということが取り沙汰されている。会社に依存していてはダメで、自分自身のスキルや専門性が頼りの時代ということであろう。

トップ校の学生はまだまだコンサバなのであろうが、金融大手や外銀とかではなく、自分に自信のある若者はこういった金融ベンチャーを狙ってみてもいいのではないだろうか?

なお、当然かも知れないが、この分野に進むにしても英語は必須だと思っておいた方が良い。楽天は英語がMustであるし、bitFlyerも中途採用では英語力を要求されるケースもある。

それに、金融の場合には外資系の方が好待遇が期待できるので、将来外資系(中国系とかシンガポール系なども含む)が入ってきた場合には、英語ができないとキャリアの選択肢が狭まってしまうからである。