一橋大学の就活生はベンチャー/起業を目指すのがお勧めな理由

1. 一橋大学の就職における課題

一橋大学は社会科学系の文系学部だけで構成される小規模な国立大学であり、伝統的に就職は強い。しかし、近年では就活力は減退傾向にあり、学生数をアジャストしても慶應大学に追いつかれたのではないかという感さえある。

そう感じる理由としては、既に感じている学生もいるかも知れないが、外銀・外コンへの内定者数が少ないということである。別に、就職先は個人の好みの問題であるので、外銀・外コン志望者が多くないだけだろうという反論もあろうが、外銀・外コンが就職最難関であるだけに、ここを押さえないと大学の格やブランドが下がるということになる。

また、外銀・外コンだけではなく、三菱商事の内定者数が少ないというのも残念な話である。ここは、外銀・外コンとは違って、伝統的に一橋が最も得意としていた企業であるだけに、他校と比べて内定者数が少ないというのは、以前よりも学生の評価が低くなったのではないかという不安も生じてくる。

<一橋大学生が三菱商事の内定を取りにくくなった理由>
https://career21.jp/2018-11-27-171054

2. 一橋大学生が就活で苦戦している原因

外銀・外コン、三菱商事(或いは三井物産も)以外の総合商社、金融、サービス業、メーカー等への就職状況は悪くは無さそうなので、就活で全般的に「苦戦」というのは大げさかも知れないが、本当の難関・人気企業の内定を取り切れていない原因としては、以下のものが考えられる。

①学生数が少ないことによる競争意識が足りないこと

これは、一橋とは反対に、就職力を強めてきていると思われる慶応大学との比較であるが、何といっても学生数が少なく、キャンパス内における人口密度が圧倒的に低い。このため、大学入学後に競争して勝ち抜こうという雰囲気になりにくいことが考えられる。

日本人は、いい意味でも悪い意味でも、横比較が好きなのであるが、慶應のように、「アイツが外銀・外コンを目指すのなら、俺も!」という意識が一橋生には生まれにくい環境と言えるのではないだろうか?

②場所的な問題:国立は都心から遠い

これは、外銀・外コンというよりも、IT/ネット系ビジネスにおいてより深刻な問題なのであるが、高度な情報化社会という環境下、IT系のニュービジネスは特定の地域に集中している。アメリカではシリコンバレーへのニュービジネスの集中度が高くなっているし、日本では六本木、渋谷、五反田、新宿という都心部だ。

国立自体の環境はいいのだが、ITネット系のビジネスで厳しい環境にもまれて切磋琢磨していくという雰囲気ではない。時間の進み方もゆっくりで、経済理論、法律、文学系の学習をじっくりやるのには良い環境であっても、変化が激しく、大衆心理を捉える必要があるネット・べンチャー系には適していないのではないだろうか?

理想を言うと、六本木とか渋谷あたりの小さいビルを一棟買い取って、ITベンチャービジネス専門の施設にでもすればいいのだが、なかなかそういうわけには行かない。
しかし、神田のキャンパスとか如水会間のビルがあるので、学部生にも有効活用をさせることは可能であるため、何らかの措置を講じたいところである。

3. 一橋大学生がベンチャー・起業を目指すのがお勧めな理由

これは、一橋大学生に限らず、東大、早慶等、他大の学生にもあてはまることである。
なお、「ベンチャー・起業を目指す」というのは、大学卒業後に自ら起業をする、或いは、
本当のベンチャー(従業員が10人もいない会社)に就職をしろということではない。

ベンチャー起業というのは、アメリカでも、日本でも失敗する方が圧倒的に多いのが実情である。従って、勝算があれば別だが、多くの場合は、「ベンチャー・起業」経験をうまく使って、良いところに就職をするというのが狙いなのである。
「ベンチャー・起業」に詳しい学生は、就活で有利な理由は以下の通り。

①金融、コンサル、商社、サービス業、メーカーと問わずIT/ネット系に強い人材に対する需要が非常に高い

AI/IT、第4次産業革命、デジタルフォーメーション等、言い方は様々であるが、業種を問わず、企業のネット系に詳しい人材に対する需要は非常に高いのだ。

別に、ネット系に詳しいというのはプログラミング人材に対してだけではない。ネットや関連テクノロジーをビジネスに活かせることができるアイデアを持った人材に対する需要も大変強い。

例えば、金融業界ではどこもフィンテック要員に対するニーズは高く、別採用をしたりしている企業もあるが、フィンテックを具体的にどのようにビジネスに反映させ収益化させるかというのは、どこも大してアイデアが無い。このため、プログラミングで出来なくても、ビジネスへ展開するためのアイデア・創造性がある学生は歓迎だ。

また、もっとも川下領域になるかも知れないが、Webマーケティング、Webコンテンツ系で優れた能力を発揮できる学生に対する需要は高い。これは、文系の学生であっても専門性を持てる領域である。

そもそも、経営者とか人事部門自体がネットIT系のことは詳しくないのだが、将来に向けて強化しないといけない領域である認識・危機感は持っている。

それから、これはネット・IT系に限定される話ではないが、少子高齢化による国内市場が縮小するのが確実視される中、日本企業は将来、海外で稼ぐか、新規事業で稼ぐ他途は無い。
このため、グローバルリーダーシップを持った学生が就活で重宝されているのであるが、同様に、新たにビジネスを創造することができる人材も求められている。
ネットIT分野に強く起業経験がある学生は、(実際は大したことはなくとも)新規事業を創造できる能力があると思ってもらえる可能性は高い。

②ネット起業経験がある学生の数が圧倒的に少ない

上記①では、ネットIT分野に対する企業のニーズがとにかく強いということを述べた。
ここでは、それに対する供給が少ないということに触れたい。

一橋の学生が就活で対決するのは、プログラミングに強い理系の学生ではない。東大法学部、経済学部、早慶の文系学部の学生だ。そういった学生と、外銀、外コン、三菱商事の椅子を巡って争うわけだ。

英語、ファイナンス、ケース対策、フェルミ、Webテスト、ES記述テクといった、ある程度やることが明確で決まった答え・対処法がある世界では、東大や早慶の優秀層は強い。

また、東大経済学部や慶応の学生はキャンパスが都心立地で情報収集能力にも長けている。

従って、そういった東大、早慶の優秀層と限られた椅子を巡って戦うと、一橋の学生が差別化できる武器が特にあるわけでも無いので、必然的に苦戦するわけである。

ところが、ハイスペックな学生に限らず、外資金融とか商社の若手社員と話していて気付くのが、総じてネットビジネス分野に弱いということだ。社会人になれば、外銀、外コン、総合商社の場合、副業でネットビジネスを行う余裕は無いし、そもそも、副業・兼業は禁止されているところが多い。

また、特に金融機関の場合は、インサイダー規制や顧客情報に対する守秘義務が厳しく求められる世界であるので、ブログ、SNSによる情報発信ができない。このため、ブログ、ツイッター、YouTubeといったネット系コンテンツ周りは非常に弱い。

さらに、GAFAのようなネット系巨大企業が存在しない日本においては、IBD部門ではITネット系企業のビジネス上の優先順位が低く、FIG(金融機関)、自動車、製薬、電機、通信インフラ、不動産、小売りといったところがメインとなっている。このため、ネット系企業、ネットベンチャーに対する知識は薄くなりがちだ。

このため、外銀とか国内系証券のIBDとかの社員に対しても、ちょっとしたネット起業経験とか個人ブログの実績でもあれば、「結構凄い!」と勘違いしてもらい易い。

従って、起業といっても、エンジニアを雇うとか、VCからお金を引っ張るといったレベルまでも求められない。個人のWebだけで展開できれば十分である。それでも面倒であれば、ブログビジネスが手っ取り早い。粘り強く情報発信して、PVが10万を超えたり、アフィリエイト等で月に10万円でも稼げることができれば十分差別化できるだろう。

ブログがいいのがその過程で、SEOとかWebマーケティングを勉強することができるので、視野は確実に拡がるであろう。それに、何といってもお金もかからないし、失敗しても失うものはないので是非やってみたいところだ。

③一橋生は起業をやったり、ネットビジネスに当てる時間を取れるのが強み

国立キャンパスが都心からかなり離れているので、立地の面で、東大や早慶の学生と比べると不利なようにも思えるかも知れない。

しかし、一橋の場合は授業出席とか単位取得に関する負担が他校と比べて少ない。
東大法学部は法律系の専門科目の単位を取るのが結構大変なことで知られているが、慶應も経済学部は結構勉強させられ、時間的労力的な負担はある。

一橋生はこういった時間的な優位性を活かして、起業や個人ブログによる収益活動を展開すると面白いのではないだろうか?

最後に

外銀や外コンは難関であるし、入社後も大変なハードワークが待っているが、頑張ればプロフェッショナル・スキルを取得できるというモチベーションがある。

他方、総合商社の場合には、長年経験を積んでもこれといったプロフェッショナル・スキルが身に付くとは限らない。この点は、メガバンクや生損保と同様である。

そういうことを考えると、ネット起業分野に詳しくなって置くことは、入社後に自分のスキルの選択肢が拡がることにつながる。

文系の学生がこちらの世界に入って来る前に、ネット起業分野を学習・経験しておきたいところだ。